えろす物語
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 17〜21 2021.12.20〜2021.12.24

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良一の腰を跨いで、股をこする体位は、幸子には初めてのことです。まだまだ慣れない、ぎこちない幸子ですが、腰を跨いで密着させるというやり方は、知識として、知っています。それが、良一の誘導で、そのことをすることになって、女のほうが動くので、気持ちのほうが変な感じになってきます。
「あん、ああん、ああああん」
お布団のシーツに膝から足首をつけ、お尻を浮かしている幸子は、ついつい、お声を洩らしてしまいます。全裸です。良一が双方の手を、幸子の双方の乳房にかぶせて、幸子を支えます。幸子は、良一の腕を手に抱いて、お尻を動かしやすくしています。
「いいよ、さちこ、いいよ、いいよ」
「はぁああ、りょういちさま、あああん」
幸子は、腰をあげ、お尻を浮かし、咥え込んだモノでなかをこすります。ぬるぬる、スムーズに抜いて挿せます。もう、気持ちがたかぶってきて、イッテしまいそうです。寝そべった良一は、微妙に腰を動かし、幸子の動きに合わせます。コンドームを用意していた幸子。それを使うことになって、良一に渡します。良一は、了解とばかりに、袋からとりだし、幸子にはお尻をもちあげ、抜かせて、かぶせてしまいます。
「ああ、さちこ、おおお、いれる、いれるぞ、おおお」
良一が狙いを定め、幸子にお尻を下ろさせ、うまく中へ入るよう、先っちょでまさぐり、ぶすっ、と挿し込みます。
「ああ、ひい、ああ、ひぃいい」
幸子が、甲高い声を洩らします。一気に根元までが挿入されたのです。

密着、ぐいぐい、幸子はだれから教わったわけでもないのに、ぐいぐい咥え込んだまま、腰をお尻を前後に動かしてしまいます。ぐいぐいぐい、良一が射精の気配をもよおしてきます。幸子には、その様子はわかりませんが、良一が、幸子の腰に左右の手をあて、ぐいぐいと動かすようにと仕向けるのです。
「ああ、いい、いい、りょういちさまぁ、ああっ」
「うう、おお、おお、うううううっ」
良一の身体がこわばり、ぐっとこらえているのが幸子に伝わり、幸子は幸子で、ぐいぐい、アクメに昇っていこうとするのです。気持ちいい、とろとろ、こんなの初めて、幸子、もう、唇を噛みしめます。良一が、射精、幸子は、根元まで挿し込んだままストップ、静止して、そのまま前へ倒れ込み、良一の胸に、自分の胸をこすらせるのです。まだ、抜かれていない良一のモノ、良一が腰を突き上げ、挿し込み、そうして抜いてしまって、跨いでいる幸子を、退けさせます。びっちょりですが、幸子は、その余韻のなかで、お布団に伏せってしまいます。良一の方が醒めるの早くて、後始末をして、裸の幸子を見てやります。幸子はぐったり、仰向きになって、良一になぶられます。なぶられるといっても、愛撫です。幸子も醒めてきて、お布団から裸体を起こし、乳房を隠すように、腕を胸に当てるのでした。

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良一が帰っていったあとは、幸子ひとりになります。源氏物語の話しを大学の講義で聴いている幸子です。自分の部屋へやってきて、愛をはぐくむ行為をして、未練たっぷりのなかで見送る。まるで光源氏が訪ねてきて、共に時を過ごして、帰っていく、そのようなイメージをいだきます。
<わたし、恋してる、そうなんや、これ、恋してる気持ちよ>
二畳の間のお布団のうえに良一が裸でいた姿を思い出します。良一の下宿している四畳半の部屋で、愛しあった不安と恍惚な時間。恋するといっても、現実には、身体を求めあうことになって、なにか悪いことをしているような気もしています。
<良一さんは、男前、ハンサム、賢い人、好きです、好き!>
次に会う日を約束してもらって、つながっている安心感で、幸子はルンルンです。次に会うのは一週間後の金曜日です。四条小橋のたもとに午後5時です。どうしょうか、良一の下宿へ行くことになるかなぁ、幸子は、男の下宿へ行くより、自分のアパートへ来てくれたほうが、いい気がします。でも、それよりも、ラブホテルのほうがいいなぁ、幸子は、いろいろと考え、妄想は膨らみ、抱きあうことがイメージされます。

四条小橋から宮川町の方へ行ったところに、葵ホテルがあります。初めて、良一に連れられて行ったラブホテルです。午後5時に待ち合わせ、珈琲亭で良一はコーヒーを、幸子はミルクティーを注文して、学校のなかでの話題とか、友だちの良子や貞子のこととか、良一はうんうんと頷いて、幸子の話を聴きます。途中で遮ったりしません、お喋り女子の話しを聴くことで、お喋り女子が満足するからです。食事は、ラブホテルから出てきてから、良一の頭の中は、幸子を前にして、裸の幸子を思い描いているのです。
「そうなのよ、りょういちさん、良子には、好きな男の人がいるし、貞子もそうよ」
「それで、さちこは、どうなの、さちこには、ぼくが、そうなの?」
うん、と首を縦にふって、そうなのよ、と意思表示したい幸子ですが、ちょっと、ためらっています。素直にうんとうなずけばいいのに、良一の顔を、放心したように、こころの中で好き好きするように、美しい顔つきで、見ているだけです。暗黙の了解とでもいうように、喫茶店を出て、葵ホテルへ直行するのでした。

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葵ホテルの一室は、ダブルのベッドがあり、椅子とテーブルがあり、小さな洗面台が設えてあります。お風呂とトイレはありません。寝屋の照明は天井からの全体を照らす蛍光灯、手元にスタンド、空調が利いていて、快適です。幸子は、久しぶりの葵ホテル、男と女が交わるために来る所です。
「さちこ、また来ちゃったよ、いいよね」
電気スタンドの光だけにした部屋。良一が、幸子を眺めまわします。幸子は、白地に黄や赤色の花柄ワンピース、生足にソックス姿です。背凭れ椅子の前に立っている幸子は、もう慣れたとはいえ、不安げな気持ちです。なんとなくバツがわるいというか、どうしたらいいのか、躊躇しています。
「うん、ああ、そんなに、見るめないで」
「椅子に座れよ、いいから、さぁ」
良一が、幸子を背凭れ椅子に座らせます。椅子の前には大きめの姿見鏡が張られています。良一が、椅子の後ろにまわります。後ろから、幸子をなぶろうとするのです。鏡に映る座った幸子。その後ろに立つ良一の顔が、鏡に映ります。

「あん、りょういちさま、わたし、ああっ」
うしろから、良一の手が、肩に置かれて、肩までの髪の毛をたくしあげ、耳たぶから首筋を露出させます。こそばい、幸子はゾクッとして、あとは良一にお任せです。
「あっ、ああっ、ああああん」
前ボタンのワンピース、良一がそのボタンを外しにかかります。首筋のボタンから順番にしたのボタンを外してしまいます。幸子は、外されるのを手伝います。白いキャミソールが露出されたところで、良一が、そのなかへ右手をいれてくるんです。ブラジャーの内側へ手を入れられ、乳房を右手のなかに包まれてしまう幸子。
「ボタン、はずしてしまったよ、さちこ」
耳元で囁かれる幸子。ワンピースの前ボタンが外され、インナーの白いキャミソールが、良一の左手でたくしあげられます。たくしあげられたキャミソールは、首から頭の後ろへまわされてしまいます。露出した胸にはカワイイ花柄ブラジャー、そのなかへ、良一の手が挿し込まれているのです。

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背凭れ椅子に座った幸子は、後ろに立った良一から、裸にされていきます。ブラジャーのホックが外されてしまうと、ぷっくらの乳房が露出です。葵ホテルの一室、ダブルのベッドがあり、テーブルと椅子がある、その椅子に座った幸子が、良一の手のなかにいるのです。
「あああ、りょういちさま、ああああん」
幸子の前に、うしろからまわった良一が、立ちます。立った良一が、幸子が着ているワンピースの裾を、めくりあげ、太腿の根元までを剥きだしてしまいます。白い太腿が露出してしまって、幸子は、乱れた服装に、羞恥の気持ちです。まだ花柄パンティを穿いています。その花柄パンティの、股の部分が良一には見えます。膝を閉じ、太腿をぴったし閉じている幸子。からだのちからを抜いしまう幸子。膝がゆるやかに開いてしまいます。
「あん、ああん、りょういちさま、ああん」
目の前の良一が、ズボンを下ろし、ブリーフを下ろしにかかります。ブリーフが太腿の真ん中まで下ろされて、男のモノが露出してしまいます。幸子は、もうピン立ちになっている良一のそれを見て、生唾を呑みこみ、目を伏せてしまいます。
「ほら、さちこ、ほら」
良一が、幸子の膝の間に右足を入れ、腰をぐっと幸子の顔に近づけます。幸子は、しっかり、良一のピン立ち男のモノを見つめます。見つめて右手でそれの茎をかるく握ります。ぐっと良一が腰を突き出し、幸子は、左手で良一の臀部を抱くのです。目の前、良一のモノ、幸子は、舌先で、首から先っちょへと、なめていき、先っちょの真ん中から滲み出る男の蜜をすすってしまうのです。

良一のモノをしゃぶりながら、良一の右手が、パンティのなかへ入れられてくるのがわかります。
「ううううん、はぁああ、あああん」
まだパンティを穿いたまま、ワンピースの胸がはだけられ、スカート部分がめくりあげられた幸子。良一が、幸子にパンティを脱ぐようにしむけます。幸子は、握って咥えているモノを手離し、お尻をあげ、穿いているパンティを、腰からおろして、尻から抜いて、太腿へとおろしたのです。
「はぁああ、りょういちさま、ああっ、だめ、ああっ」
良一が、太腿にまでおろされたパンティに手をかけ、そのまま膝を抜き、足首までおろし、右足を抜いてしまいます。腰から下が裸になった幸子。背凭れの椅子に座ったまま、良一が、幸子の前に立膝でしゃがみます。左右の手の平を、幸子の膝の左右にかぶせ、横へ45度ほどひろげてしまいます。良一の目の前に、幸子の股がひろがります。恥丘に生える黒毛のした、股には幸子の性器があります。まだ唇を閉じています。幸子は、ワンピースを着たまま、裾をめくったお尻は、座部についたまま、少し前へずらされてしまいます。
「うううん、さちこ、ほら、あし、ひらいて」
「ああ、りょういちさま、ああ、ああん」
幸子の膝が、背凭れ椅子の座部を跨ぐ格好で、乳房を露出させたまま、股間がひられているのです。

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葵ホテルの一室、幸子は良一と一緒に、このラブホテルへ来ています。部屋にはダブルベッドとテーブルに背凭れ椅子があって、幸子は、いま、背凭れ椅子に座っています。半裸にされている女子大生の幸子。花柄ワンピースの前がひろげられ、白いキャミソールをたくしあげられブラジャーのホックが外されて乳房が丸出しです。
「ああっ、りょういちさま、ああっ」
めくりあげられたスカート部、腰から足元までが裸の幸子。膝をひろげて、お尻をまえへずらせたので、股が斜め上むいています。そこへ良一が顔をつけ、唇を、幸子の縦割れ唇につけます。そうして良一の、唇と舌が、幸子の縦割れ唇を割ってひろげ、舌先でちょろちょろとなめだしたのです。
「ああん、だめ、ああ、いい、ああ、いいわぁ」
背凭れ椅子に座って股をひろげた幸子へ、良一の右手が乳房へもちあげられ、たぷたぷ、ぷっくら、左右の乳房を交互に弄ります。股にくっつけた唇は、縦割れの唇のうちがわを、なめあげているのです。半裸とはいえ、感じる処を手と唇でなぶられる幸子。良一は、下半身裸です。

良一が、幸子の座った椅子に、向きあって座ります。背凭れに背中をつけた幸子。座部の後ろ半分が幸子のお尻、前半分に良一が座るのです。
「さちこ、いれてあげる、わかるやろ、いいね」
良一が、腰からの勃起ブツを、幸子の縦割れ唇のなかに、挿し込み、密着させてしまうのです。密着させたまま、幸子の上半身を愛撫して、弄ってやるのです。幸子の手は、良一の背中へまわして抱く格好。
「ああ、はっ、ああ、ああっ」
良一が挿し込んできて、幸子が顔をこわばらせ、ハスキーな声を洩らします。そこへ良一がキッスをしてきます。幸子の唇をふさいでやり、股の唇にもふたをします。幸子、下からと上からの刺激で、女体のなかが、萌えだします。身体をくねらせてしまいます。キッスされたまま、双方の乳房を、良一の両手でなぶられます。それに、きっちり、良一の勃起ブツを挿入されているのです。幸子、みずみずしいからだです。とろとろ、股を濡らしてしまいます。
「ううっ、うっ、うっ、ああああっ」
良一が、臀部を、後ろに引き前へと動かします。幸子のなかを、こすってやるのです。もうヌルヌルになっている幸子のそこを、良一のモノが、こすって、こするのです。幸子、のぞけって、そのモノを受けいれ、快感にほんろうされてしまうのです。







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