耽美試行

かろす物語(1)-3-

 16〜22 2016.6.23〜2016.7.22

    

-16-

<紗枝と平田の若旦那>
「さあ、こっちへおいで」
「はあぁ、平田さまぁ、ああっ」
腕を引っ張られた紗枝が、平田の若旦那の胸に抱かれます。大島平三が退出した土蔵の中は、紗枝と若旦那のふたりきりです。四畳半の畳の間には布団が敷かれていて、そこへ導かれた紗枝。紗枝は浴衣を羽織っただけの裸体です。
「いい香りだ、沙枝さん、たっぷり、可愛がってあげようね」
「はぁあ、平田さまぁ、たっぷり、可愛がってくださいね」
シャツだけで下半身裸の平田の若旦那は、白いシーツが敷かれた布団のうえで、胡座座りです。抱き寄せた紗枝を、膝の上で仰向かせ、右の腕で背中から抱きます。紗枝の顔が、平田の顔の下に、足を伸ばして抱かれる紗枝です。
「うふふっ、柔らかい、いい匂い、紗枝さん、いいねぇ」
「あっ、はっ、平田さまぁ、うち、ううっ」
唇を重ねられて紗枝の声がくぐもります。唇を重ねられた紗枝の胸へ、若旦那の左手が覆いかぶさります。帯を締めない赤い花柄浴衣の胸元がひろげられ、乳房がまさぐられるのです。はだけさせられた浴衣のなかには、紗枝のふくよかな肢体が伸びています。
「ああん、平田さまぁ、もう、こんなに、おっきくしてぇ」
背中から抱かれた紗枝の右手が、平田のペニスを握りしめたのです。茎の部分を握って、ぐちゅぐちゅと蠢かしている紗枝。それに呼応して、平田の若旦那が、紗枝の股間をまさぐりだすのです。

男と女、36才の男と25才の女、成熟しきった男と女の交情です。
「ああん、はぁああ、ああん」
「ううっ、ううっ、紗枝、紗枝、いいね」
「はぁああ、平田さまぁ、ああん」
「くわえて、紗枝、咥えて」
「ああっ、ううっ、ふぅううっ」
抱かれていた紗枝が、うしろずさりで胡座座り平田の腰へ顔を近づけます。右手に平田のペニスを握り、左手は平田の太ももにおいて、唇をペニスの先にくっつけます。そうして紗枝、平田のペニスの頭を唇に挟んで口のなかへと咥えこんだのです。
「ううっ、おおっ、うううっ」
紗枝に咥えられた自分のモノがぐちゅぐちゅと刺激され、じんわりと気持ちよさがのぼってきて、平田は胡座座りの身を崩し、紗枝の乳房から腰、腰から太ももの根っこ、太ももの根っこから太もものうちがわへ、手を這わせていきます。
「ふうう、ううううっ、ううっ、ううっ」
紗枝が平田の茎を握った手を上下にうごかします。亀頭が剥かれ、紗枝の唇で拭われます。土蔵の中は四畳半畳の部分。スポット照明でまわりは暗く、布団のうえだけがそれなりに明るく光ります。
「ううっ、ふううっ、ひらたさまぁ」
紗枝の乳房に、平田の唇が、舌が、這います。乳房から乳輪、乳輪から乳首へ、乳首からもうひとつの乳首へ、唇と舌が這っていきます。と同時に左手が紗枝の下半身の真ん中を、愛撫しだしているのです。

-17-

土蔵のなかの畳四畳半の空間です。白シーツに包まれた布団が敷かれています。布団の頭部分に電気スタンド、その向こうに牡丹絵二双の衝立、枕があり、鏡があり、ティッシュボックスがあります。
「はぁああ、平田さまぁ、ああ、はぁああっ」
「うんうん、紗枝さん、いいんだね」
もう全裸になっている紗枝が、布団に仰向き、膝を立て、ひろげます。紗枝の足元、膝と膝の間に胡坐崩しで座る平田の若旦那です。眺めます。紗枝の太ももの双方が合わさる真ん中を眺めます。黒いちじれ毛に覆われた頂上からの谷間には、まだ開いてはいない縦割れの唇です。独身の若旦那にはその光景が、郷愁で包まれたような感覚で、見入ってしまいます。
「ふううっ、すうううっ、ふううっ、すうううっ」
仰向いて軽い深呼吸のような息遣いの紗枝。ふたつの盛りあがる乳房。それから放心する感の紗枝。胸や尻の丸みからいえば短めの髪の毛が、女らしさというより初々しい、童貞の少年とでもいった感じに思える紗枝です。
「ああっ、紗枝さん、いいねぇ」
胡坐崩しの格好、平田の若旦那もすでに全裸です。上半身を紗枝にかぶせていきます。二つの腕の肘、紗枝の腋の下にあてがう感じで、乳房、乳首の裾あたりに唇をつけます。

若旦那の唇が、紗枝のみぞおちから首筋へ這わせられ、唇と軽くかさねられます。
「ふぅうう、ううっ」
「ううん、紗枝さん、ううううっ」
若旦那の唇が、ふたたび紗枝の乳房に戻ってきます。片方の乳首を唇に挟み、歯で軽く、噛んでしまいます。
「ああっ、ああっ」
紗枝が、悶えます。枕に置いた頭、その顔を横にして、悶えます。平田の若旦那、腰をぐっと紗枝の股間へ近づけます。まず、挿入を、試みられる若旦那です。陰茎を握った若旦那が、亀頭で陰唇を開きにかかります。うまくひらかないから陰茎握った指で唇を開かせて、そこへ亀頭を挿入します。
「ううっ、ああっ」
紗枝の表情が歪みます。入れられて、感じた顔が苦痛のような表情をつくる25歳の紗枝です。
「はぁああ、ああん、はぁああっ、ひらた、さま、ぁっ」
平田の若旦那から、亀頭と陰茎の半分ほどを挿入された紗枝が、空をつかむように手でシーツを握ります。若旦那は紗枝の膝裏に腕をまわしてしまわれます。そうしてそのまま、紗枝の太ももがひろげられます。臀部から太ももが折り曲げられ、ぶすぶすと若旦那のモノ根元まで、挿し込まれてしまったのです。

-18-

白いシーツに包まれた布団に背中をつけた紗枝が、若旦那のモノを挿し込まれて呻きます。
「はぁああ、ああっ、平田さまぁ、ああ、ああっ」
「おおっ、紗枝さん、ええよぉ、おおっ」
「あっ、あっ、あっ、ああん」
「ほうら、おおっ、いいか、紗枝」
「いいっ、いいっ、ああっ、ああっ」
仰向いて太ももをひろげられ、持ち上げられ。おりまげられた股間へ、若旦那のペニスが挿し込まれている紗枝です。挿され蠢かされるたびに、じゅじゅじゅじゅっとせりあがってくる疼きに、無意識に声を洩らしてしまいます。土蔵の中、四畳半のスペース、畳が敷かれ布団が敷かれ、そのうえで交情をうける紗枝です。平田の若旦那への気持ちが、徐々に親密になってきます。密着することで情が移ります。
「ううっ、ああっ、平田さまぁ、あああん」
「ううん、紗枝、紗枝さん、気持ちいい、おおっ」
平田の若旦那、仰向かせ、太ももをひろげさせた紗枝のそこへ、勃起物を挿し込んで快感をむさぼります。とろとろ蜜の中に密着の男根から感覚は、この世での最高の快楽です。男と女が結ばれているとき、しばしの快楽に浸ります。柔らかい肌、ぽちゃぽちゃの感触、35才の若旦那、25才紗枝の乳房を弄ります。ぷっくら柔らかい乳房の感触に、勃起させたペニスが応えます。紗枝はまた若旦那の仕草に刺激され、ヴァギナからの感覚と乳房からの感覚で、麻痺するからだ、快感を覚える女体なのです。

白シーツが敷かれた布団のうえ、四つん這いの紗枝。顔の右頬つ腕をシーツに着ける格好で、膝をひらき太ももひろげ、尻を持ち上げる格好の四つん這いです。
「はぁあ、ああっ、平田さまぁ、はぁあ、ああっ」
ぺちゃん、ぺっちゃん、ヴァギナがこすれて醸し出す濡れた音が響きます。無音の土蔵、四畳半の畳、布団には白シーツ。そのシーツも真ん中が縮れてしまって濡れだして、若旦那、それをみていっそうの興奮です。
「おおっ、いい、いい、紗枝、おおっ」
挿し込んでいるペニスを抜き去って、紗枝の尻前に座り込み、腰に腕をいれて尻をもちあげ、そこえh顔をくっつけるのです。濡れた紗枝の陰部、そこへ顔をあてがうのです。
「はぁああ、ああっ、ひらた、さまぁああっ」
ぺちゃぺちゃ、くちゅくちゅ、平田の若旦那が紗枝を啜るその音が、醸され立ちます。紗枝が持ち上げられた尻を悶えよじらせます。平田の若旦那、唇をつかったあとにはふたたび、膝立ちで、腰のモノを紗枝に挿し込んでいきます。
「ううっ、ううううっ、ええよぉ、おおっ」
「ひぃいいっ、ひぃいいっ、ひらたさまぁ、ああん」
「おおおお、気持ちええんかい、気持ちいい」
「はぁああ、いい、いい、いいですぅ」
「おおっ、おおっ、いいねぇ、このままで、いいかねぇ」
「ひぃいいっ、いいっ、ああ、つけてぇ」
「おおっ、でそうだ、でそうだよ、つける」
若旦那、スキンをつけて安全弁、紗枝をイカセテやるのです。

-19-

35歳若旦那の性欲を満たしたあとには、白々しい空気感がただよう土蔵の畳空間布団の上です。射精を終えた若旦那が、まだ仰向いて興奮さめやらぬ安息のなかに目をとじる紗枝を、見ている平田の若旦那です。つけたものを片付けて、脱いだものを着ていく若旦那。紗枝が目を覚まし、恥ずかしそうに身をちぢめ、白いシーツに身を起こし、女座りで胸を手ブラ、ちらちらと若旦那のすがたをみながら、浴衣を着ます。
「紗枝さん、よかったかい」
ブリーフを穿きシャツ着てズボンと穿いた若旦那が、浴衣を着た紗枝になにげなく訊いてやります。紗枝は、やっぱり、恥ずかしい。行為の最中は大胆に振る舞うけれど、終わったあとには、女のふるまいが戻ってきます。羞恥の気持ちがふつふつとわいてきます
「はぁああ、平田さま、わたし、わたし」
よかったとは言葉にだせないけれど、それだとばかりに頷いて応える25歳、大島平三の妾、紗枝です。
「つぎからは、大島さんとは切り離して、会えないかい」
「はぁああ、それは、どうかと思いますが」
「だって、大島さんは、もう年でしょ、満足なの」
「でも、まあ、恩義とか、ありますから」
平田の若旦那は、優男だし、お家柄もよさそうだし、紗枝にしてみれは悪い話ではない。独身だというし、家庭をもつことも可能なのかも知れない、と紗枝は思ったのですが、すぐに返答はできない事柄です。

大島平三が土蔵に戻ってきたのは、若旦那と紗枝の性行為が終わったあと、10分ほどしてからです。男と女の行為のその間、その場から離れたというのが事実です。戻ってきた平三が、片付けられた布団の間、四畳半畳の間に胡坐をかいて座ります。平田の若旦那も胡坐座りですが紗枝は籐で編まれた肘掛椅子に座ります。
「まあまあ、若旦那、続きをやりましょうかな」
「それはそれは、まだ十時ですか、早いといえばまだ早い時間ですね」
「そうですよね、若旦那、お望みの、紗枝を縛る、その続きですよ」
「いいですね、紗枝さん、いいんですか、そのことで」
肘掛椅子に座った浴衣すがたの紗枝に、平田の若旦那が声をかけます。椅子に座った紗枝は、高みから見下ろす格好で、平田の若旦那へ、うんうん、とうなずき返します。
「紗枝、椅子に座ったままでいいから、足をひろげなさい」
平三と若旦那は、肘掛椅子に座った紗枝の正面に、座り直します。籐製の肘掛椅子に座らせた浴衣すがたの紗枝を、こころもち見上げる格好になる男二人です。
「足をひろげて、そうだな、かかとを、座るところに、上げなさい」
やや広めの座部、お尻をおいた紗枝に、足をもちあげさせ、開脚させる。開脚M姿、というスタイルです。

-20-

籐で編まれた肘掛椅子に浴衣姿で座っている紗枝です。大島織物の土蔵のなか、四つに仕切られた一角、畳を敷いた四畳半です。足を座部にあげさせられた紗枝。膝が露出するので、露出しないように紗枝が浴衣で隠します。膝から太ももの内側が大島平三と若旦那の目の高さにちらつきます。
「ああっ、だんさま、平田さま、そんな目で、見ないでくださいな」
肘掛椅子の前に胡座座りしている男二人の目線に、ため息のような呻きで羞恥の表情を見せる紗枝。白地に朝顔柄の浴衣一枚、下着はつけていません。
「帯を、ほどいて、まえをあけなさい」
紗枝の旦那平三が、たじたじする紗枝に、指示します。
「はぁああ、だんさまぁ、おび、ですかぁ」
「そうだ、帯びといて、若旦那におまえが見えるよう、まえをはだけなさい」
紗枝の右に平三が、左というより正面に平田の若旦那が座っています。ぐぐっと生唾を呑み込むようにして、緊張を隠せない表情です。とはいっても、さきほどに、紗枝とは交合したあとだから、少し引いた感覚で、この場を楽しみます。
「たっぷりと、吟味してやってくださいな、若旦那」
足裏を畳におろして帯をとく紗枝。紅い絞りの兵児帯を畳に落としてまえをはだけさせます。ぷっくら膨らむ乳房を、みえるようにさせます。膝から浴衣をはずし太ももから腰までを露出させます。
「足を、あげて、膝を、ひらくんだ、紗枝」
「はぁあ、こんなかっこうで、ですかぁ」
恥ずかしい、やっぱりしらふで見られるのは、恥ずかしい。紗枝の顔がぽ〜っと赤らみます。

へんなあそびといえばへんなあそびです。紗枝は大島平三とは内縁関係です。平田織物の若旦那は、大島平三の妾、紗枝に気持ちを惹かれ、平三の気持ちは、借金の依頼とどうじに紗枝を引き渡してもいい、という打算です。還暦を超える平三には、紗枝を身体としてよろこばせることができなくなりつつあるから、苦渋の決断だといえなくもない。
「ほうら、紗枝、足をひろげて、膝をひらいて、手は首後ろだ」
「はぁあ、だんさまぁ、こんな、ですかぁ」
「若旦那、こんなもんでしょ、見てやってください」
「ううっ、ああ、大島さん、沙枝さんの裸、いいですなぁ」
「そうでしょ、この子は、すばらしい、よく感じる子だし、表情が」
「麗しい、物憂げな、見ていると、胸が裂けてしまいそうになりますね」
「お気に入りですね、若旦那、それじゃ」
紗枝は、裸にされ、開脚させられ、Mの格好にさせられ、正面から眺められます。男の目線が注がれるからだへ、じっくり鈍い針を刺される感じで、疼いてきます。
「はぁああ、ああっ」
膝をひろげた紗枝、太もものつけ根がひろがり、ちじれた黒毛の下には縦割れ唇が丸見えの状態です。合わさった唇がぷるっともりあがり、白い肌とは裏腹に茶色にくすんだ股間が、男の心を捉えます。
「おっぱいもんで、したをしげきするんだ、紗枝」
男に見られるところで、手淫を促される紗枝。目がうつろ、顔が観音さまに、上気してきて、男を魅惑させてきます。

-21-

大島平三と平田の若旦那が胡坐で座るその前で、籐の肘掛椅子に座った紗枝が自分の恥部をひらいていきます。二人の男を眺めるうつろになった紗枝の目つきが、平三と若旦那の情を動かさせます。
「ああっ、だんさま、平田さまぁ、はぁああっ」
「おお、紗枝、膝をもっとひろげろ、陰唇、ひろげろ」
紗枝に指図するのは大島平三、小さな声で、囁くように、小鳥に餌をあたえるように、紗枝に言葉を与えていきます。平田の若旦那は、紗枝のからだに生唾を呑み込む感じで、秘部を凝視するだけです。
「そうそう、そうだ、紗枝、指を使え、指で刺激して、感じなさい」
「はぁああ、だんさまぁ、ああん、ああ、ああっ」
紗枝の秘部がひらかれて、ピンクの襞があらわになって、割れ目からはトロリトロリと透明粘液が垂れ出してきます。黒いちじれ毛の下部、縦にぱっくり、白い肌のあいだにわれる唇を、独身の平田の若旦那が、ぞくぞく感じながら、眺めるんです。先に紗枝と交じった若旦那だから、情が激高するほどではないけれど、むらむらと得体の知れない感情がもりあがってくるのです。
「はぁああ、ああっ、ああっ、ああっ」
紗枝の手指の動きが、唇を割った口の中へ挿し込まれています。中指の腹で、膣の口から少し奥を撫ぜているんです。とろり、とろり、紗枝が汲み出す愛の汁、大島平三が紗枝に近づきます。顔を紗枝の股間に近づけます。紗枝の手を退けさせ、股間の唇のうえへ、唇を当て、音を立てて啜り出すんです。

籐で編まれた肘掛椅子に全裸になった紗枝が開脚で、Mの格好で、座っています。股間をまえに突き出し、大島平三に唇をつけられ、じゅるじゅると啜られていく紗枝です。二人だけのときとはちがって、平田の若旦那がご覧になっている目の前で、情欲を醸されていく紗枝。見られている感覚が、陰部に与えられる刺激に伴って、頭の中はとろろろ、ぐじゅぐじゅ、はぁはぁと、悶え呻きの声を洩らしてしまうのです。
「ああっ、はぁああっ、だんさまぁ、ああん、ああっ」
じゅるじゅる、ずるずる、淫らな音が醸されて、土蔵の中にあふれていきます。平田の若旦那、先に交合したところなのに、興奮してきて勃起させてしまいます。
「どうですか、若旦那、紗枝ともういちど、やってみますか」
紗枝の股間から顔を離して、平田の若旦那に促す大島平三です。
「そうですね、いただきたいですね、このままで」
「ああん、平田さまぁ、また、するん、ですかぁ」
紗枝が、うつろに、右手腕を乳房にかぶせ、足首ひろげたままで膝を合わせています。うわずった紗枝の声に平三の気持ちが軋みます。平田の若旦那に紗枝を明け渡してしまう覚悟はできているとはいえ、愛のかたまりは紗枝が対象なのですから。
「いいですかね、紗枝さん、それじゃあ」
立ち上がる若旦那の腰からは、勃起したペニスがそそり立っています。紗枝の前に立つ若旦那。立つと紗枝の目の高さがペニスになります。

-22-

肘掛椅子に座った紗枝と、その前に立った若旦那。紗枝の目の前には若旦那の勃起したペニスがあります。紗枝が両手でペニスを挟みます。そうして握って、顔を近づけます。若旦那が腰を前へぐっとせりださせます。紗枝の口に、若旦那のペニスが咥えられます。
「ううっ、ふぅうう、ふぅううっ」
「おお、紗枝さん、おおおおっ」
べちゃぺちゃ、音を立てて啜る紗枝の頭を抱く若旦那です。紗枝は全裸。肘掛椅子に座って膝をひろげ、若旦那のペニスをしゃぶっているのです。
「ううっ、うううっ」
若旦那が左手を紗枝の頭の後ろへまわして支え、右手で紗枝の唇まわりを撫ぜていきます。咥えさせた唇まわりです。ぶっすり挿し込ませて、腰を抜き、半分抜いて挿し込んで、紗枝にペニスを舐めさせ、それから、引き抜き、勃起のままで、紗枝の股間の口へと場所を変えるのです。
「はぁああ、平田さまぁ」
「うんうん、座って、入れてやる」
木で組まれた鞍掛け椅子を前に置き若旦那が座ります。座ると若旦那、腰の前が紗枝の股間の高さです。足を開いた若旦那。太ももを拡げた紗枝。男のモノが女の処へ結合されます。
「あああっ、平田さまぁ」
紗枝の顔が軋んで、喘ぎの声が洩れてきます。

大島織物の離れになる土蔵のなかです。大島平三が見ているところで、妾の紗枝と平田織物の若旦那が交合しているのです。もう用をなくした大島平三ですが、妾を別の男にやらせるのは、忍び難い気持ちです。とはいえ資金繰り、平田織物から現金を借用するためというのが偽らない本音の処ですが、35歳の独身、若旦那のいい女にしてもらって、譲り渡そうというのです。
「はぁああ、いい、いい、ひぃいい」
「うううん、紗枝さん、おおおっ、いいねぇ、いいよぉ」
「はぁあああ、平田さまぁ、いかせてください、あああん」
「紗枝さん、紗枝、紗枝、いい、いい、おおおっ」
「はぁああ、平田さまぁ、ああ、いく、いく、いきますぅ」
肘掛椅子に座って太ももひろげ、股間を突き出す紗枝。鞍掛け椅子にお尻を置いて、腰のモノを紗枝に挿しこむ平田の若旦那。大島平三の了解のもと、男と女の関係を結んでいるのです。複雑に絡む相思相愛、愛憎入り交じる三角の関係ですが、そこは大人、お金が大事と思うなか、紗枝が翻弄されているのです。
(この章終わり)










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最新更新日 2016.6.27


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