耽美試行

はなこよみ(6)

 36〜42 2014.10.15〜2014.11.8

    

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大学院生大村淳史のワンルームマンションへ、友子が訪問する日です。叡電と京阪電車の出町柳駅から東へ一分ほど歩くと淳史のいるマンションです。三階の東側にある六畳の部屋で、床はフローリングです。窓のそとにベランダがあるから、部屋から直接には道路が見えないようになっています。ということは道路からもこの部屋の出来事は、わからない。密室といえば密室です。もう夕方、五時過ぎには薄暗くなってきます。夏が過ぎて、秋、もの悲しい気持ちになってくる季節です。
「わたしよ、あけて」
ドアのロックをはずしてもらって、友子が部屋に入ります。淳史の部屋は、男の匂い、友子は、なんとなく淳史の部屋の匂いが好きです。
「ううん、買って来たのよ、コンビニで、夜のごはんだよ」
「そうだね、ありがと、あとで、チンして、食べよう」
友子が淳史の部屋へやってくる目的は、その第一はセックスです。二人だけで、交わることが出来るのは、ここか友子のワンルームです。友子の部屋へ淳史が来ることの方が多いんですが、今日は、淳史のお部屋のお掃除をしてあげなければならないから、との名目で、淳史のワンルームへやってきた向井友子です。
「ああん、まだよ、あつしぃ・・・・」
コンビニで買ってきたお弁当を小さなキッチンに置くなり、淳史が友子をうしろから抱いてきます。一週間ぶりに会う、大学院生の淳史には、性欲をぐっとこらえてきたところなのです。女の友子は、男の淳史ほど、性欲はありません。とはいえ、情欲がないわけではありません。好きですが、そこは女子大生だから、淫らなことは考えないで、研究テーマの源氏物語の解析とかの、お勉強に専念したいところです。

うしろから抱かれて、かるく羽交い絞めされてしまう友子です。
「ああん、だからぁ、あつしぃ、ちょっとまってよぉ」
「そやけど、ともこぉ、いっしゅうかんぶりなんやぜ」
「そんなことゆうても、いま、来たばっかりやん、ちょっとぉ」
「待ってたんやで、ともこ、来るん、そやからぁ」
スカートにブラウス、インナーはタンクトップにブラ、ショーツにストッキング、どこからみても学生タイプの女の子です。淳史は普段着すがたで、トレーナーにズボンです。下穿きはユニクロで買ったブリーフです。
「あああん、あつしぃ、あああん、まだよぉ、ああん」
「待ってたよ、ともこ、来るのン、待ってたんだよ」
うしろから羽交い絞めしている淳史の手が解かれて、そのまま、右腕は友子の胸に、左腕から手先は友子の腰のまわりを抱く格好です。友子はといえば、お顔をうつむかせ、腕を後ろにまわして、淳史の腰をまさぐっているんです。着衣のまま、まさぐりあいだす淳史と友子なのです。
「ふううう、すううう、ふうううう」
淳史の息づかいが荒くなってきます。友子には、背後にいる淳史のこころとからだの変化を、その呼吸を感じて知ります。
「ああん、あつしぃ、あああん」
淳史の勉強机に、友子が伏せる格好になって、うしろから、淳史が、スカートをめくりあげてしまいます。お尻を出す格好で、上半身を前にたおして、机の面に頬をあててしまう友子。うしろから、淳史が、友子の穿いたストッキングとショーツを、降ろしてしまうのです。

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淳史のワンルーム。お顔の頬を勉強机の面にふせている友子。うしろから淳史が、友子のスカートをめくりあげ、ストッキングとショーツを、おろしてしまうのです。お尻から太腿の根元までおろされてしまった友子は、足をくねくね、お尻をふってしまいます。
「ああん、だめよぉ、ああん、こんなことぉ、ああん」
勉強机の面に伏せた頬、その口から洩れてくるのは呻き声です。淳史はズボンを脱いでいて、ブリーフだけの下半身です。友子のナマ肌、丸いお尻を突き出させる淳史。ストッキングとショーツを膝までおろしてしまって、淳史が、右手を友子の股間へさし入れます。スカートを着けたままの友子です。ブラウスを着たままの友子です。下半身、腰から膝までを露出させてしまった友子です。
「こっち、むけよ、ともこ」
淳史の勉強机に顔を伏せている友子を起こさせ、淳史のほうへ向かせられます。勉強机を背にして、友子は、大学院生の淳史に抱かれます。
「はぁああ、ああん、あつしぃ、あああん」
「ふうう、ふううう、ともこ、ふうう、ふううう」
抱いてくる淳史に、抵抗なぞはしません。もう、いつものこと、抱かれて、股間に手を入れられて、まさぐられていく友子です。キッスは、唇を合わせるだけ、軽く唇で唇をこするだけです。淳史が、友子の肩に手をおいて、うえから少し力を加えます。合図は友子がしゃがんで、淳史のモノを握るということです。
「ううん、あつしぃ、わたし、はぁああ」
友子は、膝まで降ろされたストッキングとショーツを脱ぎ去ってしまいます。そうして床に敷かれたカーペットにペタンと女すわりしてしまうのです。

淳史のワンルームは六畳間です。ベッドと勉強机と椅子、それに衣装ケースがあり、卓袱台があります。畳二枚分ほどの床が確保されているから、友子の四畳半と比べると、広いお部屋です。そのほぼ真ん中、仁王立ちになった淳史の足元に座りこんだ友子です。ブラウスもスカートもつけているから、座りこむと下半身が?き身だとは、わかりません。
「ううん、きょうは、いいのよ、だいじょうぶよ」
頭の中で計算してきているから、でも、スキンはたっぷり用意してある筈だから、友子は、それを想っているんです。淳史の腰から、お尻から、ブリーフを脱がしてあげる。淳史ったら、もう、びんびんにしていて、脱がした途端に、ピーンと真横へ、いいえ反りあがってくるんです。
「おおおおっ、ともこ、おおおおっ」
左腕をお尻にまわされた淳史、お腰を突き出します。友子が右手に、腰の勃起ブツの真ん中を握ります。握った手を、そのまま根元へ、皮を剥く格好で降ろします。びんびんに突っ立った淳史のモノを、友子がため息まじりに、咥えるのです。ぷゆぷちゅ、音を立てる友子。陰茎を吸ってお口を離すときに発する音です。
「おおおお、ともこ、いいよ、おおおおっ」
淳史は仁王立ち、ぐっと腰を突き出すようにして、友子の頭を腰のあたりで抱くかっこうで、分身をしゃぶらせていくのです。

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薄暗くなってくる淳史のワンルーム。夕方になって、ベランダの向こうが暗くなってくるのが淳史には気になります。友子に下半身を触らせ、男のモノをしゃぶらせているのに、妙に気になってきて、部屋に電気を灯します。LSD電気で明るくなるワンルームです。友子は、淳史のモノを右手に握り、微妙にしごきながら、先の部分を唇に挟んで、搾りながら、首までを口の中に入れるんです。
「ほんなら、ともこ、立って、机に、座れよ」
おんな座りの友子を立たせ、淳史の勉強机に座らせるんです。淳史は椅子に座って、友子が机に座って、向きあう、とはいっても、淳史の目の前には、友子の腹部です。友子には、椅子の肘掛に足裏を置かせます。
「ああん、あつしぃ、あああん」
ブラウスを着たまま、スカートを着けたままですが、すでにストッキングとショーツは脱いでしまっているから、足裏を左右の肘掛に乗せさせると、友子の太腿、その奥が、見えてしまうのです。
「ともこに、してあげる、いいよね」
「ああん、あつしぃ」
淳史が友子のスカートを、太腿の根元までめくりあげます。お尻を浮かせる友子。スカートの後ろ部分がたくしあげられ、お尻を?いたところで留められます。下半身が?き身になった大学三年生の友子です。お尻を前へずらして、勉強机の縁ちかくまでずらされてしまう友子。椅子に座った淳史が、友子の太腿下から腕をとおし、腰を抱く格好になって、お顔を友子の股間へ、擦りつけてしまうのです。

大学院生になって、ワンルームの勉強机を高級なデスクに買い替えた淳史です。勉強中心の執務室ですから、会社の社長さんが使うデスクの大きさ、勉強机です。この勉強机の縁にまでお尻をずらさせると、後ろが余ります。友子は、左右の手を、後ろにつくようにして、からだを支えます。
「はぁああ、あつしぃ、ああん」
吸われる感触、淳史の唇が、股間の唇を吸ってくるから、友子、じんじん感じだしてきます。なんかしら、本能的なものだと思うんですが、いい感じなんです。どうしてだか、恥ずかしさという感情が消え失せて、大胆になっていく友子です。
「はぁああ、ああん、はぁああん」
淳史がお股にお顔をくっつけて、吸ってきて、擦ってきて、舌を使いだして、這わせてきて、割れ目のなかへ挿しいれてくるのがわかります。そうしてお顔を退けられ、友子は、後ろについた手をゆるめます。淳史がブラウスのボタンをはずしにかかるから、友子、自分でブラウスのボタンをはずしちゃいます。そうしてブラウスを脱いでしまってタンクトップをめくりあげるんです。ブラのホックを淳史がはずしてくれて、乳房をもちあげ支えるものがなくなります。
「ああん、あつしぃ、ああ、ああん」
淳史のお顔が、股間につけられ、唇で縦の唇を擦りあげられ、舌先で割られてきて、ちょりちょろ舐められちゃう。と同時に、淳史の右手が乳房を触りにくるんです。左腕は太腿のうらから腰にまわっています。乳房を触ってくる淳史に、友子はもう拒否なんてしません。ああ、おっぱい、弄られるの、もどかしいけど、気持ちいいんです。

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椅子に座っていた淳史がたちあがります。机のうえにお尻をおいた友子の前に立ちます。先にぬいでしまっているズボンとブリーフです。シャツは着てるものの下半身ははだかです。まだブラウスを着てスカートを着けている友子だって、ストッキングとショーツを脱いでしまっているから、下半身ははだかです。
「ああん、あつしぃ、あああん」
「ともこ、いくよ、いいね」
「はぁあ、ああん」
淳史が腰の勃起ブツを、友子の股間へあてがいます。机のうえに開脚でMの格好、友子です。淳史の勃起ブツを挿入されていくのです。
「はぁああん、あつしぃ、ああっ、はぁああっ!」
淳史が友子の背中へ腕をまわし、抱く格好で、腰のモノを挿しこんでいきます。
「ほぉおおっ、ともこぉ、おおおおっ」
ぶすぶすっ、淳史の勃起ブツ、なんなく友子のヴァギナに挿しこまれてしまいます。友子は、机のうえでMすがたです。背中をだかれて、淳史の胸へお顔をくっつけ、腕を淳史の背中にまわします。
「ああああっ、だめ、だめ、ああああっ!」
淳史が、もう、いきなり、挿して、抜いて、挿して、抜いて、をくりかえだすのです。友子は、太腿をぐぐっとひろげて、淳史の勃起ブツを受け入れるのです。

淳史のお部屋へやってきて、そのまま交情になってしまった友子です。なにはともあれ淳史の性欲を満たせてあげないと、落ちつかないことを知っているから、友子だって性欲を掻き立てられるから、交情に及んで、嫌な気持ちは毛頭なくて、好んでいるんです。
「あああん、あつしぃ、ああああん」
「ほぉおお、おおっ、ともこぉ」
ぶすぶす、勃起ブツを挿しこみ、抜いていく淳史。ぶすぶす、ぶすぶす、腰を突出し、腰を引きます。勃起ブツ、友子の分泌とろとろ液にまみれて、ぬるぬるです。なんともいえない気分は、本能のもの、淳史は、友子と交わりながら、快楽を享受するのです。
「はぁああ、いい、いい、あああん、あつしぃ」
「おおっ、おおっ、いいよぉ、ともこぉ おおっ」
大学三年生の友子、淳史のモノを受け入れて、快楽です。疼くからだの奥底を、ずんずん突かれる感じで、とっても気持ちいい。これも本能、おんなの性です。淳史が、スキンをつけます。引き抜かれた勃起ブツ。友子は見て見ぬふりで、見ちゃいます。数秒ですけど、パチンとスキンが締まる音がして、そのまま、ぶすぶす、挿入されてきます。
「ああっ、ああっ、あつしぃ!」
「ううっ、おおっ、でる、でる、うううっ!」
急速なうごきで、淳史が苦しむようなお声をあげて、友子、痙攣するのがわかります。淳史の射精。友子は、軽いオーガズムです。

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セブンのコンビニで買ってきたお弁当とインスタントのスープで食事をします。友子のお弁当は幕の内弁当で淳史のは焼肉弁当です。友子は少食だから、幕の内弁当のごはん半分とおかず半分は淳史が食べます。
「なんだか、友子といっしょにいると、落ちつくんだ」
「そうね、わたしだって、そうかも」
「生きてるって、いいことだよね」
「なに言ってるのよ、あたりまえでしょ」
「この卵焼き、もらっていい?」
「食べていいよ、あげる」
友子はプラスチックの容器に詰まれたお弁当の具から、親指ほどの卵焼きをお箸につまんで、淳史のお弁当にのせてあげます。六畳のひろさのワンルーム。玄関のドアをひらくと、左にバスとトイレ、右には小さなキッチン、その奥がワンルーム六畳です。夕方になって、窓の外が暗くなってきて、寒い気がして電気のストーブをつけます。あったかい空気が、直接お顔に感じられるストーブです。
「それで、多良書房だけど、あそこ、おもしろいんだよねぇ」
「わたし、このまえ、行ったけど、おもしろいって?」
「ぼくは、興味深々だよ、あの世界、多良書房が扱う世界だけど」
「そうなの、わたしはあんまりよ、でも、わたし、大島織物に就職するかも」
「田能村って先生、絵描の先生、えっちな先生なんだけどさぁ」
友子は、それらの話題には触れられたくない気持ちになります。恋人大村淳史とはセックスを共有する関係で、ゆくゆくは結婚するかも知れないと思う友子です。その友子が、あの夜、田能村と関係を結び、その関係したことを秘密にするために、大原織物の土蔵で大原由紀夫と関係してしまったのですから、それは、淳史に知られたくない、隠したい友子です。

多良書房は麩屋町三条を上がったところにあるマンションのワンフロアーにあるんですが、前半分は書房スペース、後ろ半分は演舞場になっていて、ショーが行われるんです。多良書房が扱う書籍類は、稀覯本、めずらしい本、それも性にまつわる書籍や画集、最近のモノは写真集、ホームページも開かれているから、そのファンは全国に点在しています。もちろん海外からのアクセスもあるから、いまどきの世界展開する多良書房です。
「コーヒー入れてよ、友子」
「うん、入れてあげる、インスタントでいいでしょ」
夜の簡単な食事がおわって、コーヒーをいれるために友子がキッチンに立ちます。さっきにセックスしたから、もうそんなに性急にはならない淳史ですが、友子を見ていると、ふたたび、むずむず、むくむく、欲望がわいてきます。粉末コーヒーがカップに入れられ、湧いたお湯がカップに注がれ、ワンルーム、卓袱台に置かれます。友子だって、一回で終わるなんてことは思っていなくて、何回するかは、流れによるけれど、三回とか四回とかに及ぶこともあります。
「だから、淳史ぃ、ああん」
卓袱台をまえに並んで座った友子に、淳史が抱き寄せます。カップのなかのコーヒーがかすかに波打ちます。
「だめよ、ああん、こーひ、のんでからでしょ、淳史ぃ」
淳史が、スカートの中へ手を入れてきます。胸に手を入れてきます。さっき終えた後に着たワンピース、部屋着にしているワンピース、ふわふわネルのワンピース、下着はなにも着けていない友子なのです。そわそわして感じの淳史なのですが、友子には細部はわかりません。気がつくと、淳史が、柔らかい女性用の兵児帯を手にしているのです。友子は、知って知らないふりをして、頭の中には、多良書房でみた画集のイメージが浮かんできます。赤と桃色が混じった兵児帯で、括られる、友子は、とっさにそう思ったのです。

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からだに一枚だけ着たワンピース、これを脱がされてしまうと素っ裸になってしまう友子。食事がおわりコーヒーを入れたカップが置かれた卓袱台を前にした友子、その後ろにまわったブリーフだけの淳史。淳史が手にした赤と桃色の兵児帯の真ん中を、紐状にして裸の友子の背中に、当てます。前を向いた友子は、女すわりから膝を立てた座りにされ、淳史がその友子を、抱いてしまうのです。
「はぁあ、淳史ぃ、なにするん、帯で・・・・」
「ううん、なんでもない、なんでもないよ」
背中に当てられた兵児帯が右肩へまわされ左脇の下へまわされ、まえへまわった帯は友子の膝の内側から外側へとまわされ、肩の帯は脇の下へ、脇の下からの帯は肩へとまわされて背中でクロスさせて括られます。ちょうどタスキ掛けする要領で、膝もいっしょにタスキ掛けしてしまった格好です。
「ああん、なによぉ、淳史ぃ、はぁああん」
「いいことしてやっから、友子、いいよなっ」
全裸のからだに兵児帯で、タスキ掛けされる友子。膝を立てた姿で座った上半身、背中にまわった帯が絞られます。友子の左右の膝が脇腹に、くっついてしまうほどに絞られてしまうのです。
「ああん、淳史ぃ、こんな格好・・・・」
淳史は友子のうしろに足を投げ出して座っています。投げ出した足は卓袱台のしたにもぐり込んでしまいます。うしろから淳史に抱かれる友子の手は自由です。まだブリーフを穿いたままの淳史の腰を、手をうしろにまわして、まさぐる友子です。淳史が友子の手をさえぎり、うしろへ退いてブリーフを、脱いでしまいます。素っ裸になってしまった淳史は、ふたたび友子の背中に密着して、腕を友子のまえへもってきます。

淳史が愛用しているパソコンのメディアプレーヤーから、ショパンのピアノ曲が流れでています。かすかな、バックミュージック、全裸でMすがたになった友子に聞こえて、淳史にも聞こえています。やわらかいピアノの調べが、六畳のワンルームを包みます。
「はぁああ、淳史ぃ、ああん」
卓袱台を前にして立膝で座っている友子が、うしろから抱かれて前へまわされた淳史の手の動きに、身悶えしてきます。
「ああん、淳史ぃ、はぁあ、ああん・・・・」
「ええやろ、友子、ええんやろ」
「ええ、ええ、ええよぉ、はぁああん」
乳房を愛撫され、揺すられ、揉まれていく大学三年生の友子です。もうお勉強のことなど、思えなくてひたすら淳史との交情に、気持ちを入れてしまうのです。二人だけのワンルーム。甘い香りがするお部屋。ショパンのピアノは夜想曲、うしろへまわした手に握った淳史のモノは、すっかり勃起していて、友子、皮を剥いて、弄ってあげる。そのかわり、淳史には、ああ、開脚されてしまったお股を、まさぐられてしまう。
「ふううう、ふううう、友子ぉ・・・・」
「はぁああ、ああああ、淳史ぃ・・・・」
ヌルっとしている淳史のモノの頭を、撫ぜる友子に、淳史は、友子のひらいたヴァギナへ指を一本、挿入しているんです。共に濡れだしていく男と女、大学院生の淳史と大学生の友子です。そうこうして、淳史がまえにまわり、卓袱台にお尻をおいて座ります。床のカーペットに開脚Mすがたで座った友子に、腰の勃起ブツをしゃぶらせるのです。友子は、いわれるまでもなく、淳史の腰へお顔を近づけ、勃起ブツを口の中へ、咥えてしまいます。咥えて、濡れた頭の味を確認し、なんども味わった変な美味しさを確認し、あたまで確認し、そのモノを半分以上、お口の中へと咥えこんでしまいます。

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全裸で膝ごと、兵児帯でタスキ掛けされている友子は、開脚M字すがたです。卓袱台に座った淳史の腰から突き出る勃起ブツを、口に含んで吸ったりしゃぶったりする友子は、もどかしさの気持ちです。してあげるしてもらうということでいえば、してあげて、してもらえないもどかしさです。淳史には、友子を縛ることで、関係をいっそう深めようとする行為。友子には、その意図がわからないけど、拘束されている自分を意識してしまいます。
「はぁあ、ああん、淳史ぃ・・・・」
淳史の熱いモノを口から抜いた友子は、淳史に、自分をなんとかして欲しいとの要求を暗に示します。淳史は、暗に了解する感じで、卓袱台からカーペットの床へ座ります。友子とは正面に向きあう格好で、足を投げ出す全裸の淳史。友子のお尻を足で抱く格好です。膝ごとタスキ掛けした友子のからだ、上半身を立ててやると、ひろげた足首が浮きます。そこへ淳史の腰が入りこみ、友子のヴァギナへ淳史が勃起ブツを挿入してしまうのです。
「はぁあ、ああっ、はぁああ、ああっ」
ぶすぶすっ、締まる友子のヴァギナへ、淳史が挿しこむと、その刺激が強いのか、友子の喘ぎ悶えが、洩れ出る声でわかります。正面から、座って抱きあう格好で、陰部結合させている男と女、淳史と友子、院生と学部三年生のふたりです。
「ああん、淳史ぃ、はぁあ、ああん」
「いいよぉ、友子、いいよぉ」
男と女を密着させたまま、抱きあう淳史と友子、性行為の真っ只中です。ぶすぶすと挿しこまれてこすられる友子には、女の歓びが起こっていて、味を覚えるともう忘れられない秘め事です。

淳史が射精するとき、友子はオーガズムを迎えます。そのタイミングが、今回はうまく噛み合ったのです。一時的ではあっても、身と心に満足感を覚えた友子です。淳史とて、射精を済ませると、本来の男に戻ります。
「ううん、とっても、よかったよ、友子」
「そうよ、淳史、とっても、よかった・・・・」
終えた後、紅潮する頬をやわらげようと、タオルを頬に当てている友子は、淳史の顔を見るのが恥ずかしい。全裸のままの淳史の部屋で、落ちついてきて、ショーツを穿き、ブラを着け、そうしてワンピースを着た友子。男の淳史は恋人だから、だから、こうして交情しているんだと納得する友子。あやうい関係、淳史と友子、一緒になろう、結婚しよう、ぼくたち、と淳史はいうけれど、友子はまだ大学生です。いまだって一緒に住めば経費は安くなるとおもうけれど、そうなるともう際限なく深みにはまってしまう気がして、別々にお部屋をキープしているのです。友子が、田能村明人と関係したこと、大島由紀夫から迫られて関係したこと、それは淳史には内緒です。そういうことでいえば、淳史だって、友子には内緒にしていることがあるんです。お互いの秘密は秘密にしておいて、そうしたうえでお互いに支え合えばいいのでしょう。
「ううん、知らないよ、梶原真衣なんて、でもたぶん」
「たぶん、なんなのよ」
「たぶん、ほら、あの、田能村先生の愛人、とゆう噂だけど」
「そうなの、淳史とは、どうなの」
「どうなのって、多良書房でバイトしていて、面識あるよ、だけど」
友子がいうのは、その梶原真衣と淳史が、いい仲だという噂を聞いたということなのです。











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最新更新日 2014.12.13


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