かろす物語
 -3-
 16〜21 2022.1.25〜2022.1.31

-16-
<浩介のワンルーム>
浩介が入居しているのはワンルームマンションの一室です。六畳ほどのフローリングにバスとトイレに畳半分のキッチン仕様です。沙織がこの部屋へ訪ねてくるようになったのは、ラブホテルを何度か転々としてセックスをかさねてきたあとのことです。吉田山の東側、静観な場所にある三階建てマンションです。
「来たよ、せんぱい、ああ、お外、寒いわよ」
土曜日午後二時、浩介は銀行休業日で休み、明日は日曜日なので、連休です。
「うん、まあ、沙織、寒いか、部屋は温かくしているよ」
沙織は、コートを脱ぎます。脱いだコートの下は、ベージュのセーターにベージュのスカート。肩までの髪の毛はカットしてきて清楚です。
「お昼、もう、済ませたんでしょ、わたし、コンビニで買ってきた」
沙織は、ノリを巻く三角おにぎり二個と緑茶のペットボトルを買ってきて、食べるつもりです。浩介の六畳部屋、シングルのベッドがあり、テレビがありオーディオセットがあります。勉強するための机があり椅子があります。カーペットが敷いてあり、四角のちゃぶ台があります。小物の収納箪笥があり書籍棚があります。窓辺にトランペットの黒いケースが置いてあります。でも、部屋で吹くことはありません。
「うん、バイトは、お休みよ、きょうとあした、だから、ゆっくりよ」
アルバイトしている沙織の日程、それに銀行員している浩介の日程、土日を休みにして、二人の巣ごもりが始まるのです。

勉強机に向けられた背凭れの椅子に、机を背にして沙織が座っています。浩介が、その横に立ちます。なにが始まるのか、沙織は、もう部屋の温かさに、うっとりしています。会話といっても、空々しくて、内心は、セックスを想う。沙織は浩介のこと、浩介は沙織のことを、それぞれに期待を持って、タイミングをはかっています。立っている浩介が、沙織の頭の、髪の毛を、頬のところからかきあげ、耳を露出させてしまいます。
「ああん、せんぱい、こそばいわ」
ヒヤッとするほど、浩介の指が冷たくて、沙織が首をすくめます。沙織の横顔を、斜め上から眺める浩介。ベージュのセーターとスカートが、温かくした部屋に柔らかない色彩をかもしています。
「沙織、いいんやろ、もう、いいんやろ」
髪の毛を退けていた浩介の手が、沙織の首筋からセーターのなかへ、手をさしいれてきます。セーターのなかがぷっくら膨らんで、そのまま胸の上が膨らみます。椅子に座った沙織の、左横に立っている浩介です。左手を沙織の右手とあわせて、指を握りあい、右手で胸の中をまさぐります。沙織の左手が、浩介の腰にまわされ、右手を浩介から離し、腰を抱く格好です。こころもち膝がわれて、ひろがる沙織。浩介の右手は、沙織の胸のなか、ブラの内側へ手をいれ、乳房をナマに触ってしまいます。
「あん、ああん、せんぱい、ああっ」
沙織は、溜息のような咽ぶ声を洩らします。ベランダが見えます、浩介が洗濯した下着が干されています。レースのカーテン、掃き出し窓からは、明るい光が侵入してきます。
「ううん、あん、せんぱい、ふぅうう、ううっ」
沙織の声、小さな声、息といっしょに吐かれるかすれた声が、静けさをやぶります。

-17-
浩介のワンルームへ来るまえから、からだのなかがウズウズしている沙織。温かいワンルーム、椅子に座って浩介に乳房を触られると、いっそうウズウズが増してきます。横に立っている浩介の腰に左手をかぶせているのは、そのしたに、沙織のウズウズ気分を解消してくれる、男のモノがあるからです。
「ああっ、先輩、わたし、していい?」
セーターのなかへ手を入れられ、ブラのなかへ手を入れられ、乳房を触られている沙織が、浩介から目をふせたままつぶやきます。沙織は、椅子から腰をあげ、浩介の前に座ります。浩介が穿いているズボンのファスナーを下ろします。手を入れブリーフの真ん中から、男のモノを取り出してしまいます。
「ああん、先輩ぃ、あったかいわ、ああ、先輩ぃ」
もう沙織、浩介のズボンから引き出した男のモノを見るなり、ウズウズを押さえきれなくて、握って、先を唇にはさんでしまって、口の中に含んだのです。浩介は、なされるがまま、見下ろし、沙織の頭うしろに手を当てます。
「ううん、ああ、いい、いいよ」
男のモノだけを露出した、それも沙織の手で取り出された男のモノ。勃起してしまって、沙織の口の中に咥えられている感覚に、浩介がうなります。ベージュのセーター、ベージュのスカート、カーペットに座る沙織は、足を横に流して膝上10pほどが露わです。ストッキングを穿いた沙織の足が、浩介には愛くるしく見えます。

浩介は立ったまま、沙織に咥えさせたまま、ズボンのベルトをはずします。沙織が口から勃起する男のモノを抜き、ズボンとブリーフを太腿の真ん中まで下ろします。浩介の腰から下が露出させられ、沙織、愛くるしくも、あらためてそれを眺め入るのです。
「ああん、先輩ぃ、おっきいわねぇ、ああっ」
下から見上げる格好で、目の前に浩介のモノを見る沙織。右手でかるく茎を握る沙織。皮を剥き、先っちょを唇にはさんで、口のなかに含みます。浩介は、すばらしい沙織のプレゼントに、させるがままです。まだ洋服を着たままの沙織です。立ったままの浩介が、沙織が着ているセーターを脱がします。それからふたたび口に含ませる浩介。沙織は、おいしそうにしゃぶります。茎を唇で撫ぜあげ、撫ぜさげ、浩介が咥える沙織の頬を手で挟んで、腰を突き出すのです。まだ、沙織がワンルームへやってきて、10分足らずで、行為がはじまっていくのです。
「ああ、うう、ううううっ」
「いいよ、いいよ、沙織、いいよぉ」
セーターを脱いだ沙織のインナーは、スリップにブラジャー。スリップを脱がせ、ブラジャーのホックをはずし、取ってやります。下半身裸の浩介に、上半身裸になった沙織です。

-17-
浩介のワンルームへ来るまえから、からだのなかがウズウズしている沙織。温かいワンルーム、椅子に座って浩介に乳房を触られると、いっそうウズウズが増してきます。横に立っている浩介の腰に左手をかぶせているのは、そのしたに、沙織のウズウズ気分を解消してくれる、男のモノがあるからです。
「ああっ、先輩、わたし、していい?」
セーターのなかへ手を入れられ、ブラのなかへ手を入れられ、乳房を触られている沙織が、浩介から目をふせたままつぶやきます。沙織は、椅子から腰をあげ、浩介の前に座ります。浩介が穿いているズボンのファスナーを下ろします。手を入れブリーフの真ん中から、男のモノを取り出してしまいます。
「ああん、先輩ぃ、あったかいわ、ああ、先輩ぃ」
もう沙織、浩介のズボンから引き出した男のモノを見るなり、ウズウズを押さえきれなくて、握って、先を唇にはさんでしまって、口の中に含んだのです。浩介は、なされるがまま、見下ろし、沙織の頭うしろに手を当てます。
「ううん、ああ、いい、いいよ」
男のモノだけを露出した、それも沙織の手で取り出された男のモノ。勃起してしまって、沙織の口の中に咥えられている感覚に、浩介がうなります。ベージュのセーター、ベージュのスカート、カーペットに座る沙織は、足を横に流して膝上10pほどが露わです。ストッキングを穿いた沙織の足が、浩介には愛くるしく見えます。

浩介は立ったまま、沙織に咥えさせたまま、ズボンのベルトをはずします。沙織が口から勃起する男のモノを抜き、ズボンとブリーフを太腿の真ん中まで下ろします。浩介の腰から下が露出させられ、沙織、愛くるしくも、あらためてそれを眺め入るのです。
「ああん、先輩ぃ、おっきいわねぇ、ああっ」
下から見上げる格好で、目の前に浩介のモノを見る沙織。右手でかるく茎を握る沙織。皮を剥き、先っちょを唇にはさんで、口のなかに含みます。浩介は、すばらしい沙織のプレゼントに、させるがままです。まだ洋服を着たままの沙織です。立ったままの浩介が、沙織が着ているセーターを脱がします。それからふたたび口に含ませる浩介。沙織は、おいしそうにしゃぶります。茎を唇で撫ぜあげ、撫ぜさげ、浩介が咥える沙織の頬を手で挟んで、腰を突き出すのです。まだ、沙織がワンルームへやってきて、10分足らずで、行為がはじまっていくのです。
「ああ、うう、ううううっ」
「いいよ、いいよ、沙織、いいよぉ」
セーターを脱いだ沙織のインナーは、スリップにブラジャー。スリップを脱がせ、ブラジャーのホックをはずし、取ってやります。下半身裸の浩介に、上半身裸になった沙織です。

-19-
ベッドのうえ、仰向いて、寝そべって、足をひろげる浩介です。沙織の裸体を、かぶせられた浩介には、温かくて柔らかさを感じます。腰からの勃起モノを、かぶさった沙織が口に含んでくれます。浩介は、沙織の腰を抱きます。太腿をひろげさせ、お尻をもちあげさせ、その真ん中へ顔を埋め、唇をとじたままナメあげナメさげ、ぷるんとさせて扉をひらけます。
「うう、うううう、ふぅううう」
沙織が呻き洩らすくぐもった声を耳にして、浩介が、じゅるじゅる、ぺちゃぺちゃ、と沙織の秘所を舐める音を立ててやります。きっちり太腿をひろげきった沙織です。
「ああ、いい、いい、いいです、先輩ぃ」
沙織は、口から抜いたモノを、握ったまま、浩介がナメナメしている刺激に、ほんろうされます。ぶっとい男のモノを握って、口には含まず唇で、根元から先の方へとナメあげます。ぷちゅぷちゅ、ナメあげ、ナメさげ、手にはまかず、手でささえます。そうして、浩介はそのままで、沙織が向きをかえます。浩介の顔に顔がくるように、寝そべったままで向きあいます。
「ううん、先輩のん、おいしい、おいしいよ」
「なんや、沙織のん、おいしい、おいしいよ」
沙織の乳房が、浩介の胸に密接します。それから、浩介の腰をまたいで、カエルさんスタイルになります。
「いれて、いれていい、いいですか」
「うん、ああ、いれて、いいよ、いれよう」
沙織が、太腿ひろげたままお尻をあげます。浩介が勃起したモノを握って立てます。沙織をまたがらせていて、お尻をもちあげさせていて、その真ん中へ、モノを挿し込んでしまうのです。

シングルベッドにかさなりあった沙織と浩介。秘部が刀と鞘のかたちで、接合、密着、結合、収められてしまいます。
「ああん、いい、いいです、ああん」
「ううん、いい、いい、沙織、いいよ」
「いいです、先輩ぃ、いい、ああ、いい、いい」
沙織が腰を揺すります。密着したモノが蠢くのです。わかります、お腹の奥でぶくぶく、にゅるにゅる、皮をこすられる感じが、ひろがります。
「うう、ああ、ああん」
浩介が太腿のつけ根を持ち上げる仕草をするので、沙織、太腿からお尻をもちあげます。挿入されているモノが、抜けてきます。ぬけてくる空白感、そうして、ぐっとお尻をおろしての、挿入感。
「はぁああ、ひぃいい、ひぃいい、いい」
「いいよ、沙織、おお、ああ、挿して、抜いて、おお、いいぞ」
「はぁああ、ひぃいい、こうですか、いい、いい」
ぶすぶす、浩介のモノが鞘から抜けたり、挿し込まれたり、沙織が抜き挿しの速さをコントロールです。浩介は、してもらえるに任せます。沙織が喘ぎ呻き洩れさせる声に、浩介、胸がキュンキュン、勃起ブツがいなないてきます。なかで出すためには、すきんをつけて、ああ、浩介、沙織に抜かせて、かぶせて、挿し入れさせます。あとは一気に、スピードあげて、沙織をイカセてしまうのです。

-20-
シングルベッドに仰向いた浩介に、またがっている沙織。全裸、密着、男と女、きっちり浩介を咥え込んだ沙織が、呻き喘ぎます。膝から足首をシーツにつけて、上半身をまえ倒しにして、浩介の肩に手をおいて、お尻を、浮き上がらせて沈めます。
「ああ、ああん、ううっ、ああ、ああっ」
「いいよ、沙織、いい、いい、いいよ」
沙織の乳房のすそに手を当てた浩介が、沙織の動きに応えます。沙織は、もう、すきんをつけてもらったから、このまま、アクメに昇っていくところです。
「ひぃいい、はぁあああ、ひぃいい、ひぃいい」
「いいぞ、おお、こすって、こすって、おお、おお、いいぞ」
「はぁあああ、ああん、先輩ぃ、いきそお、いきそおよぉ」
「いいぜ、沙織、いくんだ、いけ、いけ、おお、おお」
浩介のワンルーム、シングルベッドのうえ、沙織がアクメを迎えていくタイミングで、浩介が射精をもよおします。とろとろ、沙織の淫蜜があふれだし、浩介のモノをとろけさせます。男と女、一緒になって、愛の行為が果てていきます。
「ああああ〜、ああっ、ああっ、ひゃああ、あああっ」
果ててしまう沙織に、浩介の痙攣が沙織をいっそう感じさせます、とろとろ、ぬるぬる、愛の蜜かほとばしり出て、沙織、身も心も快感に果ててしまったのです。

終えた後、気持ちが醒めてくる沙織。浩介が、沙織より早くに醒めていて、処理をして、ベッドに座っています。沙織が醒めてきて、目を開け、浩介の顔を見上げます。浩介は無言、沙織も無言、言葉を介さなくても、終えた後は喜悦の後で、空しさもあります。
「はぁああ、先輩、わたし、ああ、どうしょ」
「うん、なにを、どうしようというの」
「ううん、なんでもないけど、このまま、ここにいたい」
「いてもいいけど、そうだね、いてもいいけど」
「わたし、ちょっと、疲れてるのかも、わかんないけど」
沙織が、ショーツを穿きます。ブラを着けます。ベッドからおり、スリップを着けたところで、椅子に座ります。インナー姿のままで、この後を過ごします。浩介は、ボクサーパンツにシャツの軽装です。
「うん、ジュースがいいんやろ、沙織」
「うん、ジュースがいい、喉が渇いたわ」
ちゃぶ台のまえにおんな座りで、浩介がコップにオレンジジュースを注いで、置いてくれるのを待つ沙織。アルバイトの身の上。好きなこと、バイオリンはしばらくやっていません。23歳、まだまだ若い、とはいえ若くはない、という気持ちもあります。

-21-
浩介のワンルーム、あんがい居心地いいなぁ、と沙織は思います。行為がおわって、ちゃぶ台をまえに、足をずらせて女座りの沙織。浩介が、向きあうのではなくて、沙織の左横に座ります。オレンジジュースの残りを、沙織が飲み干し、浩介も飲み終えます。
「あん、ああん、先輩、ちょっとまって、少し、待って」
浩介が、スリップ姿の沙織を、抱きにかかってきたのです。ベッドが背中、目の前は机と椅子、窓からの光がだいぶ薄くなってきています。
「せっかく来てくれたんだ、よかったんやろ、でも、まだ、まだやろ」
「ああん、そやけど、ちょっとまって、待って」
言葉では、ちょっと敬遠気味な沙織ですが、内心は、それほどのことはなく、抱きあいたいとの強い欲求でもなく、ただいま沈んでいるところなのです。オーケーの合図は、沙織のほうから、浩介の腰へ、手を伸ばしてくることです。でも、沙織、ためらいもあって、浩介をいらだたせたりもします。
「うん、いいよ、でも、いいんやろ、もういっかい」
「ああん、先輩って、えっちなんやから、こまっちゃうわ」
沙織、その気になっているのが、浩介にはわかります。右腕で背中から抱いてやる浩介。沙織は、抱かれるままに、浩介へ寄ってきます。沙織が穿いたショーツを脱がせ、ボクサーパンツを脱いでしまう浩介。向きあい、抱きあい、接合させたままにして、おたがいにまさぐりあうのです。

浩介の腰をまたぐ沙織。またいで、浩介のモノを、自分の股にくわえ入れ込む沙織。抱きつきます。浩介は足を投げ出し、足歌をあわせたり伸ばしたり。沙織はまたいで奥まで挿し込んで、微妙にゆすったり、お尻をひいたりして、刺激をもらいます。
「あん、あん、ねぇええ、いつまでも、こうして、いたいよ、わたし」
小さな声で、沙織、本音を洩らします。浩介は、沙織が好きです。一緒にいてもいいなぁ、と思っています。一緒に生活してもいいなぁ、と思っています。
「うん、うん、沙織、ぼくも、こうして、いたい、いたいよ」
浩介が腰を捩じるように動かします。腰の動きで、沙織のなかへ、微妙な快感が伝わります。沙織、23歳、もう女ざかりといえばそうかも。気持ちいい、コンビニのレジにいても、この味は忘れられません。
「ああん、うん、ああん、すき、すきです、先輩ぃ」
「うううん、沙織、いいね、ヌルヌル、気持ち、いいよ」
「わたしも、ああん、きもちいい、とってもよ、ああっ」
沙織は、トロトロ、このまま、とろけていってしまいたい、と思っています。一緒にいたい。浩介は、沙織と生活したい、一緒にいたいと思っています。















小説
かろす物語






HOME

淡水小説集目次



かろす物語

表紙目次に戻る