耽美試行

かろす物語(1)-2-

 9〜15 2016.5.27〜2016.6.21

    

-9-

<大島屋の蔵の中>2
織物業大島屋の社屋から庭を隔てたところには、江戸の時代からの土蔵があります。主人の大島平三は絵描きでもありますがカメラにも興味があって、この土蔵の内装を改良し、アトリエ兼スタジオとして使っています。このアトリエ兼スタジオのことをクラ、蔵という字をあてていますが、クラと呼んでいます。平三の年齢は還暦をこえたところですが、妾に紗枝という25歳になる女がいます。紗枝の住居は御所の近くの2DKマンションで、大島平三との交情もここで行うことが多いです。ところでこのまえ平田織物の若旦那平田敏夫に紗枝を貸したところ、たいへんなお気に入りになって、ふたたび世話してもらえないかとの申し出があり、この日はクラで会う。大島平三と平田敏夫と紗枝と、三人で会うことになったのです。男二人に女一人です。
「ようこそ、平田君、このクラをご覧になるのは、お初ですな」
「話には聞いていましたが、ついに訪問させていただけた、ですね」
午後五時過ぎですが、紗枝がまだ到着しない。すでに寿司桶と酒の肴の刺身盛りが届いていて、クラの隅の冷暗所に置かれています。クラの内部は四畳半が四つの広さ、窓は高いところにあり、一尺角の柱が真ん中に立っていて、四つの四畳半空間がしつらえられています。畳の間、欅板の間、絨毯の間、土のままの間。大きな扉をひらけると、左に土間、右に絨毯の間、奥左つまり土間の向こうは板の間、奥右が畳の間となっています。土間の壁際が水場で、調理台と流しと冷蔵庫などがあってカーテンで仕切られています。

「だんさん、遅れてしまいました、それに平田さま、すみません」
紗枝はワンピース姿で、もう夏物で白っぽいノースリーブです。スカートはフレアーで膝までの長さです。洋装です。派手目ではない、どちらかといえばアンティークな仕立てです。
「うんうん、紗枝、よろしくたのむよ」
「はぁあい、だんさま、それに平田さま、こちらこそ」
紗枝の仕草は、昭和のおなごを彷彿とさせる美人画が動き出したという感じで、このスタイルが平三好みといえば好みです。
「紗枝さん、美しいなぁ、やっぱり、天下一品ですね」
「なんですかぁ、うち、ラーメンちゃいますよ」
「そういえば、あとで、ラーメンといきましょうか」
まえに紗枝と交情があった平田敏夫は、平三の目線を気にしながら、今夜も紗枝との交情を期待して、このクラへやってきたところです。
「まあ、まあ、今日は、平田の若旦那を交えて、存分に、楽しみ、ましょうかな」
平三の魂胆は、大島屋の納品先問屋の平田織物からの借り入れ金を増やしてもらう、そのためには、女をわたして、というところです。これは、見抜けます。紗枝も敏夫も、そのことはわかったうえでの、ふるまいです。紗枝が、宴の用意を始めます。宴は絨毯の間が使われます。黒に塗られた紫檀の座敷テーブルに、寿司桶、刺身盛り、コップ、などなどが運ばれ並べられ、宴がはじまったのは午後六時の少し前でした。

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吟醸の酒をおちょこで呑まされる紗枝が、ほんのりと酔いはじめます。白っぽいノースリーブのワンピース姿の紗枝。露出した肩から耳の後ろ、髪の毛の生え際までが、ほんのりと朱色になってきているじゃないですか。大島平三も平田敏夫も、呑んでいるけれど、紗枝ほどには酔っていません。まあ、酒に酔わせて、その勢いで紗枝を見てやろうとゆうのが、男の魂胆ですから、そこはほどほどの酒の量です。
「ああん、だんさまぁ、うち、ようてきたみたい」
「ほんまやな、紗枝、酔ってきたんか」
黒い紫檀の座敷テーブル、四畳半、紅色の絨毯敷です。
「しやおへんなぁ、紗枝さん、ほんなら、介抱してあげよか」
「はぁああ、平田さま、うち、もう、あかんわ」
とろんとした目つきにかわってきた紗枝を、麗しいと思うのは平三ばかりじゃなくて、男ならだれしもが、酔いはじめた年頃の女を見ていたら、ぞくぞくっとくるものです。
「ほんなら、ぼくが、ほうら、いいね、好きにしていいね」
「はぁああ、平田さまぁ、好きにしても、いいけどぉ」
「いいけど、どないしたん」
「あんまし、ひどいこと、したら、あかん」
「わかってるがな、ひどいことなんか、しやへん」
35歳の独身平田敏夫が、紗枝の後ろにまわって、うしろから抱きにかかります。座敷机を介して、正面に平三があぐら座りです。

「ああん、平田さま、うううん、ああっ」
平田敏夫が紗枝が身に着けたワンピースの背中のホックをはずし、ファスナーを降ろしてしまうのです。そうして背中をひろげ、腕を抜き、上半身を脱がしてしまうのでした。
「ええからだしてるなぁ、紗枝、まるい、ぽちゃぽちゃ」
正面には平三が、見慣れた紗枝の半裸を見て、いいます。酒に酔っているいきおいで、潤いも格別な紗枝です。
「はぁああ、だんさま、うち、もう、あかん、酔っちゃった」
「よしよし、それじゃ、平田の若旦那に可愛がっておもらい」
「あっ、はぁああん、可愛がって、もらえるん、ひらたさまぁ」
すでに平田敏夫が、紗枝の胸を触りだしているのです。後ろから、おんな座りした紗枝の胸、ブラジャーに包まれた乳房へ、手をいれ、ブラのホックをはずさないですりおろすのです。乳房が露出されます。窮屈に下から持ち上げられる格好になった乳房です。たっぷりの丸みを帯びた乳房は、もっこりと盛りあがっています。
「ほんなら、紗枝さん、もう少しうしろへさがって」
座敷机と紗枝の間を座布団一枚分ほど開けて座らせます。おんな座りの足を前へ伸ばさせ、それからあぐら座りにさせてしまう平田です。あぐら座りにさせると、フレアースカートが足にかぶさります。そのかぶさりをめくりあげ、太ももを露出させてしまいます。白いショーツが股間を覆う。そんな紗枝の手を後ろにまわさせ、手首を交差させ、帯の紐で括ってしまうのでした。

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土蔵の中、四畳半の絨毯の間、紅絨毯に敷かれた敷布も紅です。濡れた時、敷布にしておかないと、絨毯が汚れてしまうからとの配慮です。
「ああん、平田さまぁあん、おちち、ああん、こそばい」
「ふんふん、紗枝さん、たぷたぷ、いいねぇ、あとで吸ってあげる」
後ろから平田に抱かれた紗枝が、乳房をすそから撫ぜあげられるから、恥ずかしくて、うつむいてしまいます。
「ああん、だめですよぉ、そんなの、ああん」
少しはお酒を呑んだから、ほんのりと赤みを帯びてきた柔肌を、平田にあずけている紗枝が、足を組まされ、足首を交差させられてしまって、少し嫌がります。ショーツを穿いているとはいえ、股間が開いてしまって、正面の平三が目線をそこに向けてきているからです。
「ほうら、ここも、こうして、括ってしまおうね」
赤と緑柄の帯締めを、平田がうしろから紗枝の足首に縦縛りにしてしまいます。
「ああん、平田さまぁ、いやですよぉ、ああん」
「なになに、お酒を、さあ、呑みなさいな、紗枝さん」
手首を背中で括って、足首を交差させて括った紗枝に、平田が酒を呑ませるのです。盃に吟醸酒を注ぎ、紗枝の口元へもってきて、ぐいっと呑ませてしまうのです。すでに、ほんのり赤みが差した白い肌です。一杯、二敗と呑まされて、次第に崩れていく25歳の紗枝です。

「大島さん、ほんとに、よろしいんでっか、こんなことして」
「よろしいんやで、若旦那、紗枝は、羞恥を好むおなごですから」
「はぁああ、だんさま、うち、そんなん、ちゃうです・・・・」
「そうだな、紗枝は、恥ずかしい思いをすると、燃えてくる」
「はぁああ、ちゃいますぅ、そんなこと、あらへんですぅ」
漆黒の座敷机を介した正面に座る大島平三に見られて、紗枝はうつむき、目線を会さないようにして、応えます。
「白い布、かぶさってるけど、黒い毛、透けて見えてるよ、紗枝」
後ろから抱かれて、正面には平三が座っており、足首を重ねて括られた紗枝の股間が、ひろがっています。そこへ目線を注ぐ平三が、陰毛の茂み、がうっすらわかるというのです。
「若旦那、後ろじゃなくて、前へまわってみなさいな」
「そうでんな、まえへいかんと、おもしろないなぁ、紗枝さん」
平田の若旦那が、紗枝の足首を括った余りの帯締めを、もちあげ、ひろげて、肩におき、首の後ろで括ってしまいます。それから後ろ手に括った帯締めの余りを首後ろを渡った帯締めに、下からとおして手首へ降ろし括ってしまいます。
「ああん、からだが、伸ばされへん、きゅうくつですぅ」
あぐら座りした格好で荷造りされてしまった紗枝。からだを倒すと足が持ち上がる。足を絨毯につけておくと、身体を起こしたままです。白いワンピースは上半身が脱がされて腰の周りに、フレアーのスカートがめくりあげられ腰にまつわっている格好です。平田敏夫が紗枝の前横、平三の目線を遮らない位置に座ります。

-12-

「そうですな、座椅子に座らせましょう、そうしましょう」
平三にいわれて、平田の若旦那が、あぐら括りにした紗枝を、肘掛をあげた座椅子にお尻を置かせます。布張りのリクライニング座椅子、うしろへ段階刻みで倒せることができます。
「ああん、だんさま、平田さまぁ、こんなんしたら、うち、恥ずかしい」
うつむいた紗枝が下唇を歯で噛む仕草を眺める大島平三と平田敏夫。上半身が裸になった紗枝。まとっていた白いワンピースは腰までおろされまとめられ、フレアーのスカート部もめくりあげられ、腰にまかれた格好です。白くて薄い木綿のショーツを穿いた紗枝の股間がひろげられます。
「いいね、紗枝、照明を変えよう、いいね」
土蔵のなか、全体を照らす電灯から、スポットに切り替える平三。絵を描く、写真を撮る、そのための照明を手がけてきた平三には、座椅子に座らせた紗枝のすがたが浮かび上がるように、上から、斜め横から、正面から、と明るさの異なるスポット電球を当てます。
「ああっ、いやん、平田さまぁ、こんなの、あああん」
紗枝の左右の肩へ、帯締めの紐が柔肌をこすらないように、手拭いを当ててやってから、足首を交差させて括った帯締め紐の余りを引き上げ、足首と胸の間をちじめられてしまうんです。
「いいから、いいから、紗枝、たっぷりと、たのしませておくれ」
寿司桶や料理が並ぶ座敷机を介して、平三が紗枝と平田へ聞かすために、言ってやります。

大島織物社屋の奥、中庭を挟んだ処にある土蔵のなかです。分厚い土壁の扉は閉められ、空調が効かされた四畳半四つ分の広さ、その一つ、紅い絨毯を敷き詰めた四畳半。平三の妾の紗枝が、得意先の若旦那、平田敏夫を楽しませるための場をつくっているところです。料理と酒、そこには女がいるだろう、男の妄想が現実を生みだして、二十五歳を迎えた紗枝をさかなに、還暦を過ぎた男と独身35才の男が、気持ちと身体の欲求を、満たしていくのです
「めくって、やりたいね、ううん、紗枝さん、ここ、めくろうか」
先ほどから吟醸の酒を杯に注がれ、何杯か呑んでしまった紗枝は、白い肌もほんのりと、お顔の頬もほんのりと、あかみを帯びてきています。白い木綿のショーツの股布の縁を指に挟んだ平田の若旦那が、覗き込むようにして言うのです。
「うううっ、ああん、いやぁああん、そんなことぉ」
「ふふっ、ほうら、おおっ、沙枝さん、おまんこ」
股間を覆っていた白い布が横へずらされ、縦割れの唇があらわにされてしまったのです。足首を交差させて括られ、胸へと持ち上げられたそのしたに、陰部を露出されてしまった女の紗枝です。
「若旦那、そいつ、脱がしてしまって、いいんですよ」
「そうですな、脱がしてしまいましょうか、いいですなぁ」
「ああん、いや、いや、そんなことぉ、恥ずかしいことぉ」
平田が紗枝の腰後ろへ手を入れ、ショーツの腰紐をお尻からおろして、太ももの根もとまで脱がせてしまって、手を離します。太ももの根もとまで降ろされると、黒いちぢれ毛があらわになります。股間の縦割れの唇が布から離されます。正面からは臀部と菊門が見え、会陰部分がみえています。盛り上がった乳房がみえ、紗枝の引きつるような顔がわかります。

-13-

布張りのリクライニング座椅子にお尻を置いた紗枝の格好は、後ろ手に縛り、足は菱形にされて胸へ近づけられています。えび責めという呼び名でいわれる拷問のかたちです。
「ええからだしてまんなぁ」
「はぁああ、いやぁああ、辛い、足がしんどい、ああっ」
「ふふふふ、紗枝さん、おまんこが、ふくらんで、ぷっくら」
「いやぁああ、ああん、そんなこと、いやぁああ」
平田の若旦那が、紗枝を眺めて、感心したようにいいます。紗枝が苦痛を訴えます。平三は、座敷机越しに紗枝の姿を見て、嫉妬を覚えます。
「若旦那、きついから、紐を解いてやってくださいな」
平田の若旦那に気に入られている紗枝ですが、この女は自分のものでもあるからです。股間を拡げられたまま、胸を拡げられたまま、リクライニング座椅子に座らされた紗枝が、解かれてます。足首と手首に、紐の食い込んだ痕が生々しいです。
「ああん、平田さまぁ、あんましこわいこと、わたし、こまりますぅ」
「まあ、まあ、大島さんから。沙枝さんには、その気があるから、と聞いたもんで」
「でも、おんなのわたし、だれでも、その気はあるのとちがうやろか」
「そうか、おんなって、そうなのか」
解かれた紗枝は後ろを向いて、ワンピースを着直します。ショーツは、脱いでしまいます。このあとには、抱かれることになっている紗枝ですが、衣装を着けておかないと、恥ずかしいから。下着はなくて、白いワンピースだけです。お酒を杯に何杯か呑んだ紗枝、ほんのり赤くかった頬から首筋、もとが白いだけに艶やかな肌色です。

大島屋の土蔵のなか、四畳半が四つ、田の字形に仕切ってあって、そのひとつが紅い絨毯、黒い紫檀の座敷机が置かれていて、そこが今夜の宴席です。紗枝が、全裸にされています。平田の若旦那はロマン主義派を自認していて、女を縛って責めながら、交合をおこなうという趣味を持っているのです。
「だから、沙枝さん、ほうら、手と足をこうして括って」
「ああっ、平田さまぁ、こんなの、ああっ」
全裸になって、俯いて、寝転がった紗枝です。漆黒の座敷机には食べさしの寿司桶が、酒のはいった徳利が、そうして女を縛る紐の束。
「手を後ろで括ります、それから、足首も括ります」
手首が別々に括られて、足首が別々に括られて、荷物運搬用の滑車が天井から降ろされ、真上にきます。手首と足首を括った四本の紐が、束ねられて一本にされます。手首と足首がまとめられて括られているのです。
「大島さん、どうします、つりあげて、よろしいか」
平田の若旦那が一本にした紐を手にして立ち上がります。紗枝は後ろに手をまわした格好で、膝から足首を曲げた格好で、胸を絨毯につけたまま、寝そべっています。
「お好きなように、されたらいいよ、若旦那」
「そいじゃ、この紐を、滑車に通してやりましょう」
紗枝の手首と足首を括った紐を束ねた一本を、滑車から降ろしたフックに留めてしまいます。そうして滑車を通したロープを、引き下げます。
「ああっ、いやぁああん、ああ、ああっ」
紗枝の手首が持ち上がり、足首か持ち上がります。顔が起こされ肩が浮きます。足首が持ち上がり、膝が持ち上がり、太ももが持ち上がって弓なりになってしまいます
「ううっ、ううううっ、ああん」
「どうした、痛いのか、苦しいのか」
「ううっ、だいじょうぶ、ですぅ、ううっ」
腹と胸が紅い絨毯に擦れているから、手足に体重がかかっていないから、窮屈だけど、耐える紗枝です。男の手で、男の前で、このようにされて、欲求が満ちていく感覚を、紗枝は味わっていくのです。

-14-

手首と足首をまとめて背中で括られ、滑車から降ろされた紐のフックに留められてしまった紗枝。全裸、腹が絨毯にすれるところまで引き上げられた俯いた身体です。
「紗枝さん、どうだい、くるしいかい」
「ああっ、はぁああっ、うううっ」
紗枝の頭のほうにまわった若旦那が、胡座座り、足首に紗枝の顔を置かせます。そうして髪の毛を握り、右手を顎にあて、顔を持ち上げるのです。
「ふふっ、沙枝さん、いい顔じゃないか、うれしいんだろ」
「ううっ、ああっ、平田さまぁ、ああっ」
「美しい、沙枝さん、美しいねぇ」
反り返させた裸体の顔のまえ、平田の若旦那が、穿いているズボンのベルトを外します。ズボンを降ろして脱ぎ去ります。ブリーフを降ろしてしまいます。なにもつけないナマの腰周り、胡座座りにする若旦那。腰の毛むくじゃらから突き出す男物。大島屋の旦那は座敷机を介して、紗枝と若旦那の行為を見ています。
「ほうら、沙枝さん、この口で、ぼくのをお舐め、ほうら」
ぐっと胡座座りの腰を前へずらせる若旦那。持ち上げた紗枝の顔の前に、男物を近づけるのです。ぐいぐいとの近づけ、紗枝の顔にその陰茎部を当てます。
「はぁああ、ああっ、ふううっ」
ピンと起き上がる男物、その先を紗枝の唇に当てさせたのです。
「それじゃ、わたしは、うしろから」
座敷机の向こうにいる平三が、紗枝の足下へ移ります。
「ふぅううっ、うう、ううっ」
若旦那の男物を口に含まされた紗枝が、呻きの声を洩らします。若旦那には髪の毛をつかまれ、顔を腰へ当てさせられて、棒状のそれを口の中でもてあそばされるのです。

土蔵の中の四畳半部分は絨毯敷きです。漆黒の座敷机には宴の最中、食べ残された寿司盛りが置かれ杯と徳利が置かれています。全裸の紗枝が辱めを受ける。俯いて手首と足首を背中にまわし、まとめて括られ、引き上げられている格好。前からは平田の若旦那、紗枝にフェラチオさせているところです。うしろに座る平三は、紗枝の足をひろげさせます。
「ほうら、紗枝、足を、ひらけて、ほうら」
反り返る足。膝をひろげ、太ももをひろげていく平三です。太ももをひろげたその根元は股間です。紗枝の股間が丸出しです。
「ううっ、ふううっ、うぐ、うぐ、うぐううっ」
持ち上げられた顔、その口に、若旦那の男物を咥えさせられている紗枝です。うしろからは平三が太ももの根元へ手を入れてきて、なぶりだします。上になった臀部、下になった陰毛。臀部と陰毛の間は縦割れた唇です。平三がその部分を下から上へ、陰毛部から尻穴へ手のひらで撫であげるのです。
「おお、おお、沙枝、濡れてきておるな、ヌルっとな」
縦割れの唇を少しだけ開いてみた平三の、その指先にべっとりと透明のネバ液が付いてしまったのです。
「うううっ、ううっ、うううっ」
紗枝の縦割れ唇のそのなかへ、平三が指を挿しいれてしまいます。
「おおっ、ヌルヌル、濡れておる、紗枝、感じているんだな」
「ああっ、はぁああああっ」
立ち上がった平三が、滑車を通した紐をぐいっと引き上げていきます。絨毯に着いていた紗枝の腹が、浮いてしまいます。
「ううっ、ううううっ」
咥えていた若旦那の男物が外され、そのまま反り返っていく裸体。腹の部分が絨毯から数pですが浮いてしまって、吊られてしまった格好です。

-15-

手首と足首を別々に括られた紐が一つにまとめられ、一本太紐にされ、鉄のフックにつるされた紗枝の裸体です。絨毯から浮いてしまった紗枝の顔つきが、苦痛の表情に変わっていきます。
「ううっ、ああっ、うううっ」
紗枝の顔のまえには若旦那が、うしろには平三が、紗枝のからだを見つめています。逆海老の格好にされてしまった平三の愛人、25歳の紗枝を、数分間ですが、嬲ってやるのです。
「よろしおまんな、美しい、紗枝さん、素敵だな」
「そうでっしゃろ、紗枝、こうしてやると、とっても美しい」
「ううっ、ああ、ああっ」
平三が逆海老になった紗枝の太ももと太もものつけ根をひろげ、少し茶系に黒ずんだ縦割れの唇を、指で割り、指を挿入してやります。若旦那は、勃起させたモノを露出させたまま、紗枝の顔を弄っています。
「ああん、あああん、だんさまぁ、ああっ、平田さまぁ」
「濡れておる、紗枝、なかがびっちょり濡れておる」
「ううううっ、ああっ」
「紗枝さん、ぼくのん、口に入れる」
35歳独身の若旦那が、半胡坐座りで紗枝の頭を持ち上げさせ、腰のモノを咥えさせます。
「ううっ、うううっ、ぐぅううっ」
うしろからは、還暦を越えた大島平三が、指をヴァギナに挿しいれていて、弄られるのです。

大島織物の土蔵のなか、絨毯が敷かれた四畳半の広さ、食べさしの寿司桶がおかれ、徳利がおかれ、おちょこがおかれた黒紫檀の座敷机のそばで、女の紗枝が男二人に嬲られているのです。逆海老で吊られた紗枝の裸体は、数分もたたないうちに降ろされて、手と足を背中に向けたまま、寝そべる格好。
「ああん、だんさまぁ、ほどいて、ほしい、ですぅ」
「ふふふふ、若旦那、どうします、解いてやりますか」
全裸の紗枝を、背中から見る大島平三と若旦那です。若旦那にはやり残しがあるから、紐を解いたら、平三は土蔵を出ます。
「はぁああ、ほどいて、ください、おねがいですぅ」
苦しかったから、手首と足首が痺れるような、痺れていることもわからない紗枝ですが、苦痛です。
「ふふ、解いてやるから、あとはいいな」
平三が手首の紐を解き、足首の紐を解き、全裸の紗枝を仰向かせます。手首と足首には紐が絞められた跡が残っています。白い肌が胸から腰へ、女の姿態に二人の男が見惚れます。太ももから膝、膝から足首。足指の爪は真っ赤なマニュキュアです。紅い絨毯よりも光立つ赤です。そのぶんだけ、白い肌が強調されます。陰毛がふさふさ、男の情欲をわき起こさせる黒です。大島平三が土蔵から退出し、残されたのは紗枝と平田の若旦那です。





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最新更新日 2016.6.22


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