耽美試行

さくら協奏曲(7)

 31〜35 2014.4.2〜2014.4.14

    

(7)

-31-

松倉織物で事務員をしている鈴子が、高校生の征二と知りあって行った先がラブホテル「ナポリ」でした。高校を出て、就職した先が西陣織の織工場を経営し、織った反物を室町の織物問屋へ納める松倉織物。若い鈴子には伝統ある織物問屋の空気が、なんとも古臭いように思われていたところ、寿司屋のアルバイトで出前にきた征二の若さに新鮮味を覚え、どちらが誘ったのかわからないまま、会って甘党喫茶で若い話を交わして、いつの間にかラブホテル「ナポリ」で、交渉をもったのです。征二はレコード店の店員春子と経験を結んでいたけれど、鈴子は処女、男と交わるのは征二とが初めてでした。
「ううんん、鈴って呼ばれてるんや、会社で」
「そうなんよ、専務さんが、うちのこと、すず、って呼びだしたのよ」
「ほんなら、おれも、すず、って呼んだらええのかな」
「ええよ、鈴って、チャリンチャリンって鳴る、鈴よ」
事務服でない鈴子は、流行りのフレアースカートに大人っぽいカーデガンを羽織っていて、まるで清楚で純情な映画女優を思わせるのです。征二は、テーブルを介して座っている鈴子の姿を、まばゆく感じながら眺めているのです。利子の野暮ったさではない、春子の熟れた大人ではない、清楚な映画のヒロイン、鈴子。

ラブホテルナポリの部屋は洋間、ダブルベッドが部屋の三分の二を占め、ベッドの片方はカーテンであけると鏡になった壁、片方にテーブルと肘掛椅子が置かれてあります。鈴子がここへ来るのは二回目、征二と交わるのが二回目、松倉の絵の裸婦モデルになったけれど、裸の自分を見られただけで、交渉はありませんでした。鈴子にとってショッキングなことは、目の前で、松倉専務と千代子主任が、セックスしてる場を、見せられたことでした。椅子に座った松倉専務の腰にまたがって、向きあって、結合していた光景が、鈴子には強烈な残像となっているのです。
「ううん、いいのよ、征二ぃ、椅子に座っていいのよ」
「鈴はどうするん、どうするんよ」
「うちは、征二に、してあげたいこと、あるのよ」
肘掛椅子に座らせた征二に、お姉さんぶる鈴子が、ズボンを脱がせ、白いパンツを膝まで降ろさせ、腰から尻まわりを裸にしてしまって、足をひろげさせるのです。征二はなされるがまま、年上の鈴子、色白でぽっちゃり、とっても可愛い鈴子に、胸がじんじんふるえてきます。

鈴子が椅子に座った征二の前に立っています。カーデガンを脱ぎ、セーターを脱ぎ、フレアスカートを降ろしてしまうと、鈴子は、下着のズロースとブラ、そのうえは腰までの白いシュミーズをつけた格好。征二に見て欲しいとでもいうように、恥じらう仕草、顔を赤らめる、征二の裸の腰へ目線を当てる、鈴子、征二を目の前にして、ドキドキ。
「征二ぃ、ぬがせて、脱がせてぇ」
鈴子は、肘掛椅子に座った征二の横に立ち、ズロースの腰へ征二の手を導き、脱がせてほしいとの気持ちを伝えるのです。征二は、無言、なにもいわなくて、鈴子のズロースの腰から手をいれ、お尻を抜き、太もものつけ根まで降ろしてしまいます。腰までのシュミーズ、鈴子の黒い毛が露出して、征二に胸が高鳴ります。鈴子は自分でズロースを脱いでしまって、椅子に座った征二の太ももを、跨いでしまうのです。
「はぁああ、征二ぃ、してもいいでしょ、いれてもいいんでしょ」
「ううん、いい、おれ、いれる、鈴にいれるよ」
征二が尻をまえへずらせ、勃起ブツがまたがってくる鈴子の股間に当たるよう、腰を水平にしていくのです。征二のブツは勃起状態、握ってまっすぐに立て、鈴子の股間を割ってやり、挿しこむ口を征二の先で探しあて、そのまま、まだ十分に濡れてもいない鈴子へ、軋む感じで挿しこまれていきます。鈴子の顔が歪みます。まだ生まれてこのかた、男子のブツを入れ込むのは二度目ですから、苦痛もともなう快感です。若い二人、征二と鈴子、まえぶれなにもなく、いきなり性器結合へと入っていったのです。

-32-

十九歳になった鈴子が、征二の腰にまたがって、征二のブツを埋め込んで、いきなり悶えの声をあげてきます。
「ああっ、征二ぃ、あああっ」
肘掛椅子に座って足を投げ出している征二に、倒れるように抱きつき、唇を求めていく鈴子。
「征二ぃ、いいから、いいのよ、ああっ、キッスよ」
ぷちゅぷちゅ、鈴子の唇が、征二の唇に触れあって、吸いついていく音が、静寂を破ってきます。征二は、なされるがまま、鈴子の大胆さに身を任せてます。勃起ブツを鈴子に挿しこんだまま、キッスを求めてくる鈴子を抱きしめます。
「はぁああっ、いたっ、いたいけど、ああっ、いいの、いいのよ」
唇を離してキッスをといた鈴子が、呻くように絞り出し、征二の腰にまたがったお尻から腰を捻るようにして、前後左右にゆするんです。微妙にゆすっては呻き、お尻をゆすっては喘ぎ、そうしてゆすりをとめてふたたび、征二に抱きつきキッスを求めていきます。

「征二ぃ、だからぁ、うち、ああっ、ああっ」
松倉専務と千代子がしているのを見たスタイルで、鈴子は征二に施しているんです。未熟な鈴子、雑誌で読んだセックスの体験談を思い出しながら、征二と交わっているのです。
「ここ、ここ、ここもだよ」
白いシュミーズをたくしあげ、ブラのホックをはずしてしまった鈴子が、征二の顔をみながら、征二の右手を乳房へと導きます。
「おっぱいよ、ああ、征二、吸っていいよ、うちのおっぱい」
うわずった鈴子の声に、征二は猫背になって鈴子の左乳首を唇にはさみ、赤子が母親の乳を吸うように、吸っ
ていく征二です。
「はぁああ、ああっ、はぁああん」
征二の腰をまたいで、征二の勃起ブツを股間に挿しこんだまま、乳首を吸われていく鈴子が、喘ぎだします。
じんじんと感じだす鈴子、子宮口からの刺激と乳首からの刺激の交点が、疼きだし、青っぽい酸味を帯びた快感が鈴子を悶えさせるのです。

征二の腰をまたいだ鈴子が、お尻を征二のお腹へと引きあげ、挿しこんでいる勃起ブツを抜く格好になります。たしかに、千代子の背中からお尻を見ていた鈴子には、抜けていく松倉専務の勃起ブツのうらがわが見えていた。勃起ブツの先っちょが千代子のなかに埋まったまま、抜かれた勃起ブツに、鈴子は異様な興奮を覚えていた。その光景をいくども夢に見た鈴子には、いま、征二とまさにそのことをおこなっているという意識が、ふつふつと起こってきているのです。
「はぁああ、征二ぃ、はぁあああっ」
最初の痛みが次第に消えてきたのは、鈴子が分泌する蜜の為せるところで、滑ってスムーズになったぶん、痛みがなくなったのです。鈴子が、あげたお尻を、ふたたび征二の腰に密着させていきます。征二の勃起ブツが鈴子の秘所に挿しこまれてきます。鈴子は、あああっ、と溜息のようなむせぶ声を洩らし、肉体のこすれる満足を得ようとしているんです。
「いい、いい、うち、ああ、いい、いい、いいのよぉ」
十九歳の鈴子はもうすっかり大人になったからだ、征二をむさぼる兆しがおこってきています。それはまた、松倉正敏に言い含められての行為にもつながっていくのです。

-33-

征二は、鈴子のことを、好きになってきます。こうしてラブホテルで鈴子を抱くと、それだけで愛着というか愛情というか親密感を覚えて、鈴子のことを奥の奥まで知ったような気持ちになってくるのでした。年上とはいっても三歳上、征二が16才で鈴子が19才です。まだ大人ではないとしても、からだの熟しかたは、それなりに成長してきたところです。
「ううん、征二のこと、好きかも知れないのよ」
射精をおえた征二と、からだが離れたあと、白いズロースを穿きながら、鈴子がいうのです。
「おれだって、鈴ちゃんのこと、好きかも知れんよ」
「でも、征二には好きなひと、いるんでしょ」
「まえは、いたけど、いまは、鈴ちゃんかなぁ」
学校で同じクラスの女の子、中野利子のこと、いまでも好きな気持ちはかわらない征二ですが、抱きあったこともない利子は、遠いところにいる聖母のイメージです。鈴子とからだの関係をもったことで湧く親密感とは違うありかたで、プラトニックラブの相手、利子の存在です。

ラブホテルナポリは、洋風の部屋、ダブルベッドがあり、肘掛椅子とテーブルがある部屋、征二と鈴子の蜜月のお部屋です。
「いいのよ、うち、征二のこと、好きなんよ、だからぁ」
ズロースを穿きおえ、ブラのホックを留め、白いシュミーズを身につけた鈴子が、パンツを穿きおえた征二にいいます。征二はダブルベッドの縁に座り、鈴子は立ったままです。
「ううん、いいのよ、なんかいでも、したいの、うち・・・・」
下着をつけおわったばかりだというのに、鈴子は、ベッドの縁に座った征二の前に立ちます。お姉さんぶる感じで、征二の前に立ち、頭を撫ぜ、頭を抱いてしまうと、征二の顔が、鈴子のお腹にあたります。まるで母にだかれるように感じる征二、母親ではない母のイメージ、清田春子の熟した女より、まだ清純な感じの鈴子に、征二のきもちが傾いていきます。
「だからぁ、征二ぃ、うちを、だいて・・・・」
ベッドの縁に座った征二に、立ったまま、身を寄せる鈴子を、若い男子は、そのお尻を、抱いてしまいます。色白な肌、ぽっちゃり肌の鈴子、やわらかい皮膚の感触に、征二は若い情欲を覚えるのです。

抱いた鈴子の尻から、白いズロースを脱がしてしまう征二。鈴子は、なされるがまま、ズロースがおろされて太ももで留められ、そのまま、征二にお尻を抱かれ、ちぢれ毛の茂みに顔をすり寄せられてしまう鈴子。はぁああ、鈴子のくちから淡い溜息のような声が洩れでてきて、征二には、こころむしられる声に聞こえて、情欲がかきたてられます。
「ああん、いいのよ、征二ぃ、いいのよぉ」
ちぢれ毛の茂みのした、鈴子は足をひろげ、征二が手を入れてくるのをたすけます。征二の右手が股間に入れられると鈴子が、太ももを締めてしまいます。征二の上向いた手の平が、鈴子の股間に挟まれたまま、足が閉じられてしまったのです。征二は、左腕を鈴子のお尻にまわしていて、右手の平を上向かせ、鈴子の股間を包んでいるのです。ぬめった、やわらかい感触の鈴子の股間、さきに終えた鈴子の股間は、ぬれそぼっているから、征二の手に鈴子の愛の証がべったりと、ぬめりとともについてしまいます。征二の指が、鈴子の股間の唇のなかへと割って入ります。
「ああっ、はぁああっ・・・・」
鈴子が、息する呼吸に交えて、淡いお声を洩らしているのを、征二も感じて、むずこがむずむずしてくるんです。

-34-

指を入れられた鈴子は、立ったまま、膝を合わせ締めて、征二の頭を抱いてしまいます。左腕が鈴子のお尻を抱いた征二の頬が、黒いちぢれ毛のうえにすりよせられ、征二の右の手、中指が、鈴子の股間の唇に、挿入されているのです。
「ああん、征二ぃ、うち、ああん、うち・・・・」
むずむず、膣のなかに指をいれられ、うごめかされる鈴子が、鼻にぬけるくぐもったお声を洩らしてきます。指にまつわるヌルヌル感を、征二は壺の蜜をかき混ぜて、いっそうぬめりを汲みだしていきます。征二は荒い息を吐いて吸って、でも無言、鈴子の呻く声だけが、ナポリの部屋にひろがります。鈴子が、座り込みます。
「はぁああん、征二ぃ、うち、征二のん、咥えてあげるぅ」
喘ぐ鈴子、ベッドの縁に座った征二の腰から突き出るペニスを握ってしまいます。征二の膝をひろげさせ、その間に入りこみ、鈴子は征二の腰を抱く格好でペニスを口の中に咥えてしまうのです。鈴子の行為は、女性週刊誌に載った記事をそのまま実行しているんです。

征二のペニスは、ギンギンに硬くなっていて、鈴子が口の中へ咥えると、0喉に詰まりそうになって、お顔を横にすると、ペニスの先が頬が当たって、それでも鈴子は、初めて咥えた男のモノを、むさぼりだします。
「ああっ、鈴ちゃん、もっと、舌でぺろぺろ、ううっ」
征二は、自分ではない好きになりかけた女子から、ペニスを口に咥えられて、むずむず感が払拭される感じで、鈴子の頭をかかえて、顔を前へ後ろへ、ペニスを口のなかへ、口からぬいて、亀頭を唇に挟ませて、咥えさせるのです。
「ふううっ、ふううううっ、うううううっ」
十九歳の鈴子が、快楽をむさぼるくぐもった、お声を洩らしだします。征二が、鈴子の乳房をまさぐってやります。鈴子にはペニスを咥えさせたまま、征二は鈴子の乳首をつまんで揉みだします。
「ううううっ、ふううううっ、ううううっ」
鈴子の口からペニスが抜けないように、頭の後に左手を置いて押さえつけ、右手をおろして乳首をつまんでいるんです。

からだにずんぐりの刺激が走り、膣の奥が無性に疼いてくるのを覚える鈴子。征二のペニスを口に咥えたまま、息がしにくくなってきて、くぐもったお声を洩らしだします。ラブホテルナポリのお部屋で、鈴子は年下の征二と交わっていくんです。
「ああっ、征二ぃ、うちにも、くちを、つけて、ほしい・・・・」
征二のモノを咥えた顔をもちあげ、鈴子は征二の口で、陰部をなめて欲しいというのです。征二と鈴子が入れ替わります。鈴子がベッドの縁にお尻をおいて、征二が鈴子の膝のあいだに入りこみ、鈴子の股間へ、顔をつけていきます。鈴子の膝裏を肩に担いだ征二、ベッドに仰向いて倒れてしまう鈴子。征二は、鈴子の股間に顔をつけ、唇を鈴子の陰唇につけてぐちゅぐちゅ、舌で唇を割ってはいり、そのまま吸って、ぶるぶるお顔を振りはじめ、鈴子の性器をなぶりだすんです。
「あああん、征二ぃ、あああん、うち、あああん、いいのよ、征二ぃ」
仰向いて寝そべった鈴子、お尻がベッドからはみ出し、征二の腕に膝裏をのせられ、持ち上げられてしまって、唇で性器を愛撫される鈴子です。

-35-

征二が鈴子と知りあって、二人だけになりたくって、ラブホテルナポリの部屋で交わるようになって、とっても親密感を抱くようになった二人、ラブラブ関係といってもいいかと思われます。とはいっても征二は十六歳の高校生、鈴子が年上とはいっても高校を卒業したばかりの十九歳です。青い春と書いて青春と読むんですけど、青い、まだ未熟、柿の果実が青というより緑から、赤く熟していくさまの、その最初のころと言ってもいいかと。征二は、思春期を迎えたころから、異性、つまり女子を好きになります。これは鈴子にもいえることで、男子を好きになります。
「ああん、征二ぃ、もっと、もっとよぉ」
ベッドに仰向いた鈴子、股間に征二のお顔がはまって、そこを舐められて吸われ、舌を入れられながら、呻くようにお声をあげていきます。その声に、征二が敏感に反応して、ビンビン、ますます鈴子が好きになってしまう。女の性器、男子の征二にとっては秘密のベールに包まれた部位、男の性器、女子の鈴子にとっても秘密のベールに包まれた部位です。

征二が、透けるような白い肌をもった鈴子を、ベッドのうえで抱いてやり、鈴子がすがりついてくる感じ。唇を重ね、唇で鈴子の乳房を愛撫し、手で揉んでやり、白い肌の太ももやお尻なんかは、ぽちゃぽちゃ、たぷたぷ、触って撫ぜると、鈴子はハァア、ハァア、鼻に抜けるような、吐く息に交じってお声が立ち昇ってくるんです。
「はぁああん、征二ぃ、はぁああっ、もっと、もっと」
「わかったよ、鈴ちゃん、もっと、もっと、してやるよ」
征二は、鈴子がいうままに、手と口と、唇と舌を使って、鈴子の白いぽっちゃりからだを、足の指さきまでも舐めていくのです。ヴァギナをなめる、ペニスをなめてもらう、ペニスをなめる、ヴァギナをなめてもらう。鈴子は、征二に征服されることを思いながら、征二を征服いていきます。
「征二ぃ、ここ、ここ、ここを、ぎゅっと、つねってみてよぉ」
征二はいわれるままに、乳首を指に挟んでつねっていきます。力を込めると痛がるだろうと躊躇していると、鈴子の口からは、もっと、きつく、つねって、とのうわごとがかえされてくるんです。

鈴子との交情が、春子との交情よりも親密になってくる征二です。春子の閉ざされたなかでの開放、鈴子の開いて開く開放、征二には、欲求のままに許してくる鈴子に傾斜していく快感が、満足を得させるのかも知れない。ベッドに仰向いている鈴子におおいかぶさり、ペニスを鈴子のヴァギナに挿入したまま、抱きあい、唇を重ね、舌を絡ませ、本能を本能のまま、からだとこころを、揺するのです。
「はぁああ、征二ぃ、もっと、もっとよぉ」
「うううん、鈴ちゃん、もっと、もっと、してやるよ」
「はぁああ、いい、いい、とっても、いいっ」
「おれだって、いいよ、鈴ちゃん、とっても、いいよぉ」
ぶすぶす、ぬるぬる、ぐちゅぐちゅ、征二のペニスが、鈴子のヴァギナと密着し、男と女がずんずんと気持ちいい世界に入っていくのです。














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最新更新日 2014.4.20


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