耽美試行

はなこよみ(2)-1-

 10〜14 2014.8.17〜2014.8.21

    

-10-

向井友子の恋人は、大学院生の大村淳史、文学同好会の集まりで知り合って、そのうち特別な関係にまでなっているところです。大学三回生の友子、いまどきお堅い文学部、源氏物語研究をしたいと思っている友子。文学同好会なる集まりも、一世代も二世代も昔の会則にのっとって、時代遅れといえばそうかも知れない同好会です。
「そうなんだよ、友子、知ってるんだよ、多良書房の大原さん」
「そうなの、このまえ、お店へ行ったのよ」
「大学の先輩だし、実業家でもある大原さん、それに趣向もあう感じ」
「なんかしら、エッチ系でしょ、多良書房の蔵書って」
「シュールリアリズムとか、SMてゆうのもあるしねぇ」
淳史が友子の部屋へやってくる。週に一度の割で会い、そのうち三回に二回は友子の部屋を訪問してきます。友子が淳史の部屋を訪ねるというのが三回のうち一回、男の子の部屋掃除をかねて、友子が訪問してあげる。今日は、淳史が、友子の部屋へやってきているんです。光源氏だって、婦女子のところへ赴いていく、そうして物語をつくっていくじゃないですか。夕方からやってきた淳史と一緒に、友子は手作りの料理で、おもてなしをします。その食事のまえに、男と女、六畳の洋間にふたりだけ、だれが見ているわけでもなくて恋人同士だから、世間一般の通例によっても、ここでは男と女の営みが行なわれていくのです。

まだそれほど暑くはない季節だけれど、六畳の洋間、空調なしでは息がつまりそうです。実家から離れて一人住まいの友子、淳史を迎え入れるのを、最初はためらったけれど、会ってラブホテルにはいって時間を過ごすといっても料金がいるわけで、ありあまるお金があるわけではない友子と淳史、おたがいの部屋を訪問する関係になっている、というのが最近です。知りあって二年、友子が大学に入学した年の夏の前、文学同好会の例会に淳史が卒業した先輩として参加してきて、新人として友子が紹介され、男と女、気が合って、話をするようになり、二人で河原町あたりでお茶したり、よるのご飯をいっしょに食べたり。
「文学部なんて、卒業しても、就職は営業職か、それともブラック企業」
淳史が大学院生であることの裏側には、営業職で就職はしたくない、と思う気持ちが強くて、大学院の後期にまできているのです。
「友子は、大原さんの世話になる、それでいいんじゃない?」
「そうね、どこか紹介してもらえるかなぁ、社長秘書とか!」
小さな丸い卓袱台を介して座っている淳史と友子、向きあっているところから淳史が隣り合う位置へと移動してきます。移動するといっても、小さな赤い卓袱台をまわりこむだけだから、難なく隣り合ってしまいます。淳史と友子、卓袱台の向こうは友子が寝るシングルベッド、ピンク系にまとめられた部屋の、シーツや毛布も暖色系、勉強机と椅子が窓辺に置かれていて、まるで小学生が使うお勉強机、淳史には、それがまた友子の可愛さを構成する要素にになっているとも感じるのです。

「ううん、だいじょうぶな日だけど・・・・」
「ううん、だいじょうぶな日なんやね」
「そうよ、だいじょうぶ、ああっ」
いきなり淳史に引き寄せられて、抱かれてしまって、唇を重ねられてしまう友子。予期し、期待していたとはいっても、その瞬間というのは、なんとも恥ずかしい、面はゆい、不思議な感覚に見舞われてきます。
「ああん、ちょっと、待って、カーテン・・・・」
勉強机の後ろのカーテンが開いたままなので、友子、淳史から逃れるようにして立ち上がり、薄いピンクの遮光カーテンを引いてしまうと、六畳の洋間、薄暗くなってしまいます。入り口の錠は閉めてあり、インターホンのスイッチを切ってしまって、蛍光灯のサークルライトをつけて、部屋を明るくしたのです。
「でしょ、やっぱり、こうしておかないと・・・・」
セットがおわって、淳史があぐら座りの卓袱台の横に、女すわりする友子。白っぽい、ふわふわのワンピースを着ている友子です。脱がされて、見られても、恥ずかしくないインナーを、と思ってブルーの水玉模様のブラとショーツ、髪の毛はポニーテールです。
「はぁあ、ああん、ふうう、すうう・・・・」
抱かれて、唇を重ねられて、舌の先が淳史の舌の先と絡んできて、友子は、ため息のようなお声を洩らすのです。

-11-

ディープキッス、ふたりだけのお部屋、友子のお部屋、いつも一人でいる部屋に恋人の淳史が、来ているんです。午後六時、まだ外が明るいから、遮光カーテンを引いても、部屋の中、薄明るい夕方です。
「ううん、友子、すきだよ・・・・」
「ああん、うちかって、淳史ぃ、すき・・・・」
抱きあった淳史と友子、キッスをおえて、おたがいのからだを、お洋服のうえからまさぐりあいます。淳史がワンピースの背中のホックをはずし、ファスナーを降ろして、友子の胸を触れるようしてしまいます。友子は友子で、淳史の穿いてるズボンの前ファスナーを降ろして、その切れ込みをひらくようにして左手を入れてしまいます。淳史が穿いたブリーフの、それを除けてそのなかへ、左の手を入れこみ、大きくなり始めた淳史のモノを、握ってしまいます。そのときには、友子、淳史の手が、胸、ブラのなかへ手をいれられ、乳房をさわられ、軽く乳首をつままれているのです。
「はああっ、淳史ぃ、ああっ!」
乳首を指に挟まれてしまった友子が、その刺激に呼応して、やさしいお声を洩らしてしまいます。
「友子、おれ、おれのん・・・・」
友子だって、すでに淳史の股間の勃起ブツ、真ん中を握っているんです。握っている手を、ぐっと淳史の腰へ押し込むようにして、亀の頭から皮を剥いてしまって、真ん中をぎゅっと握って、上へ下へと動かして、淳史のモノを刺激していくのです。

愛の時、愛しあう時、もう一年もまえからその時の、定番メニューとなってしまった友子の行為。最初は淳史のモノを、布で覆い隠しまま見えないままで、そっと握って刺激いていきます。そのときには、友子、淳史からは乳房を触られ、乳首を揉まれてしまいます。ズボンとブリーフに隠されている淳史のモノを、友子は、目に見えるようにしてしまいます。露出させた淳史のモノ、見てしまったとたんに友子、その美しくもあり醜くってグロテスクとも思える淳史のモノを、握り直し、握った手をぎゅっと降ろして、先を完全に露出させてしまって、顔を近づけ、自分の口に、露出させた先を、咥えてしまって、舌先をうごめかすのです。
「ううっ、ああ、友子・・・・」
おもわず声を洩らしてしまう淳史。六畳の洋間、友子の部屋、シングルベッド、勉強机と椅子、それに整理たんすが置かれた部屋の谷間に、小さな卓袱台が置かれ、卓袱台のしたへ足をなげだした格好の淳史。卓袱台と淳史のからだの間に、女すわりを崩して半ばねそべった友子が、淳史のモノを咥えています。立てた上半身、頭部を自分の腰部にかぶせている友子の髪の毛を見ながら、その行為に、淳史は、言い知れぬ欲望の高まりを感じます。
「ふうう、すうう、ふうう、ふうう・・・・」
友子の息する音が、咥えた口と鼻から、かすかに流れでて、淳史の耳に聞こえてきて、顔は見えない友子の顔を、思い浮かべる淳史です。友子は友子で、淳史の男のモノを口にして、とっても愛おしく思う気持ちに満たされてくるんです。

行為にはいりだすと、友子と淳史の会話は、ほとんど行われません。息する音、ため息のような音のつらなり、むしろ淳史のほうが言葉になり、友子のほうは吐息、息するときに流れでる自然の音声、そのような呻きのこえが、遮光カーテンを閉めた夕方の部屋のなかに疼いてながれていくのです。
「ううっ、うううううっ」
淳史の穿いたブリーフとスボンを脱がせてしまって、淳史の腰からしたを晒させて、淳史のモノを握って口にほおばる友子。言葉はいりません、淳史のモノを口に咥えて、唇でぎゅっと絞めたり、舌先で先っちょ部位を舐めてあげたり、愛おしい淳史のモノを、なぶり愛しているんです。
「ううっ、友子、おおっ・・・・」
裸の足を投げ出して友子の愛行為に身をまかせながら、淳史は、乳房が垣間見えるワンピース姿の友子の、そのワンピースの裾をめくりあげてしまって、友子の太ももが露出して、ブルーの水玉模様のショーツが露出して、そのなかへ、友子の腹部、お臍の下部から左手を、挿し入れ、友子の陰毛をまさぐり、股間へ手を入れていくんです。
「うううっ、ふうううっ、ふうう・・・・」
顔をうつむかせ、からだを横にした友子、海老のようにからだをまげて、淳史の手を受け入れます。淳史の右手は、友子のポニーテールの髪の毛からうなじ、耳たぶ、首うしろあたりを、愛撫しながら、左手を股間へ入れ、まだ見えない友子の花壺を、手探りで、まさぐるのです。

-12-

友子には、先日、多良書房での体験が、まるで夢のように思えてきて、そのとき起こった出来事が、はっきりと想い起こせないくらいです。あれは、別の世界のこと、絵師の田能村と関係を結んでしまったこと、そのことを、いま目の前にいる淳史に言えるものではないのです。そんなこと、いえるわけがありません。友子の恋人は淳史、大学院生の大村淳史です。でも、友子には、そのこと、恋人であるということ、そのことと、からだを結ぶということ、その間になにかしっくりしない気持ちが、たぶんそれは結婚していないというためらいなのかも知れない、ためらう気持ちです。
「ううん、してあげる、してあげるけどぉ」
お口に咥えた淳史のモノを、咥えるのをやめ、手で握って、上下にこすってあげる。淳史のモノが、目の前に見える。自分にはないモノ、淳史という男がもっているモノ、でもそれは絵師の田能村明人も持っていたモノ。卓袱台とベッドのあいだの狭いところで、下半身を裸にした淳史が寝ころび、下半身裸になった友子があたいで、男のモノと女のモノを密着させる。淳史の好みで、淳史がうごくより、友子がうごいてあげることの方が多いんです。

友子のお部屋へ来ている淳史、いま、男と女の交わりの真っ最中です。
「ああん、淳史ぃ、入ってる、入ってるんよね」
「うううっ、そうだよ、友子、入ってる、入ってるよ」
「はぁああ、いい、とってもいいの、どうしてかしらぁ」
淳史の腰にまたがって、淳史のモノをぶっすりと埋め込んでいる友子が、うわごとのようにお声を洩らしてきます。お声を洩らしながら、またいだ腰からお尻を、ぐっと前へせりださせ、感じる深くに淳史のモノを擦りつけるんです。
「はぁあ、あああっ、ひぃいい、いいっ」
ぐいぐいと、お尻から股間を、淳史のモノを咥え入れたまま、前へこすり、後ろへ引きこすり、得体のしれない快感に満たされていきます。
「ひぃいい、ひぃいい、淳史ぃ、とっても、ひぃいい」
「ううん、友子、おれだって、とっても、気持ちいい」
「ああん、いい、いい、もっと、もっと」
お声を洩らしているなんて、友子にはわからない、意識のなかにはありません。ふかくものを考えるなんてことではなくて、感じる、からだが感じて、反応してしまいます。

友子の馬乗りスタイルから、バックスタイルに体位を変えます。ベッドの縁にお顔をつけて、友子、背中を水平にして太ももから膝が八のかたちです。大学院生の淳史がうしろから、友子のお尻を抱きかかえ、勃起させたモノを友子に挿しこむんです。友子は、このスタイル、あまり好きではありません。というのも、後ろから挿入されて突かれる、前にはつかまるもの、何もないから、まるで動物のようにおもえて、そもそも人間とて動物なのに、動物とは違うように思っていて、動物のようなことは、したくないと思いながら、動物とおなじことを、人間動物は行うのです。
「ああん、はぁああん、淳史ぃ」
「おお、おおっ、友子ぉ」
「うち、ああ、ああ、ああっ!」
「いいよぉ、おおおっ!」
うしろから、ぶすっ、ぶすっ、淳史のモノを挿しこまれてしまう友子、大学生なのに、こんなことしていていいのかしらとも思うけれど、男と女の関係を、もってしまったからには、そこからの逸脱することもできなくて、友子は動物そのものなのです。うしろからの挿しこみ、挿しこまれがおわると、友子は素っ裸になり、ベッドの上に仰向いて、淳史も素っ裸になって、裸の友子におおいかぶさります。抱きあって、抱きあったまま、友子は股間をひろげきり、淳史は腰を動かして、男のモノを女のモノに交合させ、そのまま、淳史の射精と友子の受容、オーガズムを迎え快楽をむさぼってしまって友子、シラフになってしまうと、後ろめたい気持ちにもなる大学三年生なのです。

-13-

生成りのふわふわワンピースだけを身につけた友子が、ほんとに小さいキッチンに立っています。うしろの卓袱台のまえには、淳史が柄ステテコにシャツすがたで、友子のうしろすがたを追っています。さきほど、交合を終えてしまって、友子がつくる夜の食事を、いっしょにする段取りなのです。
「チキンのから揚げ、それと刻みレタスよ、それとお惣菜はパックの」
「就職を、しようと、思って、出版社、やっぱ、東京だけど」
「いいのよ、淳史の好きにしたら、うちも、東京、かな?、ゴマドレにする?」
淳史が就職先のはなしをする受け答えと、夜の食事のはなしとを混在させながら、出来合いの材料を組み合わせるだけで食事を用意するのです。一緒に食事をするといっても、地元のスーパーでパックになったレトルト食品を買って卓袱台に並べる。並べるためだけに、小さなキッチンに立っている友子です。スキンの管理は、友子がしているから、残りが少なくなっているけど、今夜のぶんはいけるから、つぎには買っておかなくっちゃ、と思いながら、皿にもりつけたレタスの半分にかぶせて、チキンのから揚げを盛り付けるのです。ひと皿にふたり分、チキンが七個と奇数なので、淳史がひとつ沢山、四個たべればいいのよ、と盛りつけながら心の中でつぶやいています。

聖護院の近くの学生が多いマンション、もちろん女子専用のところに友子は借りているのですが、といって男子禁制ということでもないロフティ清和の三階B室。入り口ドアを入ると左にバス、トイレ、洗面場、右に収納庫があって、その奥が六畳の洋間、ベランダへ出られる透明ガラスがはまったステンレス枠の引き違い窓です。家賃は七万円、もちろん友子がまかなえる金額ではなくて、開業医をしている実家からの仕送り、アルバイトはしなくてもいいからと、母親がOL一ヶ月の給与にあたる金額を、預金通帳に振り込んでくれるのです。だから、友子、お母さまには、淳史とのこと、付きあっていることを知られているけれど、細かなことは知られていないと思うけど、からだを求めあう関係を、申し訳ないとも思ったりします。
「ああん、だめよ、えっちぃ」
皿に刻みレタスとから揚げを並べて、ゴマドレッシングをかけようとしているうしろから、ワンピースの裾をめくってきちゃう淳史に、おもわず声を洩らしてしまう友子。ふわふわ生成りワンピのスカート部分をめくりあげ、覗きこんでくるんです、淳史。
「ええやろ、ふたりだけなんやからぁ」
悪びれたようすもなく、たわむれのようにながしてしまう淳史のおこないに、友子としても別にそれでいいとは思っているけど、とっさにはとっさの反応が出てしまうのです。

ロフトで買った黄色い丸い卓袱台、恋人用サイズ、直径60cm、皿とコップとごはん茶碗を並べると、もう手狭になってしまう食卓。週に一度、淳史の部屋へ行ったときには、淳史の部屋で食事をつくるから、友子が淳史といっしょに食事をするのは、だいたい週に一回ということになります。待ち焦がれる、会いたくて、たまらなくなって待ち焦がれる、友子の気持ちとしては、歌の歌詞にあるような情熱に胸が燃えるというほどではないけれど、待ちに待った受入ではあるのです。食事が終わるまえから、淳史がそわそわ、そんな感じがみてとれる友子、もういつものながれで、卓袱台のうえを片付けるまえから、からだを求められてしまうのです。
「ああん、まだぁ、片づけてないやろ、ちょっと待って」
いつものように淳史の求めを中断し、卓袱台にならんだ食べた後の食器を、小さなシンクに移して、それから、コップに入れたお茶、こぼれないように、勉強机の上に移して、友子は、立ったままです。
「友子、もうええんやろ、ええんやろ」
立ったままの友子に呼応するように、淳史が立ち上がり、うしろから、友子は抱かれてきて、姿見鏡のまえ、友子、全身が映って、うしろに淳史の顔が見え、目線を合わせるのが、恥ずかしくって、ああ、お顔を伏せてしまうのです。
「ああん、淳史ぃ、だめよ、だめやってばぁ」
ワンピースのスカート部分を、うしろからまわしてきた手で、たくし上げてきて、友子の膝から太ももが、姿見鏡に映しだされて、そのうえまで引き上げられてきて、短くてちじれた黒い毛が鏡に映ってしまって、友子、その光景を見てしまって、うずうず、拒否のことばだけれど、拒否なんかしていなくて、うろたえているだけなんです。

-14-

生成りのワンピースだけを身につけた友子ですから、スカート部をたくしあげられてしまうと、肌がそのまま露出してしまいます。うしろから抱いてくる淳史が、ワンピースの背中のファスナーを降ろしてしまい、スカート部をめいっぱいめくりあげてしまって、首うしろでワンピースをまとめてしまうと、友子はもう全裸にちかい格好になってしまって、目の前の姿見鏡にからだの前面を映しだされしまったのです。
「ああん、いやぁああん、淳史ぃ、こんなかっこう、ああん」
「ううん、友子、ええやん、美しいんやから、さぁあ」
「そやかって、あかん、ってばぁ」
「ええやろ、おれしか、いやへんのやからぁ」
鏡に映った自分の姿、裸体、蛍光灯がついた明るい部屋で、鏡に映ったすがたを、淳史に見られているということが、羞恥の気持ちが起こってくる源泉。一人だけの時には、なにも思わないのに、淳史といえども他人、シラフでいるときは羞恥心がうずまいて、どこへいけばよいのか、行き場にこまってしまう。本能的に、胸へ腕をまわし、腹部のした、ちじれ毛が生えてるうえに手をおいて、隠してしまおうとしてしまいます。

友子は観念して、ふたつの腕をうしろへまわし、淳史の股間を、ステテコのうえからまさぐり、切れ目から手をいれ、腰のモノを触って、握って、切れ目から露出させてしまって、からだをずらし、淳史の姿が鏡に映るようにしてしまいます。
「ううん、おれのん、見てもええよ、見てもええんやぜ」
なんと、柄ステテコの切れ目から、淳史の勃起しているモノだけがにょきりと晒され、鏡に映っているから、おもわず友子、滑稽に思ってしまうのです。
「ああん、淳史ぃ、見てあげるけどぉ、そやけどぉ」
鏡に映った淳史のモノを、前を向いたまま手で握り、鏡の中で確認しながら、握って、しごいて、ゆっくり、深く、握った手を動かします。淳史が、よろこび、友子もよろこぶ、こんなことをしていると満ち足りた気持ちになってきて、満ち足りていることも意識しないで、不思議な時間です。
「してくれよ、おれのん」
淳史は立ったまま、友子は片膝を床について、向きあう格好になると、友子のお顔は淳史の腰の前です。柄ステテコを脱がしてあげて、まだワンピースは束ねられた格好で肩から首の後ろにまとまったまま、友子、淳史の腰に抱きつく格好で、勃起ブツをお口の中へ咥えてしまうのです。

だれに教えてもらったわけでもなく、最初のころはぎこちなかったと思うけれど、経験を重ねるごとに淳史がよろこぶコツがわかるようになって、いまでは唇と口の中、吸ってあげ、唇で絞ってあげ、まるで本物のなかのようにしてあげるのが、いいみたい。お口にくわえるのは、先っちょの頭のところから、淳史の腰を抱いてあげ、唇に挟んで、お顔をそのまま前へ、淳史の腰の方へもっていき、お口の中には淳史のモノが、半分以上入ったようにして、右の手を淳史の腰からはずし、腰の前の毛むくじゃらのところの肉棒根っこから握ってあげるのです。
「うううっ、ああっ、ともこ、いい、いい、いい気持ぃ」
「ふうふう、すうすう」
友子、無言で淳史のモノをお口に挿しこみ、お口から抜いてきて、先っちょだけは抜かないで、そのままお口の中へ入れ込んで、握った手はぎゅっと毛の生え際へ押し込んで、先っちょを剥きだしにしてあげて、下の唇の柔らかい内側なんかで、頭と茎とのあいだのくびれを、こすりあげると、淳史って、これがけっこう感じるみたいなのです。鏡には、立った淳史とひざまずく友子の側面が映っていて、友子には、そんな鏡の中なんて、見る余裕ないのに、淳史は、けっこう見る余裕があるみたいなんです。













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最新更新日 2014.12.13


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