物語と日記のブログから


愛の音色-3-

 17〜24 2018.11.2〜2018.11.21

-17-
 このまえ京都のラブホテルで奈美は処女を失った。25歳にしての初体験だった。それから鬱と診断されて会社に病休届をだし、休養にはいった奈美だった。髪をショートカットにし、洋服も靴もアドバイスを受けながら、流行りのモノにした。コスメも、マニキュアも、エレガンスで潤いがある風に仕立ててもらった。小杉が目を見張ったのは、美奈の変身ぶりだった。可愛いと思った。美しいとも思った。可憐だとも思った。営業のセールスで疲れ切っていた25歳の女子が、いきいきと生まれ変わってきたように、32歳の小杉は感じた。
「はい、裕二さま、わたし、ああっ、ああっ」
小杉のマンションルームへやってきて、二人だけのセレモニー。この前にはラブホテルで、奈美には記憶も定かではなくて、無我夢中だった。今日は、少しは心に余裕があると思う奈美だ。ソファーに座ったまま、少し抱かれたあと、ソファーの前に立たされている奈美だ。乱れた上半身の着衣が、裕二の心を淫らにする。前に立たせたまま、スカートを足元に落とさせてしまう裕二だ。
「ああっ、恥ずかしい、わたし、恥ずかしいです」
「可愛いな、奈美ちゃん、ほうら、もっと、近寄ってよ」
裕二は奈美のお尻へ腕をまわし、立ったままの奈美を近寄せる。奈美は、男と女がすることの、手順だと思っていて、なされるがままに従う。お尻をだかれて、ショーツのうえから、顔を当てられると、ムズ痒い気持ちだ。ブラウスのボタンは外れている。胸がひらいて、キャミソールとブラジャーが露出だ。スカートが脱がされ、ショーツだけの腰まわりになって、奈美は羞恥心に見舞われる。顔を股のところに当てられて、匂いを嗅ぐように思われる裕二の行為に、奈美は羞恥と興奮を覚える。奈美は誘導されるがままに、裕二の肩に手を置く。前のめりになった奈美の腰に手を当てた裕二が、ショーツを脱がしにかかる。お尻から降ろして、太腿の根元で止め、そこから少し降ろして、太腿の中ほどで止め置く。裕二は、まだシャツを着たまま、ズボンを穿いたままだ。半?きにされた奈美を立たせておいて、シャツを脱ぎ、ズボンを降ろす裕二。ブリーフだけになってしまった裕二。奈美に、キャミとブラを取らせてしまって、脱ぎかけたショーツだけの格好にする。二人だけの温かいリビングルームだ。
「奈美ちゃん、きれいな肌だね、スベスベ、温かいんだね」
立ったままの奈美を、立ったままの裕二が抱きしめる。
「ああん、裕二さま、わたし、どないしょ、こんなこと、恥ずかしい」
「恥ずかしいことなんてないよ、男と女だもの、いいんだよ」
奈美は、まだショーツを太腿に留めたまま、裕二と抱きあう。裕二が奈美の右手をブリーフの中へ入れさせ、自分のモノを握らせる。大きくなった裕二のモノに、奈美が握る。初めて握る男の性器だ。

-18-
 小杉裕二のマンションルームへ来たことは、奈美にはいささかの計算もはたらいていた。相手としては、不足なし。32歳だというし、吟恋に勤めていいるというし、学歴だって大学を卒業しているし、イケメンだし、25歳の奈美には、うまくいけば結婚していけるかも知れない男性だ。初めてのデートで京都へ行って、小杉の求めに応じて、奈美が開いてしまったのも、どこかで処女を捨てる機会を待っていた、ともいえた。マンションルームは妻帯者用の部屋だけど、男一人の空間だ。奈美は、小杉のリードで、ほぼ全裸になってしまった。立ったままだ。小杉裕二と抱きあっている。男の肌に自分の肌をくっつけて、柔らかい気持ちを抱く奈美。手に握らされた男のモノ。温かい。柔らかいかと思うが硬い。裕二が乳房を弄ってくる。奈美は、頭のなか真っ白とは、このことだ。
「はぁあ、はぁああ、はぁあああ」
息するのに詰まってしまう。気持ちがうわうわしていて、喉が渇く感じなのに、唾がでる。裕二が、股の間に手を入れてきて、弄りだす。
「ああっ、だめ、だめ、ああっ」
声にならないが、心のなかで叫ぶというより呟く。抱かれたまま、二人掛けのソファーに座り直しだ。裕二が全裸になり、奈美が全裸にされた。
「奈美ちゃん、ううん、奈美ちゃんのこと、好きになりそう」
「ああ、裕二さま、わたしだって、好きになりそう、ああっ」
「いいんだよな、こんなこと、いいんだよな」
「いいんです、わたし、いいんです、いいんです」
洋服を着て座っていた格好そのもので、いま、奈美と裕二は全裸だ。お互いに肌を確かめあう。左腕を奈美の背中にまわし、奈美の左腋の下に手首をいれ、左手を奈美の左乳房にかぶせる裕二。右手は奈美の顎にあて、顔を持ち上げさせ、唇をかさねる。奈美は、右腕を裕二の背中にまわし、左手を腰から突きあがったモノを握らされる。キッスして、キッスをといて、囁くように言葉を紡ぎ出す裕二。
「ううん、ああ、いい、奈美ちゃん、ぎゅっと、にぎって、ぎゅっと、むいて」
「はぁあ、ああん、裕二さま、にぎって、むくの、はぁああ」
「裕二の勃起したモノの真ん中を握って、その手を腰へと下ろす奈美。そのときには、裕二が右手の指で、奈美の左乳首を揉み揉みして、下腹部へと右手を降ろす。奈美の左膝をひろげ、太腿をひろげさせる。奈美の股に裕二の右手指が置かれるのだ。
「うっ、ううっ、あっ、ああっ」
奈美が男の指で股の縦唇を触られ、呻きの声を洩らしてしまう。京都で為されたことのなかには、こんなことはなかった。奈美、驚いているわけではないが、心のなかは戸惑いだ。握った男のモノ。初めて、目を開けて、間近に見る。わけのわからない気持ちが込みあがってくる。男のモノ。ヌルヌルになっている。奈美には、それをどうしたらいいのか、わからない。

-19-
 小杉裕二のリビングルーム、ラブラブ二人掛けソファーに仰向いて寝かされる奈美。寝かされた全裸の奈美を、一歩離れたところから見る裕二だ。西洋絵画にソファーに寝そべる裸婦の絵があった図が裕二には思い起こされる。奈美の裸体を鑑賞する。いまからセックスする相手としての奈美だ。小柄だがふっくら、手はだらりと腰に下ろしているが乳房も恥骨も露出させたままだ。盛りあがる乳房に乳首がツンと起ち、恥骨のふくらみには黒い毛が茂る。
「ああっ、裕二さま、ああっ」
見つめている裕二を見る奈美が、うっすらと声を洩らす。奈美は裕二を待っている。
「ううん、奈美ちゃん、素敵だね、可愛いよ、とってもだよ」
思ったままのことを、お世辞ではなく、奈美につぶやいてやる裕二だ。ムズムズする。裕二は仰向いている奈美の上にかぶさっていく。ソファーの座部は、幅が狭いから、奈美の右足を背凭れにもちあげさせる。左足はソファーから降ろさせる。奈美の股間がひろがりきらせる。裕二は、かぶさった上半身を起こし、奈美がひろげる太腿の間にはいる。右足をカーペットに着き、左足はソファーの上だ。奈美の股間を眺める。明るい部屋だ。はっきりと奈美の性器の外構造が見える。裕二は、腰からのモノの根元を握り、奈美の股の縦唇を開いて、握ったモノの頭を挿し込む。
「ううっ、ああっ、奈美ちゃん、奈美、ナミ、ううっ」
男のモノを半分まで挿し込んた裕二が、上半身を奈美の上半身にかぶせていく。奈美は仰向き、太腿をひろげ、右膝を背凭れに、左膝をソファーの縁に、こうして裕二を受け入れるのだ。
「はぁああ、すぅうう、はぁああ、すぅうう」
深い息使いになる奈美。裕二は、奈美の仰向く裸体の、脇の下に左手を置き。右腕を奈美の首のうしろにまわして奈美を抱く。抱かれる奈美。手を裕二の背中において、抱く格好だ。裕二のモノが挿入されてくる。からだの奥が鈍く擦られる感じに、萌え萌えの気持ちになる。
「ううっ、ああっ、ふぅうううっ、ああっ」
奈美が柔らかい猫のような声を洩らす。裕二は、自分のモノを奈美に挿入したまま、ゆっくり挿し込み、ゆっくり抜いてやる。まだ慣れない行為だ。奈美の反応を感じながら、自分のからだの興奮をコントロールしていく裕二だ。
「うっ、うっ、ううっ、ああん、あっ、ああっ」
奈美が、裕二の背中に腕をまわして、股間から挿入されている男のモノをからだ深くに感じる。意識して感じるのは初めて。初めての時には感じなかった快感だ。
「ううっ、ああっ、裕二さまぁ、ああああああっ」
裕二のうごめきが、受け身の奈美を翻弄していく。用意していたスキンを取り出し、いったん抜いて、奈美から離れ、奈美の裸体を見ながら、装着し、そうして行為に戻っていく裕二だ。

-20-
 小杉裕二のマンションルームへ初めて連れられて行ったとき、奈美にはある期待感があった。パートナーになるかも知れないという期待感だ。25歳になるまで、男との交渉がなかった奈美だったが、恋愛対象は異性だったし、深くつきあう彼氏がいなかった。会社訪問で事務機のセールスを担当していたここ数年、営業成績を気にする毎日で、体調も思わしくなく、気持ちもすさんでいたので、医師に診断書を書いてもらって病気休暇中だ。そんな折り、小杉裕二と知り合った。短い間に関係してしまったことを後悔はしていない。こういう関係をもつことで、親密になれる、と奈美は思うのだった。
「はぁああ、裕二さま、あっ、あっ、はぁああっ」
「ほぉおおっ、ううっ、ほぉおお、おおっ」
スキンをつけた裕二が果てていくとき、奈美はこころもちの快感を覚えた。パートナーと一緒にいるということは、こういうことを日常することなんだ、と奈美は思う。
「奈美ちゃん、よかった?」
終えて、男がいる処で全裸になっている自分が、すこし恥ずかしさがあるけれど、裕二がつけたものを処理しながら、声をかけてきて、奈美は、うん、と頷いた。声にはならなかった。裕二は処理したものをティシュに包んでゴミボックスに捨てる。奈美は、ショーツを穿き、ブラジャーをつけ、キャミソールをつけ、ブラウスを着て、スカートを穿いた。パンストは穿かなかった。裕二はデニムにシャツ姿だ。靴下は穿かない、素足のままだ。しばらく沈黙していた奈美は、ポツリと声を洩らすように、うつむいたままで言う。
「よかったです、わたし、変な声、だしてました?」
「変な声じゃなかったよ、可愛い声だった」
奈美は、少し乱れたショートカットの髪の毛はそのまま、ルージュの口元が乱れている。
「コーヒー、飲もうか、夜になったら、ご飯、食べにいこうか」
裕二は自分の住まいだから勝手がわかる。奈美が手伝う格好で、電気ポットで湯を沸かし、スティックのインスタントコーヒーをカップにいれ、お湯を注ぐ。
「はい、食べに、いきましょう、ガストがいいな」
目線をあげて、裕二の顔を見て、にっこり笑った表情で、はしゃぐようにして言う。枚方の駅前までいかないと店はない。
 土曜日の夜だから、子供連れの若い家族でにぎわう洋食の店だ。高校生くらいの年頃の女子同士で来ている客。二人連れで来ている若い客。裕二と奈美は、といえばまだ子供がない若い二人連れ、といったところだ。
「明日は日曜日、ぼくは休みだ、奈美ちゃんの予定は?」
「べつに、予定なんてありません、ありませんけど」
「どうした、食事したら、奈美ちゃんのマンションへ、行きたいな」
「ええっ、わたしの、ところへ、ですかぁ」
裕二の申し出に、奈美は戸惑う。部屋の中を散らけたままにしてあるから、断ろうとするが、断る理由がない。断れば終わる、と奈美は咄嗟の判断で、いいですけど、と答えた。奈美の住まいは、駅から歩いて三分、単身者用マンションのワンルームだ。ハンバーグセット、野菜を取りに行き、飲み物はカルピスソーダにした奈美。裕二は飲み物をオレンジジュースとホットコーヒーレギュラーにする。まだジュウジュウと音がするプレートが運ばれてきて、熱いですから気をつけてください、とウエイトレスが言うので、奈美がうなずく。食べながら、飲みながら、会話しながら、奈美は微笑む。営業成績を気にしなくてよい日々だ。奈美の心は落ち着いてきている。肌も艶が戻ってきたようにも思える25歳の奈美だ。
「ちょっと、待ってて、ちょっと待てって、ね」
マンションは小規模の三階建てマンションで、少し離れたところの電柱の陰に隠れるようにして、裕二は待たされる。奈美のいる部屋は三階だ。奈美が部屋に入って一分ほどして、裕二がワンルームに招き入れられた。

-21-
 奈美のワンルームは、かなり雑然としているな、と小杉裕二は思った。ドアを開けて左側にバスとトイレ、仕切りがあってキッチン。ルームは六畳の広さだ。シングルのベッドにはピンクの花柄毛布が掛けられている。机と椅子は学生時代のを使っているのか、高校生が使うスタイルだ。ノートパソコンが置かれている。半透明の衣装ケースが四段に積まれたのが二列あって収納ボックスだろうと裕二は思う。掃き出し窓は遮光カーテンで閉じられているがベランダになっている筈だ。
「あんまり、見ちゃ、いやですよ、ちょっと恥ずかしいですけど」
「いやぁ、いいですね、ホッとするね、女の子らしい色彩だ」
ピンク系の遮光カーテンだし、ポットは赤、ベッドは乳白色だ。
「座って、待ってて、お茶、入れますから」
「ああ、ありがとう、お茶、いれるんだ、ありがたい」
「短大入るとき、ここを借りて、もう七年になります」
「なかなか落ち着くじゃない、好きだな、この雰囲気」
土曜日の昼間に、裕二のマンションで過ごした奈美は、夜になって自分の部屋へ裕二を導きいれることになるとは思ってもいなかった。でも、もう、遠い存在の人ではない、奈美の感覚では、小杉裕二は身近に思える存在だ。
「へぇええ、緑茶、いれるんだ、急須もあるんだ、和風だね」
一人用の小さなちゃぶ台に湯飲み茶わんを二つ並べて、フローリングの床に畳一枚分の毛足の長いベージュのカーペットに座る。
「わたし、病休中だから、病人なんです、変でしょ、わたしって」
「変なことないよ、そうなんだ、カメラ、写真撮るんだって言ってたね」
「ええ、来年、写真の学校に、行こうかと、思ってるんですよ」
「そうなんだ、写真の学校ねぇ、ぼくも行こうかなぁ」
「そうですね、一緒に、行きましょうか、日曜日か平日夜の学校よ」
奈美がいれてくれた緑茶を、飲みながら、裕二は、情事を思い起こす。男と女が二人きりになることは、特別な事情がない限り、結ばれる。奈美は、期待している。でも受け入れるだけの用意をしていない。あらかじめ避妊具などは用意しておくものよ、と美奈子先輩に言われたことがあったが、用意はしていない。奥手だった奈美。この歳になるまで経験がなかった奈美。
「ねぇ、ねぇ、裕二さん、これ、読んでたのよ、これ」
独り身の女子が読む月刊誌に、恋愛特集があって、そのページをひろげる奈美。ちゃぶ台を間にして、裕二の横に並んでしまう奈美。身を寄せて裕二に凭れかかる奈美。手には雑誌のページを開いていて、からだを崩してしまう。裕二は、どうしたものかとタイミングを計る。凭れかかってきたから、抱けばいい。右にいる奈美の背中に、右腕をまわす裕二だ。恋愛特集のページは、彼とのセックス、と題された写真と記事だ。奈美の声が変性してくる。

-22-
 小さなちゃぶ台を前にして、右腕を奈美の背中にまわして、抱き寄せる裕二。奈美はひろげていた雑誌をちゃぶ台の下へ入れ、裕二の胸にすり寄ってくる。斜めにした上半身、奈美の左足の膝と右足の膝が離されていく。裕二が目線を奈美の膝に落とす。スカートがめくれ、左足のふくらはぎから太腿が見える。右の膝から足先がカーペットの上に伸ばされる。
「はぁっ、ああっ」
「ふううっふううっ」
言葉にはならない息音が、奈美の唇から洩れ、裕二の唇からも洩れる。裕二が左腕を奈美の脇腹にいれて抱き寄せる。しなやかに奈美が抱かれてくる。抱かれながら、奈美が右手を、ズボンを穿いた裕二の、腰の真ん中に置いてくる。左の腕は裕二の背中にまわされる。
「うううん、いいの、ね、裕二さま、いいわよね」
昼間には裕二のマンションで関係した奈美が、まだ十分に燃焼しきれなかった気持ちを、自分に言い聞かせているのだ。奈美の右手がもぞもぞしだして、裕二がデニム地ズボンのベルトを外し、ファスナーを降ろして、前を開ける。奈美がブリーフのうえに手をのせる。まだブリーフの中におさまっている裕二のモノが膨れているのを、奈美がその上を撫ぜる。裕二は、その奈美のブラウスのボタンを外し、左手を胸に入れる。キャミソールにブラジャーを肌に着けている奈美だ。裕二が穿いたブリーフの、臍の下から右手を入れてきた奈美。裕二のモノブリーフのなかで直に握ってしまう奈美。
「はぁああっ、ああっ、裕二さまぁ」
鼻にかかってくぐもったトーンで奈美が、かすかな声を洩らしてくる。裕二は、奈美のかすれくぐもった声に、胸が沸々とわいてくる。裕二は、奈美に自分のモノを握らせたまま、ズボンとブリーフを太腿の根元にまで下ろして、奈美を迎え入れる。
「ああ、奈美ちゃん、くち、つけて」
奈美はうつむいたまま、露出された裕二のモノを握っていて、足をずらし、顔を降ろし、裕二のモノに唇をつけた。奈美が男のモノを口に含むのは、初めてのことだ。京都のラブホテルでも、裕二の部屋でも、このことはなかった。自分の部屋に入ってきた裕二という男に、初めて施す女から男への口戯だ。
「はぁああ、ううっ、うううっ」
奈美は、温かい勃起する男のモノの唇に挟み、そのまま半分ほどまで、口の中へと入れこんでしまう。ねっとりした感触に、奈美の身と心が揺れる。うずうず、感情だけではなくて、身体のなかが濡れてくる感覚だ。
「うぐ、うぐ、うぐうぐっ」
顔を上げ、顔を降ろす、裕二の勃起するモノを口の中から抜きだし、挿しいれる、唇でそのモノを締めながら、舐めあげ舐めさげるのだ。裕二は、奈美に口戯をさせながら、キャミソールをたくしあげ、ブラジャーを押し上げ、柔肌の乳房を左の手に包んで撫ぜている。腰から足を乱してカーペットに伸ばす奈美。裕二には露わになる太腿、ショーツに包まれる股間に目を落とす。男の情欲が湧いてくる32歳銀行員の裕二だ。

-23-
 男と女の行為がはじまると、もう後戻りはしない。ちゃぶ台の前で裕二の勃起するモノを半ば寝そべる格好で口に含んでいる奈美。じゅぱじゅぱするから、口の周りが濡れそぼってくる。裕二が手を伸ばしてくるのがわかる。お尻を触られ、太腿を触られる。ショーツを脱がされそうになったから、右手を使って、自分で抜き取ってしまう。キャミソールにブラジャーも身につけたままだ。スカートも穿いたままだ。腰まわりだけがすっぽんになってしまった奈美だ。
「ふううう、うう、うう、ふううう」
「ほうら、奈美ちゃん、ここにお座り」
裕二が、奈美の上半身を起こさせ、ちゃぶ台のカップを退ける。そうして奈美をちゃぶ台に座らせる。スカートを穿いたままの腰まわりだ。裕二は胡坐座りで、目の前に座らせた奈美はまだ膝を閉じたままだ。奈美は裕二がしてくることに、素直に、従ってくる。
「はい、裕二さま、わたし、座ります、ここに、座る」
「スカートをめくるんだよ」
「はい、スカート、めくります」
小さくてくぐもった声だ。奈美は膝の上の裾を持って横にひろげ、そのまま太腿の根元まで引き上げる。奈美は顔を俯かせ、伏目がちに、裕二と目線があわないようにしている。言葉には出さないが、恥ずかしいからだ。めくってしまって、太腿の根元の真ん中で、はみ出した黒毛が見えてしまう。裕二は、生唾を飲む。白い太腿、黒い毛だ。男の裕二は、そこをじっと見てしまう。
「奈美ちゃん、いいんだろ、こんなこと、それで、膝を、ひろげてみてよ」
「ああ、お膝、ひろげる、あっ、こんなの、ああっ」
足首を揃えたままで膝を開く奈美。ボタンを外したブラウスが腰の横に垂れる。臍の下までキャミソールに包まれ、乳房はブラジャーに包まれている。膝をひろげてしまって、手を後ろについた奈美の顔が赤らんでいるようにも見える。
「ああん、裕二さま、みちゃ、見ちゃ、はずかしい、恥ずかしいです」
「ううん、奈美ちゃん、ぼくのん、見ただろ、だから、ぼくも、奈美ちゃんを見たい」
裕二が奈美の腰へ手を伸ばし、お尻を前へずらしてくるようにさせる。奈美は、お尻を前へもってくる。ちゃぶ台の縁にまでお尻をもってきた奈美へ、裕二が膝をいっそうひろげさせる。白い肌の奈美だ。裕二は、太腿の根元の内側に目線を注ぐ。奈美が敏感にその視線を感じとる。
「ああっ、裕二さま、みちゃ、みちゃ、みちゃいや、ああん」
奈美は金縛りにあったように、胡坐座りする裕二の前に、膝を120度にもひろげてしまって、閉じられない。裕二にしても、女のソコをナマで目の前に見るのは、学生のころに記憶があるだけだ。

-24-
 奈美のワンルームは狭い空間だ。カーペットが敷かれた畳一枚分ほどの床が平面だ。ちゃぶ台にお尻を置いて座った奈美の前に胡坐座りする裕二だ。太腿を大胆に120度にも広げている姿を、裕二に見られている奈美。スカートをめくり上げた腰まわり。淫らな女の姿に、裕二の心が情欲してくる。
「ああん、そんなにみないで、みちゃ、いや、恥ずかしい」
奈美は上半身を後ろに反り返らせ、顔を天井に向けている。裕二の手が、奈美の股に触れられてくる。真ん中の縦になった唇を、柔らかくつまんで、内側を開いてくる。奈美は、裕二の手先の感触に、ゾクゾクとした気持ちを感じてしまう。
「奈美ちゃん、吸ってあげる、このままで、待っていなさいね」
裕二が子供を諭すような口調で、小さな声だけど、そのことが分かる語調で、奈美に言う。奈美は、それには反応しなくて、触られてしまうときに、膝から太腿の内側がピクピクと波打ってくる。裕二が顔を、奈美の股に押し当てる。唇を奈美の縦唇に押し当て、顔を横にふり、縦の唇を割って広げてしまうのだ。
「ああっ、裕二さま、あっ、ああっ」
じゅるっ、じゅるっ、ぺちゃっ、ぺちゃっ、淫らな音が醸しだされてくる。じゅるじゅる、唇で擦り舌で擦っても、指は奈美の中には入れない裕二だ。
「そのままじっとしていなさい、奈美、ああ、可愛いな、奈美」
裕二はズボンを脱ぎ、腰から下を裸にしてしまう。ちゃぶ台にお尻を置いた奈美を中腰にさせ、スカートを脱がせ、下半身を裸にさせる。
「さあ、またいで、おいでよ、このまま、ほら」
ブラウスもキャミソールもブラジャーも着けたまま、すっぽんになった腰から下の奈美が、向き合ったまま裕二の腰を跨ぐのだ。
「ああん、裕二さま、ああっ、ああっ」
裕二の腰からの勃起ブツが、奈美の股のソコに挿し込まれていくのだ。奈美は裕二のモノを自分に挿し込み、ぐぐっと挿し込んでしまう。膨張してくる下腹部の感覚に、奈美は虚ろに濡れた声を醸しだす。
「いいだろ、奈美ちゃん、こうして、抱きあうんだよ、いいだろ」
「はぁああっ、抱きあうん、ああっ、わたし、ああ、いいきもち」
ぶっすり、男の勃起ブツを、自分の股のソコに挿し込んでしまった奈美が、裕二に抱きついてしまう。勃起した男のモノが蠢く感じで、からだのなかに快感という違和感を覚える。挿し込んだまま腰を揺する奈美。男のモノが自分のなかで擦れてくる。
「ああっ、はぁああん、ああん、あああん」
腰をうごかすたびに、言い知れぬ刺激がからだのなかを電撃のように走る。からだの内側が壊れそうな感覚で、とろけていくのが分かる。奈美の反応に、裕二が感じていく。柔らかい声がくぐもって、咽ぶ声に変質していく奈美。独身、25歳の奈美は、変身していて、もう、固い会社員、女子営業社員のイメージよ、さようなら、だ。裕二は、用意していたスキンをつけるべく、奈美の尻をあげさせ、それを奈美に悟られないようにかぶせ、根元までかぶせ終わてそのまま奈美のソコへ挿し込んだ。奈美のソコは濡れていて、難なくぶすぶす、根元までくわえ込んでしまう。
「あああっ、裕二さまぁ、あああっ、だめ、だめ、いい、いい」
裕二が腰をうごかし、奈美もうごかし、双方が動かしあって、摩擦させる。そうして裕二は、奈美の背中をカーペットにつけさせ、上半身には服を着たまま、抱きあう。裕二の腰が奈美の股に当てがわれたまま、裕二の方が腰を前へ後ろへ、男のモノを女のソコでピストンにしてしまう。奈美は仰向き、膝をもちあげられ、太腿をひろげられて、快感の極みへと昇っていくのだった。













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