えろす物語
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 9~16 2021.12.12~2021.12.19

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幸子が借りているアパートは、金閣寺の近く、静かな住宅街の一角にあります。行楽アパートの一階、奥まったところ、四畳半と二畳の二部屋、それに水回りが二畳のひろさです。良一が部屋に入るのをためらいますが、せっかく送ってきてくれたのだし、別れるのもなんだし、と部屋のなかへ導き入れます。
「さちこの部屋って、きれいな部屋やん、ピンク系やね、かわいい色やん」
良一は、関係を結んだ女子の住まうところへやってきて、女子の部屋を見わたし、清潔に整頓され、かすかに甘い香りがするのに、めまいするくらいです。和室です。畳のうえに薄いベージュのカーペットが敷かれています。隣室二畳の部屋は寝室として使っている幸子。見られたら恥ずかしいから襖を閉じて、四畳半とはいっても机とか鏡とか、調度品をおいているから、平面は三畳ほどです。
「お茶、いれるから、まってて、ね」
幸子は、良一が部屋へ入れたのは、それは予想外のことでした。もう数時間も前、まだ数時間しか経っていない今、処女をあげた良一のことを、大切な人だと、思っています。初めての男子、からだをあけわたした男子、特別な人になった向井良一。炊事場は床です。隣接してお風呂と洗面トイレです。たまたまもらった緑茶があったので、それを湯飲み茶碗に入れ、良一がいる部屋へ戻ってくる幸子です。まだむず痒いような感覚が残っている股間を意識しながら、幸子は、良一に、お茶を勧めるのでした。

幸子の部屋、三畳の広さに、60㎝四方木製のちゃぶ台です。カーペットが敷いてあるから座布団はありせん。
「うん、ああ、さちこ、もういっかい、ここで、したいんだけど」
良一が、なかば強引な感じで、幸子に、おねだりしてくるのです。幸子は、ピンときて、彼が、自分のからだを求めてきていることを察知します。ちゃぶ台に湯飲み茶碗が、カタカタと揺れて音がします。座った良一の横に幸子が横座りしています。抱きあって、ちゃぶ台に腕がふれて動いたのです。
「ああん、うううん、わたし、ああ、ああん」
静かな幸子の部屋、天井からのサークルライトが眩しいです。ちゃぶ台を前にして、良一が左で幸子が右です。外出から帰ってきて、まだ着替えていない幸子の、赤いセーターの裾から、良一が左手を入れてきます。幸子は、良一の右腕に肩を抱かれ、寄せられています。幸子は、顔をあげ、良一がキッスしてくる気配に、目を閉じます。セーターのなかへ入れられた手が、スリップをたくしあげ、ブラを上にずらして、乳房を触ります。
「ふぅううう、う、う、ううっ」
幸子は目をつむったまま、唇の感触と乳房を弄られる感触に、なにかとろとろのものが、からだのなかでうごめきます。セーターがめくられたまま、良一の手は、足をずらし横に流している幸子を見ています。膝がスカートからめくれていて、太腿の半分ほどが、良一に見えます。幸子はもう、その気になっているのです。ホテルでは、前戯なし、キッスしたまま、裸にまでなって、少し絡んで、交合したけれど、それはぎこちない幸子には初めてのことでした。良一は、もういちど、ここで、幸子と絡みたいと思っています。ズボンのベルトを外し、前をひろげ、ブリーフを露出させ、あぐら座りの格好で、幸子を半裸にしてしまうのです。

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四畳半と二畳、二間ある幸子の畳部屋。二十歳の女子らしく、おおむねピンク系でまとめた部屋は温かいです。お茶を用意しているあいだにストーブをつけておいたので、裸でも寒さを感じない温かさ。
「うん、ねえ、さちこ、やわらかいね、あたたかいね、おっぱい」
「ああん、だめ、そんなこと、いわないで、ああっ」
乳首をつままれ、ぎゅっと力をいれられ、揉まれてしまう幸子。ことばではなくて、ピリピリというよりジンジンといった感じの刺激が、身体のなかに沁みこんできます。肩を抱かれていたのに、抱かれた腕が首から前へ下ろされます。幸子の乳房を、良一が右手でなぶってくるのです。良一の左手が、スカートをめくりあげ、パンティのうえから、股をなぶりだすのです。
「いいね、さちこ、すきだよ、さちこ、ぼくのを、にぎって、おくれよ」
ズボンを膝のところまで下ろして、ブリーフを太腿のつけ根にまで脱がせた良一です。男のモノがにょっきり。これを幸子の右手に握らせます。
「ああん、うううん、あん、あん、あああん」
幸子がうわずった声を洩らしながら、右手に良一のモノを、握っています。良一は、乳房をまさぐりながら、股間に入れた左手の指で、パンティの股間の布をめくって、じかに触ってやるのです。幸子は良一のモノを、良一は幸子の処を、直接に触りあいになるのです。
「やわらかい、おっぱい、やわらかい、おまた、いいね、いいよ」
「ううん、ああ、だめ、そんなこと、いや、いやん」
ちゃぶ台を前にして、幸子は、良一に横から抱かれて、お悶えがはじまります。まだ、洋服は身につけたままです。セーターは胸上までめくられ、スリップとブラジャーもたくしあげられているので、乳房が露出です。スカートが太腿の根元にまでめくれ、太腿をひらいていています。白いパンティの股布が、良一の手で退けられ、縦にわれる唇が、みえています。

幸子の部屋、大学に進学してきて、実家からは通えないので、下宿ではなく、アパート住まいです。母親が来ても泊まれるようにと、四畳半と二畳の部屋ふたつ、女子大生にしてはリッチな住まいです。
「あん、ううん、はい、ああ、うん」
幸子は、良一のモノを握って、それを見てしまいます。じっくり見るのは初めてです。自分の顔で陰になった良一のモノ、握った感触は、柔らかいようで硬い感じです。良一が頭を押さえてきて、幸子は本能で、握ったモノの先に唇をつけます。柔らかい先っちょは、先走りの蜜で濡れていて、幸子、唇で拭きとる感じで、その頭を咥えてしまうのです。
「うん、うん、さちこ、いい、いい、いいよ」
良一は、初めてのフェラチオに、心を揺さぶられます。幸子の股間の柔らかい処を、良一の指がまさぐります。しっとり、ヌルッと濡れた幸子の其処を、良一はラブホテルのベッドの上で、眺め見たけれど、もっと見たい衝動に駆られます。幸子は、初めて見る感じの勃起した男のモノに、愛着というか奇妙な魅力を感じるのです。
「ああん、りょういちさん、ああ、ああん」
幸子は、良一からの抱擁を解かれ、ちゃぶ台のよこ、カーペットのうえに仰向き、寝かされます。パンティを脱がしにかかる良一に、幸子はお尻をもちあげ、足を閉じて伸ばして、脱がされてしまいます。スカートはめくれて、お臍の下から足先までを剥かれてしまったのです。良一が、ズボンとブリーフを脱ぎ、下半身を裸にし、幸子の膝をひろげさせ、持ちあげさせて、その間にはいります。股の恥丘にはえる黒い茂みに、情欲をおぼえてしまう良一です。
「ううっ、ああっ、あっ、あっ、ああっ」
覆いかぶさってきた良一から、脇から背中に手を入れられ、ブラのホックを外され、乳房を露出されるのです。赤いセーターと白いスリップを、首下までたくしあげられます。白い肌、ぷっくら膨らんだ乳房、干し葡萄のような乳首、良一は魅了されてしまいます。スカートをめくりあげられ、恥丘から双方の太腿をひらいたところに目を落す良一。黒い茂みの下部、縦にわれる唇、ふくらみながら閉じている唇に、しゃぶりたくなる情欲を、わかせてしまう良一です。

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幸子の部屋へ、なかば強引にはいりこんだ良一です。幸子に初めての体験をさせ、そのままでは別れ辛く、金閣寺の近くまで送ってきて、やっぱり別れ辛くて、アパートの部屋へまできてしまったのです。幸子は、からだの関係を結ばれて、国立大学法学部二年生向井良一への羨望と好意を、恋心にまで深めていたところでした。アパートの前まで連れだってきれ、良一が別れようとしないので、初心で人扱いをしらない幸子は、躊躇しながらも部屋へ招き入れたのでした。
「はぁあっ、はぁああん、あああん」
仰向いてしまって、太腿をひろげ、膝を立てた幸子は、良一がその敏感な処に唇をつけてきたことに、わけのわからない恥ずかしさを感じるのです。ぺちゃ、ぺちゃ、なにかしら、良一が音を醸します。幸子の耳にその音が聞こえます。うずうず、こそばいような、感覚がからだのなかへ沁み込んできます。
「うん、うん、いい、いいね」
良一が、唇を股間から離して、顔をあげ、幸子へ、囁くのです。そうしてからだを乗り出させる良一。左の手を幸子の股にあてこみ、右の手を右乳房にかぶせ、その乳輪ごと唇をあてつけ、舌で乳首をなめころがすのです。幸子は、無防備、腕をひろげ、なされるがままです。股間をなぶられる感覚は、痒いところを掻いてもらうような鈍くさい感じです。むしろ乳首を吸われ、舌で刺激されるほうが、直接な刺激なって、ぴりぴりと感じるのです。
「ああん、りょういちさん、ああ、ああ、ああん」
「いいんだろ、さちこ、気持ちいいんだろ、いいんだろ」
「はぁあ、ああっ」
「いいんだね、さちこ、乳首、揉んでやるよ」
股間には手の平を押しつける感じのまま、乳首を唇にはさんでモミモミする良一です。

幸子は、良一が、硬く大きくさせたモノを、挿し込んできて、やっぱり痛みを感じます。鈍い痛みです。でも、最初のときほどの痛みではなくて、むず痒いところを掻かれるほどの痛さです。良一は、まだ腰を早くは動かしません。幸子にかぶさったまま、ゆっくりと、挿しこみ、半分ほどで止めます。ゆっくりと抜きます。先の柔らかい処だけ、幸子の其処に残したままで止めます。幸子が、歯を噛みしめて堪えています。良一に抑えつけられる格好で、腕を横にひろげ、顔を左右に揺するんです。
「ああっ、はぁあ、ああっ」
「ほうら、さちこ、しんぼうして、いたいのはさいしょだけだよ」
「はぁああ、りょういちさん」
「ううん、どうした、さちこ、いいんだろ」
「はあっ、はあっ、はぁああっ」
ゆっくり根元まで挿し込まれてしまって、幸子は、か細いかすれたような声であえぎます。挿入されてきて、拡げられてきて、その圧迫感にからだをこわばらせます。快感には思えません。からだの奥が、圧迫される感覚です。密着している男と女、その一点に、幸子の意識が集中します。破られてい身体、掻きまわされる身体の奥、幸子は、からだをひろげきり、太腿をひろげきり、足指にぎゅっと力を込めて、なかば泣き出しそうに、涙が目に溜まります。
「ううっ、うっ、うっ、ううっ」
幸子はからだを硬直させ、それからからだを解きほぐしてしまいます。スキンをもってないので、良一は、挿し込んでいるモノを、抜いてしまって、手の平に射精してしまったのです。

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良一が、ついに部屋にあがりこんで、からだの関係を求めてきて、幸子が、その欲求を拒否しなかったことが、良かったのかいけなかったのか、答えを出せません。あのとき、次に会う約束をしないままに良一が帰っていったのです。あれから一週間が過ぎて、どうしたことか、幸子は、良一の、教えてもらった住所を探しにいきます。熊野神社の近く、八ッ橋の本店から東へ、と地図にはそうなっています。探していくと、良一が書いた住所地、良一が下宿している家がありました。二階へあがる階段があり、あがるところに名札があり、そこに201向井という名前がありました。
<201号室、きっとそうだわ、りょういちさん>
幸子は、嬉しくなってきたけれど、ここまで来てしまったことに、後悔の気持ちもありました。二階へ上がり、廊下になった手前が201号、トントンと木のドアをノックする幸子。少し間があって、ドアが開けられ、良一が顔をのぞかせたのです。幸子は、もうドキドキ、目がくらむくらいに頭の中真っ白、良一が、ビックリして、ええっ、幸子、幸子やん、と声をあげたのです。
「どうしたの、来てくれたの、びっくりだよ、さあ、入りよ」
良一の下宿の部屋は四畳半だけ、廊下側の窓辺にガスコンロがあり、流し台があり、一応は調理できる設備はありました。幸子は、ドアから畳部屋にはいりところで靴を脱ぎ、畳のなかへはいります。窓は木枠が桟になったガラスです。粗末なペラペラカーテンです。布団が敷かれたまま、大きめの勉強机があって椅子があり、勉強するには、これくらいの大きさがいるのです。壁面には本棚が並んで在り、法律関係の書籍が並んでいます。文学の本もあり、カバーがかけられた背表紙がわからない本もあります。男の部屋、幸子は、殺風景な男の部屋へ、来てしまったのです。

男の部屋にやってきた幸子は、ちょっと戸惑いながら、畳の上に座ります。正座から尻を畳に着けて足を右にながした格好です。良一にしても、まさか幸子が訪ねてくるとは、思いもかけないことです。
「このまえ、次に会う日を決めなかったから、やってきたんです」
少し肌寒い良一の部屋、幸子は、来たのがいけなかったかしら、と思いながら押しかけてきたことに、後悔はありません。
「そうやったね、次、もう、会ってくれないかと思ったから」
「うううん、そんなことないのに、手紙書こうかしらと思ったけど」
良一が、電気のストーブにスイッチを入れます。ストーブの横棒が赤くなってきて、熱を出してきて、明るく輝きます。
「ぼくは、幸子に、会いたかったけど」
時間は未だ五時過ぎです。夜のとばりが降りるまで、まだ少し時間があります。この前と同じ赤いセーターを着た幸子。スカートもこの前と同じです。可愛いい、チャーミング、髪の毛が後ろで束ねられていて、耳たぶがくっきり、首すじがハッキリ見えます。女子大一年生の幸子に、良一は、情欲をわかせます。生唾を呑み込み、襲ってやりたい衝動です。良一は後ろに座って、幸子を、抱き寄せます。幸子は、やや後ろに反り返り、良一の胸に肩をつける格好で、抱かれてしまったのです。
「いいんやろ、ここに来たから、したいんやろ」
良一が後ろから抱いたまま、幸子の顔をねじらせ、キッスしてきます。幸子は、会えた嬉しさもあり、不意打ちのキッスに応えてしまいます。
<ああ、だめ、だめです、りょういちさん、そんなつもりじゃありません>
「うう、ううっ、ううっ」
良一は、ここぞとばかり、獲物を逃がしはしません。赤いセーターの裾をめくりあげ、スリップをめくりあげ、上半身、ブラジャーを着けたまま、上から手をつっ込んでしまいます。幸子は、唇と乳房を奪われてしまったのです。

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四畳半の畳部屋は狭いです。カーテンが引かれた窓辺に机があり椅子があります。壁面には本棚があり、収納ボックスがあります。土壁で柱がむき出しの和室です。畳一枚半ほどが動けるスペースです。幸子の目の前は机と椅子。その横に縦長鏡が立てかけてあって、良一には、幸子の姿を映して見れます。ストーブの熱が部屋にひろがり、暖かい感じです。ブラジャーのホックが外され、幸子の胸が露出します。
「あん、いやん、だめ、だめ、いやん」
別に拒否するわけではないのに、拒否の言葉を発する幸子。良一が、幸子を仰向かせて膝に乗せ、露出した乳房に唇をつけてしまいます。
「あん、あん、ううっ、ああっ」
あぐら座り良一の、太腿に仰向いてしまった幸子。足を投げ出し、合わせた膝が乱れています。良一は、まだズボンもセーターもつけたままです。乳房の乳輪から乳首を口に含んで、吸い上げてやります。幸子は、目をつむっていて、良一が為してくる刺激に、うずうずしてきます。
「ああん、だめ、だめ、ああん」
スカートの裾がめくりあげられます。白い柔肌、太腿が露出されます。めくりあげられ、パンティを露出されてしまいます。幸子には、されている自分の姿格好がみえないけれど、抱いている良一には、パンティを着けたその奥に、幸子の秘部が隠れていると思わされるのです。

良一は、幸子を剥いてしまうまで、福を脱がないでいこうと、思っています。自分の手元にやってきた女子大生の幸子を、思う存分弄んでやろうとの魂胆です。すでに処女を失った幸子です。良一に初体験せてもらって、もう、忘れられない男性になっています。
「うう、ああ、ううううっ」
パンティが脱がされ、セーターとスリップとブラジャーも脱がされてしまった幸子。畳の上に仰向きに寝かされ、スカートが腰にまつわりついているだけの裸です。良一が、幸子の足元へ移ります。幸子の足首をひろげさせ、膝を立たせます。良一は、幸子がひろげた足の間に座ります。幸子はḾの姿です。良一が、幸子の膝をもっとひろげさせます。秘部がまる出し、丸見えです。幸子、太腿を120度にもひろげられてしまいます。
「いいね、幸子、よく来てくれたね、うれしいよ」
良一は、幸子をスカートだけ残しての裸に剥いて、自分が穿いているズボンとブリーフを、脱いでしまうのです。
「うううん、りょういちさん、わたしを、すきにしてください」
「うん、うん、幸子、好きにしてやるから、ほんとだよ」
良一は、愛好しているSM画像の顔を幸子に置き換えて妄想してきました。ひょっとしたら、幸子は、受け入れるかも知れないと、良一の妄想が現実となってきます。

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女子大生の幸子は、訪ねやってきた良一の下宿部屋で、交合する羽目になっています。女がひとりで、男の下宿先を訪ねるということが、何を意味するのか、初心な幸子には、わからなかったといえばわからなかったのです。もう、幸子は、良一に着ているモノを脱がされ、スカートだけ穿いたままです。仰向き、太腿をひろげ、膝を立てる格好で、おもわす幸子は恥ずかしさに目覚めて、顔を手でおおいます。良一は、準備完了、あとは幸子のからだで、自分の欲求を満足させるだけ。
「ああっ、ああん、りょういちさん、あああん」
幸子の股に、良一のモノが、挿入されはじめたのです。痛みは、あまり感じなくなった気がする幸子。でも、まだ、慣れていなくて、されるがままなのです。良一は、これまでにも軟派して、女子と共にした経験がいくつもあるので、慣れたものです。ぐっと挿し込んで、幸子の胸元に覆いかぶさります。腰だけを動かすのです。良一は、無言で、幸子を、獲物にしていきます。
「ああ、ううん、うっ、うっ、ああっ」
仰向けになっている幸子の腰に、良一の枕が入れられます。幸子の腰を持ち上げさせ、臀部を持ち上げさせ、股間がカーペットから浮き上がらせるのです。男のモノを女の処に、挿入しやすくするための策です。幸子は、目を覆ったまま、されるがまま、身体の奥が変調してくるのがわかります。
「ううっ、ああん、あん、あん、うううっ」
音になるかならないかのヒイヒイ声で、幸子が、呻きます。良一は、ゆっくり挿して、ゆっくり抜きます。ぎゅっと締めつけてくる幸子の感覚に、快感を覚えます。

男が避妊のためにつけるスキンを、良一は、薬局で買い求めていました。机の引き出しに仕舞ってあるので、それを出し、手にします。幸子には、そこまでわかりません。幸子から抜き去り、自分のモノにかぶせおろして、ふたたび幸子の処へ、挿し込んでしまうのです。最初ギスギスしていた幸子の其処は、もう滑らかになっています。あふれんばかりの幸子の蜜が、良一のもモノをよろこばせます。
「はぁっ、はぁっ、あああっ」
良一のモノで、こすられている幸子が、声を洩らします。ぐっとこらえているのが男の良一です。でも、射精が近づくにつれ、声を出してしまいます。
「おお、ああ、幸子、おおおおっ」
そんなに大きな声ではありません、呻くのです。ぐっとこらえていたのに、おもわず声を洩らしてしまう良一。その呻きに呼応するように、幸子の呻く声がかさなります。
「あん、あん、ああ、ああ、ああっ」
「ううん、いいやろ、いいんやろ、気持ちいいんやろ」
「ううっ、うう、うう、ううううっ」
幸子が、足を膝を、太腿を、思いっきりひろげてしまいます。良一が、幸子の秘部へ、男のモノを挿し込み抜いて、挿し込み抜くのです。そうして引抜き、スキンをかぶせ、そのまま幸子の処へ、ぶすっ、ぶすぶすっ、と挿し込み、蠢かせて、射精してしまったのです。

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幸子が大学へ講義を受けに行くと、教室に、仲良し友だちの良子がいて貞子がいました。まえに三人で喫茶店でお茶していたときに、三人組、男子が軟派してきて、三人と三人だから、それぞれがペアになって、幸子は良一とペアになって、何度か会うようになったのでした。良子は、ペアになった男子とは気持ちが合わなかったといってそのまま別れたといいます。貞子は貞子で会って何回目かに身体を求めてきたので、断わりそこで終わったといいます。幸子だけが、ある種強引な良一に惹かれていって、身体を交わらせる関係にまでなっているのでした。
「うん、うん、幸子だけ、まだつきあってるのね」
「そうよね、彼と、いい関係なんでしょ、話してよ、彼のこと」
「関係、なんて、してないけど、でもね、同伴喫茶って、行っちゃったのよ」
幸子は、もうお互いに、住んでいる部屋を訪問しあっているとは言えなくて、二人だけになれる同伴喫茶のことを、話しだすのです。
「おさわりされちゃて、ね、わたしは、うっとり、しちゃったのよ」
「ねえ、ねえ、教えてよ、どこを触られたのよ、幸子」
「どこって、秘密の処よ、わかるでしょ」
「そうなの、触れっぱなしで、幸子は触らなかったの、男の秘密の処」
学校の明るい講義室、幸子は、赤面してしまいます。下ネタの話題は、いつも楽しいし、心が温かくなってきて、お濡ししてしまうこともあります。良子も、貞子も、もう男子との交渉は経験済みだけど、今はいなくてセックスフレンド募集中です。

良一が幸子の部屋を訪ねてきて、抱きあい始めたところです。
「はぁああ、りょういちさま、あああっ」
「うん、うん、さちこ、いい匂いだよ」
「ああん、りょういちさまこそ、ああ、男の人の匂いね」
おたがいに、からだをまさぐりあう、ふたりです。幸子の部屋は四畳半と二畳の部屋があり、二畳の間は寝床にしています。抱きあったあと、幸子の寝床に良一が入り込み、幸子を布団のうえに寝かせて、絡みあうのです。お布団を敷いてあると、部屋そのものがお布団になり、畳の処は、お布団の横50㎝ほどです。和室で、木枠の窓が畳から60㎝のところで窓です。窓にはカーテンがかけられていて、閉められていて、窓の外は見えません。
「ああん、りょういちさま、ああああん」
「温かいね、さちこのからだ、いいにおいやね、さちこのからだ」
スリップとブラジャー、パンティをつけた幸子が、お布団に寝ます。良一はブリーフだけのすがたです。良一が横たわった幸子のスリップを首下にまで引き上げ、ブラともに脱がしてしまいます。幸子はパンティだけ、露出させた乳房を良一が揉んできて、唇を乳首につけてきます。
「ああん、あん、あん、りょういちさまぁ、ああん」
良一が、幸子の肌を撫ぜてやります。乳房から首筋、うなじから耳たぶ、腰から下はパンティ穿いたY処には触れず、太腿から膝の表と裏を撫ぜてやります。乳房を裾から手で押し上げ、揺すったり、揉んだり、乳首か唇を離した良一が、乳首を指に挟んで、揉んでやります。幸子は、愛撫されながら、良一の腰をまさぐり、ぷっくら膨らんだものを、ブリーフの前の割れ目から突出させて握ります。

-16-
幸子の四畳半は、女子の部屋らしく鏡台には赤い柄の布がかぶせてあります。木枠の窓のカーテンも淡いピンクの色です。勉強机は座敷机と共用で、そこで食事をしたり、お勉強をしたり、多目的な机です。良一が訪れてきています。幸子は、薬局で買ったコンドームを小物入れの引き出しにしまっています。良一と、関係するようになって、避妊のことを思うようになり、恥ずかしかったけれど薬局のおじさんに言って、買ってきたのでした。畳二畳の部屋を寝室にしている幸子。お布団は花柄ですが、白いシーツで包んでいて、上布団はやっぱり赤系の花柄、それを白い布団カバーで包んでいます。
「はぁ、ああっ、りょういちさま、ああっ」
パンティだけの姿になって、仰向きに寝た布団の上の幸子。良一が、乳房から腰、太腿から膝、幸子を愛撫しています。良一はブリーフを脱ぎ、全裸になって、幸子の横に寝そべります。幸子に、腰からピン立ちになったそれを、握ってもらうのです。握ることには、少し慣れた幸子です。右手をかるく巻いて、それを握ってあげます。握ってあげて、そのまま右手を腰へと下ろしてあげます。
「さちこ、いいよ、くちをつけて、おくれよ」
仰向いている幸子が、言われるままに横向きになり、少し下がって、握ったモノの先を唇にはさんで、そのまま顔をぐっと下げ、握っている手を離し、口の中に咥えこみます。半分まで咥え、根元を三本の指で挟み、固定させ、口と指でたっぷりと愛情を注ぎます。

幸子は、狭い部屋の自分が睡眠する布団に、良一をみちびきいれ、男の愛をむさぼります。パンティを脱いで、全裸になる幸子。二十歳の裸体は、硬くて柔らかい、みずみずしい肌です。良一は、全裸になった幸子に、腰をまたぐようにうながします。
「うん、ああ、いれる、わたし、ああん」
幸子は、恥ずかしいと思いながらも、仰向いて寝た良一の、腰を跨いで、右足膝立てして、良一のモノ、その先っちょの柔らかい頭を、真ん中にあてるべく、まさぐるのです。
「あっ、いいっ、ああっ、ああん」
良一の勃起したモノを、ぶすっと挿入したとたん、幸子は、その感触にくぐもった小声を洩らしてしまいます。良一は、上半身を立て、腰を跨いでくれた幸子を、愛しく思います。良一は、幸子の裸体が、倒れないように支えるために、両手を双方の乳房にかぶせます。幸子のなかに入った自分のモノが、密着していて、ヌルッとしていて、それにも増して幸子が呻く声を耳にして、ついつい腰を揺すってやるのです。
「ああん、あああん、りょういちさま、あああん」
幸子は、良一の腰を跨いで、股間を腰に密着させ、根元まで挿し込んだまま、腰から臀部を左右に、ゆすり動かします。
「ああ、いい、いい、とっても、ああっ」
幸子が、跨いだ良一の腰のうえで、くぐもった悶える声を洩らして、快楽をむさぼります。
「抜いて、ストップして、うう、そうそう、ストップ」
「あん、ああん、ストップ、ああっ」
「挿して、ほら、挿しておくれよ、さちこ」
抜いていた勃起硬モノを、幸子は、いわれるままに、腰を下ろし、根元まで挿し込んでしまいます。もう、びっちょり、そこヌレヌレの幸子です。







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