かろす物語
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 9〜15 2022.1.14〜2022.1.22

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土曜日は、沙織は朝からそわそわ、浩介と会う約束の時間は11時半です。アルバイトは月水金だから、土曜日の今日から明日までは自由です。この前のことが思い出されてきます。それから、高校三年生の時の忌まわしい記憶がよみがえってきます。ピアノを弾き、バイオリンを習っていた沙織が、不良グループに脅かされ、体育倉庫に連れ込まれ、裸にされ、羞恥の極み、縛られ、股をひろげられ、写真に撮られたのです。沙織は輪姦され、その後にも数回にわたって、呼び出され、セックスされた記憶です。妊娠はしなかったものの、わけのわからない恐怖におびえることがあった高校生活の終わりごろでした。大学へ進学して、文学研究会に所属したけれど、オーケストラ部にも所属して、バイオリンパートを受け持つ一員となりました。浩介は、オーケストラ部の先輩で、トランペットを吹いていたので、直接にはパートが違うから、教えてもらうということはありませんでした。浩介は社会人であり、イケメンだったから、知らず知らずに好意を抱いていました。二人だけで会うようになって、喫茶店で話を交わし、夜の食事を共にして、そのうち、同伴喫茶店へ誘い込まれてしまった沙織。アクロバットみたいな体位で、着衣のままセックスされてしまったのでした。
「ごはんたべようか、洋食がいいかなぁ、橋の向こうの、菊水ってレストランで」
浩介が、沙織に、かなり値段高めのレストランへ誘ったのです。
「はい、先輩、ランチしましょう、菊水で」
こうしてその日のお昼ご飯は、レストランでエビフライとコロッケのランチを食べました。

その日、ランチしたあと、建仁寺のほうへ歩いて、連れられていったのはアカツキホテルでした。安井金毘羅さんの近くで、裏道になるところに入口があります。ラブホテルです。まだ午後二時にもならない真昼間です。
<こんなとこ、連れてこられて、わたし、どうしょ、どないしょ>
朝起きたときから、こういうことも想定したから、インナーは何をつけようかと迷ってしまったのです。けっきょく、白のシンプルなパンティとブラ、それにキャミソールはシルクのものにして、半袖のワンピースにして来たのです。浩介は、ブルーのセーターにスラックス、勤め人のオフファッションです。部屋番号のカギをもらって、部屋に入ります。もう、密室です。ダブルサイズのベッドが置かれています。テーブルがあります。椅子は肘掛椅子、それに二人掛けソファー。
「ああ、先輩、わたし、どないしょ、ああん」
浩介は、無言、立ったまま、沙織の手を引き、抱き寄せます。沙織は、抵抗もなしに、抱かれてしまいます。キッス、まずはキッスしてやる浩介です。うむうむ、ふぅうううっ、沙織の匂いに浩介が感じます。沙織はもう、女の匂いを発してきているのです。キッスされなから、ワンピースのうえから、背中やお腹を愛撫されます。沙織は、手をぶらぶらのまま、なされるがままです。

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先輩浩介の欲望に、沙織の欲求も加わって、セックスします。沙織の不安は、妊娠しないか、ということです。浩介とのセックスは、まだこれから始まるのですが、ええ、お別れしないならば、の話ですが、ラブホテルへは初めて来た沙織です。
「はぁああ、先輩ぃ、ああん」
ワンピースのうえから抱かれて、まさぐられると、沙織、こそばさを感じます。ルームには大きなベッドがあり、テーブルに椅子、ラブソファーがあります。
「沙織、ああ、沙織」
浩介が抱いてきて、沙織はうっとり、気持ちがのってきて、キッスに応じて、男の唇、柔らかい唇、それに蠢く舌の感触に、からだの芯が痺れてくる感じです。
「ああん、先輩ぃ、はい、ああっ」
ワンピースのファスナーが降ろされ、肩から脱いでしまう沙織。下着は、シルクのキャミソール、白いパンティとブラジャーは清楚でシンプルなもの。ワンピを脱いで、そのまま二人掛けソファーに座らされます。浩介がまだ着衣のまま、沙織の左側に座ります。そうして沙織の肩に腕をまわして、抱き寄せます。
「ああん、先輩ぃ、わたし、わたし、ああっ」
「どうした、沙織、温かいね、いい匂いだね」
沙織を抱き寄せた浩介が、白いすべすべキャミソールの裾から、手を入れてきます。白いパンティを穿いたまま、ブラジャーの真ん中、ホックをはずして、乳房を露出させてしまいます。

「ああん、先輩ぃ、浩介さまぁ、ああっ」
ためいきのような、うわずった声を洩らす沙織に、浩介は下半身が疼いてしまいます。スラックスのベルトをはずし、沙織を抱いたまま、スラックスを脱いでしまいます。上半身のセーターは着たまま、ブリーフを穿いたままです。浩介が、沙織のインナー、キャミソールを脱がしてしまいます。ブラジャーをはずし、脱がせてしまいます。上半身、裸になった沙織。浩介が、左手を右の乳房にかぶせます。
「ああっ、あああん」
右の乳房に手をかぶせ、左の乳房に手をかぶせ、そうして、浩介は、唇を右の乳房の乳首に押しあて、唇に乳首をはさんで、もぐもぐしてやります。沙織には、右手をブリーフのなかに入れさせ、男のモノを握らせます。抱き寄せた沙織の乳首を唇で、なめあげ、はさんで刺激を与え、左手を、白いパンティのなかへ入れます。沙織がまだ閉じたままの太腿の、真ん中へ左手を入れ、直にデリケートな処を触ります。
「ううっ、ああっ、だめ、ああっ、いい、ああっ」
沙織が呻きの声を洩らします。浩介は、乳首を、軽く歯で噛んでやります。股の柔らかい処を、撫でおろしてやります。沙織は、閉じている太腿を、ひろげさせ、膝をひろげて浩介の手指を受けいれるのです。
「ああん、先輩ぃ、浩介さまぁ、あっ、あっ」
感じる声を洩らしながら、浩介の男のモノを、ぎゅっと握ってしまう沙織。浩介が、パンティを脱がせます。そうして自分が穿いているブリーフを脱いでしまいます。全裸になった沙織。浩介も、セーターを脱ぎ、シャツを脱いで全裸になります。ソファーに座ったままで、抱きあいます。

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アカツキホテルの一室、沙織が全裸になり、浩介も全裸になって、ラブソファーに座ったまま抱きあいです。暖かい部屋、温かい沙織の柔らかい肌、すんなり筋肉質の浩介の肌、女と男の肌が触れあいます。沙織には初めてのラブホテル。浩介は、これまでにも、幾人もの女と、何度も体験済みのラブホテルです。
「ああ、先輩ぃ、いやん、ああん」
浩介が首筋、耳のしたへ、唇を当ててきます。座って抱きあっている沙織には、こそばゆい。浩介は、右腕を沙織の背中にまわし抱いています。肩にキッスして、左手を沙織の胸に置きます。柔らかい、乳房のうえに、浩介の手の平がおかれて、乳房を揺さぶられます。
「うううん、沙織、柔らかい、おっぱい、柔らかい」
「あん、いやん、だめ、ああ、先輩、ああん」
うわずった声質になっていく沙織の呻きです。浩介は、女の肌の感触に、心がウズウズしてきます。沙織は、男の手に乳房を揺すられ、気持ちが高揚してきて、頬が上気してきます。
「沙織の、おっぱい、吸いたい」
「ああ、先輩ぃ」
沙織が顔を上向かせ、反り返り気味になります。浩介は、張られた沙織の胸、ぷくっと起つ右の乳首に唇をあて、唇にはさみ、もぐもぐしてやりながら、吸い込みます。浩介の左手は、沙織の腰から太腿をまさぐり、太腿のつけ根の内側へ、手を入れてやります。
「ああっ、先輩ぃ、ああっ、わたし、ああっ」
ぷちゅぷちゅ、乳首を吸ってやる音がたちます。沙織の呻く甘い声が、溜息のように洩れてきます。股に挿し込まれた手。沙織が太腿から膝をこころもちひろげます。沙織は浩介の腕の中です。お尻をまえへずらさせて、太腿をもう少しひろげさせます。

沙織には、左手を浩介の背中にまわさせ、右手に腰からの硬くなったモノを握らせます。沙織は、なんなく勃起モノの真ん中をかるく握って、指だけにして、その指を上へ下へと動かすのです。
「ああ、いいよ、沙織、もっと、していいよ」
「ううん、ああん、先輩ぃ、いいっ」
勃起モノを握った沙織は、こんなにして男のモノを握ったのは、まえにもしたけど、裸んぼにさせたの握るのは初めてです。柔らかいような硬いような、男のモノを握って、それを見てしまいます。浩介は、いつ本番に持ち込もうかと、思っています。沙織が、まだ慣れないセックスなので、誘導してやらないといけない、と思うのです。それから、沙織の秘部を、見たい欲求もあります。ラブソファーに全裸で座って、抱きあって、性器を弄りあっているところです。
「ほら、ぜんぎ、前戯っていうんだよ、そのあとほんばん、本番だよ」
浩介がラブソファーからおりて、座ったままの沙織の前に膝立て座りになります。沙織の膝をひろげさせます。足首をもちあげ、ソファーの座部に足裏をおかせます。
「ああ、ああん、いやん、ああん」
沙織は、抵抗ではなくて、ためらっています。でも浩介の行いに、逆らいません。股をひろげられて、見られてる。恥ずかしい、足を閉じたくなります。浩介の顔が、股に迫ってきます。浩介の手が太腿の内側にあてられ、唇がそのつけ根の真ん中に、押しあてられたのです。

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ラブソファーに開脚し、Мの格好になった全裸の沙織。浩介が、沙織の前にあぐら座りで、唇を股の真ん中に当てます。
「ひやっ、ああっ、先輩ぃ、ああっ」
沙織、初めての格好、初めての体験、男に秘部を吸われるなんて、23歳、この歳になるまで未経験でした。じゅる、じゅる、浩介がいやらしい音を醸させてきます。沙織は、もう、なにやら、恥ずかしい。でも、異様な妖艶、からだのなかが疼いてくる感じです。
「ああん、だめ、ああ、こんなことぉ、ああん」
ぷちゅ、ぷちゅ、いやらしい音が立っても、ここは密室、ラブホテルいうの一室です。浩介の、クンニがおわって、沙織はたたされ、ベッドに倒れこんでしまいます。
「いいやろ、沙織、ああ、柔らかい、沙織」
ベッドに仰向いた全裸の沙織を、浩介が横に寝そべり、抱きにかかります。沙織は、なされるがまま、浩介に抱かれます。
「ああん、先輩ぃ、わたし、恥ずかしい、ああ、恥ずかしい」
「どうして、恥ずかしくなんて、ないやろ、ううううん」
浩介の右腕が、背中にまわされ、左手が沙織の裸体をまさぐります。沙織が、浩介の、腰からのモノを、握らされます。
「あん、ああん、先輩ぃ、あっ、ああっ」
沙織が、小声を洩らします。乳房をまさぐられたあとは、太腿をひろげられ、股に手を当てられ、股全部揉みくちゃにされだすのです。モミモミされる沙織は、握った浩介のモノをしごきます。握った手を上下に動かすのです。逆さに持ち替え、根元のほうへ手を下ろすのです。下ろして上げて、下ろして上げて、こする感じで、浩介のモノをしごいてあげます。浩介が逆さまになり、沙織の足の方に頭をもってきて、腰を沙織の顔のところに持ってきて、ああ、おたがいに、性の器を口で刺激しあうのです。

沙織には、初めてのラブホテル。ダブルベッドの上です。沙織も浩介も全裸です。沙織が仰向き、浩介が仰向いた沙織にかぶさります。沙織に膝を立てさせ、足首から膝をひろげさせます。ひろげられた太腿の間に、浩介が座ります。
「ああ、先輩ぃ、浩介さまぁ、わたし、ああ、どないしょ」
「うんうん、沙織、いいことするんやから、このままだよ」
正座になったままの浩介が、勃起しているモノをかるく握って、沙織の股の真ん中へ、柔らかい先をあてがいます。左の指で、沙織の縦割れ秘唇をひろげます。そうして、右手に握った先っちょを、挿し込んでいくのです。
「あっ、はぁああっ」
「いいね、沙織、いくよ、いいね」
「はい、ああっ、ああ、ああん」
浩介が、ぶすっと先っちょを挿し込み、沙織は、挿入された感じで、呻きの声を洩らします。浩介の息づかいが荒くなっています。ふうう、ふうう、ぶすっ、沙織のひろげた股の真ん中へ、浩介のモノが、挿し込まれます。
「ううっ、ああっ」
沙織は、くぐもった小声を洩らします。自分のモノを半分ほど挿し込んだ浩介が、沙織に覆いかぶさります。沙織の肩を抱いて、抱きしめます。
「ああん、ああん、先輩ぃ、いい」
沙織は、立てた膝をいっそうひろげ、太腿をひろげきり、浩介の勃起するモノを秘所に受けいれ、襞に密着させます。きっちり密着したところで、沙織の肩を抱いた浩介が、キッスをしてやります。ぶっすり、挿し込んだモノを、微妙に抜いて、腰を振る浩介です。沙織が呻きます。身体が浮いていく感じです。ぶすぶす、浩介の動きが早まって、射精するときになって、抜いてしまって手にしたスキンをかぶせ、そのままぶすぶす、スピードあげて、一気に射精してしまったです。

-13-
終わって、沙織は放心状態、裸のまま、膝を立て、膝をひろげたまま、ベッドに仰向いています。浩介は、沙織の横に座っていて、裸の沙織を眺めています。アカツキホテルで、休憩するため、とはいっても、セックスすることが目的です。浩介は、沙織とセックスしても、いまのところは先輩と後輩、セックスフレンドでいようと思っています。沙織は、アルバイト生活で、収入のこととか思うとき、結婚してもいいかなぁ、と内心は思っています。
<ああ、恥ずかしい、恥ずかしいから、みないで、先輩ぃ>
正気になって、ベッドからおり、床に散らばった下着を身につけだす沙織。浩介は、すでにブリーフを穿いたところです。
「きもち、よかった?、声だしてたよ、沙織」
白いブラジャーに白いパンティを穿いたところで、浩介が声をかけてきます。後ろ向きになっている沙織は、応えず、キャミソールを身に着けます。ワンピースを着ようか、どうか、迷う沙織に、ブリーフを穿いた浩介が、うしろから沙織の肩に手を置き、抱きよせます。
「どうしたの」
「どうしたのかしら、ああ、恥ずかしいんです」
沙織はうつむき、鏡に映る姿を、浩介は見るけど、沙織は目を伏せたままです。まだ時間はあります。まだ外は明るい昼間です。
「もっと、やりたい」
抱き寄せられた沙織は、うしろから浩介の囁く声が聞こえます。射精を終わった浩介ですが、まだ物足りないらしい。沙織も物足りない気持ちです。

「いいやろ、もういっかい、いいやろ」
「はぁあ、でも、ああ、だめです、わたし」
「ほら、まだ、これからやろ、好きなんやろ」
「いやん、だめです、そんなとこ、さわったらぁ」
うしろから抱かれて、キャミソールの裾から手を入れられてしまう沙織。ブラジャーを押し上げられ、乳房がこぼれ出ます。ぷっくら、沙織の乳房は先が尖っています。浩介が、沙織の手を後ろにまわさせ、ブリーフの上からですが、手をかぶせさせます。そうして左手で乳房を、右手で白いパンティのうえから、恥丘あたりに手を当てるのです。
「ああん、だめ、だめ、先輩ぃ、だめよ、ああん」
浩介が、右手で、自分が穿いているブリーフを太腿にまで下ろして、腰を裸にしてしまい、沙織に手を当てさせ直します。
「にぎってよ、ぼくのん、ぎゅっと、にぎってよ」
沙織に自分のモノを握らせながら、白いパンティのなかへ腰から手をいれ、その手を股のなかへまで入れ込んでやります。ヌルッとしている沙織の股間です。終えたあとにも滲み出てきている淫水で、濡れているのです。
「パンティ、下ろす、いいね、沙織」
「はぁあ、ああっ、先輩ぃ、ああん」
白いパンティ、お尻から抜かれて太腿のつけ根まで下ろされてしまいます。そうしてあらためて、浩介の右手が、股のなかへ挿し込まれてしまうのです。

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沙織には初めてのラブホテルです。オーケストラ部の先輩で、地方銀行に勤めている浩介に、誘われ、連れてこられたのです。そでに一回目の愛の交感が終えられて、二回目の交感になるところです。
「ぼくのん、咥えてほしい、沙織」
うしろから抱きついている浩介が、沙織をなぶりながら、耳元で囁きます。キャミソールにブラジャーを着け、白いパンティを太腿のつけ根にまで下ろされている沙織です。うしろから抱かれていたのを180度回転させられ、浩介と向きあった沙織。
「ええっ、先輩ぃ、ああっ、は、い、っ」
沙織は、浩介から肩を押さえられ、しゃがみこみます。パンティが邪魔、浩介が脱ぐようにしむけるので、脱いでしまいます。浩介はブリーフを太腿にまで下ろしていたのを、脱いでしまって全裸になります。
「ほら、見てもいいよ、見せてあげるよ、ぼくのやつ」
しゃがみこみ、足を横にのばし、おんな座りした沙織の目のまえに、浩介の腰です。眩い感じで、沙織、浩介のモノを、見てしまいます。
<ああ、先輩のん、ああ、おっきい、ああ、ぶっといぃ>
沙織は、顔をあげ、浩介の顔を見て、それから、腰から突き出る男のモノの真ん中を、右手で巻くようにしてやんわりと握ります。皮が剥けた先っちょが、握ったうえから飛び出しています。沙織は、ちょっとためらい、頭のうしろに浩介が手をあててきて、前へと押してきます。その勢いで、沙織、唇を先っちょにくっつけます。
「ううっ、あっ、ああっ、うううっ」
先っちょのくびれのところまでを唇にはさみ、握ったままの右手を、ぎゅっと腰へと押し込みます。唇にはさんだモノの、その下を口の中に頬張ります。

全裸で足をひらいて立っている浩介の、腰から突き出た男のモノを口の中に咥え込んだ沙織。遠い記憶、高校三年生の時、体育倉庫へ連れ込まれ、無理やり男のモノを咥えさせられた記憶が、脳裏によみがえってきます。
「うう、うう、ふぅうう、ううっ」
それとは違う、オーケストラ部の先輩、向井浩介のモノを咥えているのです。
「ああ、いい、いいよ、ああ」
浩介が、くぐもらせた声で、呻きます。沙織には、握らせた手を離させ、ビンビンに起つそれだけを、唇を使って、舌を使って、口のなかを使って、自在に操らせて、男のモノへ刺激を与えさせるのです。初めてのフェラだから、あまり強要はしません。慣れてきたら、唇を使ってハモニカ吹くように、舌を使って、根元から、裏をナメあげさせたり、そうして本番には、思いっきり快感を与えてやろうね、沙織。
「ほら、立って、ぼくが、してあげるよ、さあ、立って」
沙織を立たせ、浩介がしゃがみます。椅子に右足をのせ、股をひらかせます。キャミソールとブラジャーを着けた上半身ですが、腰から下は剥き身の裸です。浩介は、沙織を立たせたままにしておいて、股をひらかせ、そこへ顔をいれ、唇を女の秘唇にあてがって、舌でなめあげだすのです。
「ああん、あああん、先輩ぃ、ああああん」
立てている左足、膝がふるえている沙織。倒れそうになる沙織。立っているのが辛い沙織。
「ああ、座らせて、座らせてほしい、ああん」
右足を置いている椅子に、お尻を置く沙織。背凭れ椅子に座る沙織です。座った沙織の前に立つ全裸の浩介。沙織が纏っているキャミソールを脱がせ、ブラジャーをとらせて、全裸にしてしまいます。背凭れ椅子には仕掛けがあって、紐一本で開脚М姿に固定できるのです。でも、それは、初めてラブホテルに連れ込んだところだから、そこまでのことはしません。背凭れ椅子に向きあって座って、結合させたままで、裸体をまさぐりあうのです。

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背凭れ椅子の座る処は奥行きがこころもち深くて、背凭れは十字架に似せてあります。背凭れの横板にも立板にも、直径5pの穴が開けられています。でも、この穴は、いまは使いません。コンビニでバイトしている沙織は、全裸になって背凭れ椅子に座っています。ラブホテルの一室です。ダブルベッドがあり、ラブしファーがあり、丸いテーブルがあり、背凭れ椅子が置かれています。
「ああん、先輩ぃ、そんなに見ちゃ、恥ずかしいデス」
椅子に足を閉じて座った全裸の沙織を、じっと見つめている全裸の浩介。沙織は、美しい、と浩介は思います。柔らかい肌、ぷっくらの乳房、丸い臀部、ショートカットの髪の毛、黒い陰毛、どこをとってみてもビーナスの女体です。見惚れるには、この沙織がバイオリニストであり、ピアノも弾けて、大学では古典文学を学んできた才女が、なぜコンビニでバイトして、一人暮らしなのか、気ままに生きているんやな、と浩介は納得しています。
「ああ、先輩ぃ、あん、ああん」
浩介が、沙織が座る背凭れ椅子に、座ってきます。沙織の膝がもちあげられ、座部に浩介が向きあって座ってきます。膝の内側に浩介の腕がまわされ、背凭れの横板に手が置かれます。膝をひろげて、もちあげられた沙織。その前に座部を跨いで座る浩介。
「沙織、好きだよ、とっても、だよ」
浩介が、ラブする心を告白しながら、沙織の股へ、自分の勃起させたモノを、あてがいます。浩介の腰からお尻が、ぐっと前へ動かされ、浩介のモノが、沙織の処へ、挿し込まれだします。
「ああっ、ひぃいい、ああっ、先輩ぃ、いいっ」
ぶす、挿し込まれる感触に、沙織は、うわごとのような声を洩らしてしまいます。

背凭れ椅子に二人が向きあって座っています。沙織の背中が背凭れに密着、その沙織と向きあって浩介が座っています。沙織は、浩介の腕が膝内側から外側にまわって持ち上げられている格好。膝をもちあげた浩介の手は、背凭れをつかんでいます。
「あん、ああん、先輩ぃ、だめです、だめです、ああっ」
裸で向きあっている沙織の股の真ん中に、浩介の腰からの勃起ブツが、挿し込まれています。浩介が、挿し込んだ勃起ブツを、微妙に動かすのです。微妙に、腰を左右に、上下に、挿し込んだまま、動かすので、沙織には、微妙なうごめきが、からだのなかを振動させてきます。
「ああ、いいね、いいよ、沙織、いいよ」
浩介の腰と沙織の股間が密着されたまま、抱きあい、かるくキッスして、からだをまさぐりあいます。
「ああん、先輩ぃ、ああん、ひぃいい、いい」
「うううん、いいねぇ、きもち、いいねぇ、いいよぉ」
沙織が浩介の首に抱きつきます。浩介は沙織の脇腹から背中へ腕をまわします。上半身抱きあい、密着させた姿勢で、浩介が腰を引き、腰を前へ出します。勃起ブツが、沙織のなかで、抜けて挿されます。沙織は、こすられるその感触を、受け入れます。快感、何か知らないけれど、身体が内側から萌えてきます。快感、じわじわ、ぐじゅぐじゅ、得体の知れない快感です。
「あああああ、あ、あ、ああっ」
浩介よりも先に、アクメを迎えてしまった沙織。浩介を退けてしまって、深呼吸にはいる沙織です。終わって、ぐったり、沙織です。








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