愛欲の部屋
 第一章-2-
 7〜12 2019.8.25〜2019.11.9

-7-
白いショーツを穿いただけの裸になった裕子を、高梨が抱いてきます。フェラしていた裕子の濡れた唇に、高梨が唇をあわせてきます。
「ううっ、ふぅううっ、うううっ」
裕子も高梨も立ったままです。裕子は目をつむり、高梨が挿し入れてくる舌に、舌を絡ませます。軟体動物のような男の舌の感触です。なんども味わう感覚ですが、挿しいれられ、舌の半分以上を絡ませると。もうからだがとろけていきそうな感じです。
「ふぅうううっ、ううっ、うううっ」
舌を絡ませながら、おっぱいを触られてきて、男の手に裾からつかまれ、絞り上げられる裕子。乳輪を浮き上がらせ、乳首を突起させる男の手。高梨は、キッスを解き、顔を降ろし、裕子の左乳首に唇を挟みます。
「はぁあ、ああっ、先生、おっぱい、ああ、ああっ」
裕子は、立ったまま、瞑っていた目を少しあけ、うつろになった唇から、乳首を揉まれる感触に、からだを揺すらせてしまいます。
「ああっ、ああ、ああ、ああっ」
乳首を吸われた唇で、もみもみされる裕子は、右手を高梨の肩におき、左手を降ろして、半勃起のちんぽを握ります。
<ああ、せんせいのちんぽ、ああ、せんせいのちんぽよ、おちんぽぉ>
乳首からの刺激を体内に沁みこませる裕子は、高梨のちんぽの陰茎を握ってモミモミしながら、心の中で小さくさけびます。裕子と高梨は立ったまま、抱擁します。手は、おたがいの、性器をまさぐります。
「ああっ、先生、でんき、暗くするから、ああっ、先生ったらぁ」
「裕子ぉ、柔らかいおっぱい、いいねぇ、裕子ぉ、おおっ」
「いやぁああん、先生、おっぱい、いやぁああん」
「でんき、スポットに切り替える、わかったよ、切り替える」
高梨は、いったん裕子との抱擁を解き、壁のスイッチを切り替え、すぐさま裕子を抱いてしまいます。
「あっ、あっ、ああん」
高梨が、唇で裕子の乳房をまさぐりあげ、乳首を唇ではねあげながら、右手を裕子のショーツのなかへ入れます。臍のした、ショーツのヘリから下へいれ、隠れた陰毛をまさぐります。
「ああっ、いやぁあん、いやぁああん」
高梨が裕子の股のなかへ、陰毛をまさぐったあとの指を、いれてしまうのです。腰をゆする裕子。柔らかい女の股間の感触を、手触りで味わう45歳、高梨教授です。高梨は、裕子を全裸にする前に、ショーツだけを穿かせておいて弄るのが好き。もう一段、情欲をステップアップさせる、ムラムラ気持ちをエスカレートさせられるからです。
「裕子、好きだよ、好きだ、うそじゃない、ほんとうだよ」
「ああん、先生、わたしも、先生のこと、好き、ほんとうよ、好きですぅ」
25歳の才女三杉裕子の素顔です。ぷっくら膨らむ乳房、すぼむ腰、丸みを帯びる臀部。それに太腿の肉付きは柔らかくて弾力がある若い女の肌です。ショーツは穿かせたまま、裕子から離れた高梨は、旅行鞄をつかったお道具箱をひらけて、3mの太い白紐をとりだします。お道具箱には愛のプレーに使うエッチな道具が、詰められています。ここは裕子のワンルーム。六畳の部屋は狭い愛の巣。若い女子の持ち物が置かれた裕子部屋です。
「いいんだろ、裕子、いいねぇ、裕子」
「はぁ、はい、先生、ああ、わたし、ああっ、いっぱい、して、おねがい」
裕子の顔色は、喜悦を受け入れる表情です。高梨は、この白い紐で、裕子を縛ってやるのです。裕子はまた、そのことを望むかのように従順に、なされるがままになるのです。

-8-
柔らかく編まれた白紐は3mの長さです。ショーツだけの裸体で立っている裕子の首後ろに真ん中をおいて首筋から前に垂らす高梨の手です。
「ああっ、先生、ああん、きついのしたら、だめよ、柔らかくしてね」
「うんうん、裕子のおっぱい、ぷりんぷりん」
高梨の手には、裕子の首からさげた白紐を、輪にして二つの結び目をつくって股間に通し、背中でも結び目を二つつくって首後ろの白紐をくぐらせ、引き下げ手首を合わさせ括ってしまいます。
「ああっ、ああ、ああ、ああっ」
縦一本、二本の柔らか白紐が、股を通して背中で、手首とともに括られた裕子。ショーツはまだ穿いたまま。股布のうえから、白紐が股をしめつけてきます。
「ああん、先生、手が、使えないよ、こんなの、先生」
「いいんだ、裕子、手を使わなくても、口がある、いいんだよ」
もぞもぞ、裕子は、高梨が見ている前で、もがきだします。高梨は、あらためて、裕子の乳房に触れてきます。
「ほうら、裕子のおっぱい、ぷっくら、揉んであげよう、モミモミだよ」
もう手が使えないようになった裕子は、高梨になされるがまま、くすぐられ、なぶられ、つねられながら、ショーツに隠された股の奥を、濡らしてしまうのです。ショーツを穿かせたままにして、高梨は、その濡れていく裕子の悶えに、好きさを抱くのです。大学の研究室で交わって、射精したから、四十五、高梨には、気持ちに余裕があるのです。
「ああん、先生ったらぁ、ううん、咥えてあげる、ああん」
立ったままの高梨のまえに、手を後ろにまわした裕子が片膝たてて、しゃがみ込み、ちんぽをむさぼるのです。25歳の裕子です。大学の学部から大学院、修士からドクターコースにまで学び来て、疼く肉体の欲求を不満のままに過ごさせて、高梨教授との接合に至っているところです。変質のところもある中年男の高梨です。教授職という世間体があるから、隠してはいるものの、ソフトSMに興味津々、みずからエスに転じてしまうところです。
「おおおっ、裕子、舌を使って、なめあげろ、そうそう、いい気持ちだよ、おおっ」
六畳の広さのワンルーム。裕子が暮らすマンションです。狭い部屋、畳一枚分の寝られるスペース、その横には裕子が就寝するシングルベッド。旅行用のかばんのなかは愛の道具がぎっしり詰まっています。裕子自身もエム性に目覚めてきて、通販でいろいろと小道具を買い求めていたところでした。
「ああ、ああん、先生、はぁああん」
フェラチオがおえられ、後ろ手に括られた裕子が立たされます。縦に通っている白紐の結び目と結び目のあいだに横紐をいれだす高梨です。背中から前へまわす白紐を、乳房と乳房のあいだのみぞおちの、縦二本の白紐の、あいだにくぐらせ、横に引かれるのです。背中にまわる横白紐が、背中の縦二本を割って通され、前へ引き絞られます。
「ほうら、裕子、おっぱいのうえとしたにも、横紐だよ」
「はぁああ、ああん、先生ったらぁ、ああっ、わたし、どないしょ、ああっ」
乳房の左右にまで縦の白紐がひろげられ、ゆるゆるの股紐がぎゅっと締められてきます。裕子は明らかに肉体のなかが崩れだしてきているのが、表情でわかる高梨教授、45歳です。

-9-
白いショーツを穿いただけの裕子は、縦に白紐を股間通して、後ろ手に括られてしまったのです。そのうえ横紐で乳房を絞りひろげられ、股に二本の白紐が食い込んできます。
「ああ、先生、抱いて、わたしを、抱いて」
狭い裕子のワンルームです。畳一枚分の床スペースに、全裸で立っている45歳の高梨です。後ろ手に縛められた25歳の裕子が、悶えだします。
「ふふ、抱いてほしいんだ、裕子、そのまえに、ショーツを脱いでもらうよ」
腰からお尻を、臍からしたの陰毛を、そうして」股間を隠した白いショーツを、高梨が脱がせにかかります。ショーツの腰に結ばれた左の紐を解くとぱらっとめくれ落ち、陰毛の半分が露わになります。右の紐を解くと、股の間を縦に入った紐に沿って、ショーツがめくれたのです。
「脱がせてしまうよ、裕子、抱くのは、それからだ、なっ」
高梨の興味の処は、裕子の股、その処です。その股に白い紐を通したまま、ショーツの布だけを脱がしてしまうのです。
「ああん、先生ったらぁ、えっちなんだからぁ、ああん」
白い紐が縦にはいった裕子の恥丘を、高梨が白布を降ろして、露わにしてやります。陰毛が高梨の情欲をそそってきます。お尻の白布も降ろしてしまって、解かれたショーツは股に残ったまま太腿の内側に留まっています。
「ショーツを脱いだら、写真撮影、いいだろ、裕子、秘密の写真帳だね」
裕子は、立ったまま、高梨が仕掛けてくる行為に、まだしらふだから、少し苛立ちますが、許容の範囲です。
「ああ、ああっ、したから、みるなんて、恥ずかしいです、先生ったらぁ」
全裸で白紐を掛けられ、それも後ろ手縛りにされ、乳房をひろげられ、股にも白紐が二本締め付けている裕子のまえに、座り込んだ高梨教授です。座った高梨は、全裸裕子の臀部に、左右から手をまわして撫ぜだします。
「ああ、温かいお尻、ああ、柔らかい太腿、裕子、好きだよ」
お尻に手をまわし、顔を裕子の股のうえ、陰毛のところにもってきて、頬をこすりだす高梨です。
「ああん、こそばいです、こそばい、ああん」
頬を裕子の太腿から陰毛のうえでこすりつける高梨の手に、スマホが持たれ、写真撮影モードにされ、裕子の羞恥姿を撮ってしまいます。
「ああっ、先生、そんなに下から撮ったら、ああん、だめよ、恥ずかしい・・・・」
全裸で後ろ手に括られた裕子の顔が、羞恥の気配に見舞われます。

-10-
白紐で後ろ手に括られ、股にも白紐を通されている裕子を、高梨が写真に撮ります。
「ああん、先生ったらぁ、こんな格好、恥ずかしいからぁ」
狭い部屋、六畳間ですが空きスペースは畳一枚分ほどです。全裸になって縛られた裕子。裕子は25歳、大学院の博士課程まで終えて、就職先を探しているところで、教授高梨の愛人です。
「いっぱい、えっちなこと、してやるよ、裕子」
「ああん、いやよ、先生ったらぁ、えっちぃ」
スマホではなくてデジタルカメラを持った高梨が、裸体の裕子から二歩ほど離れ、カメラモニターに裕子の羞恥裸体を収めます。カシャ、カシャ、シャッターを切る渇いた音が、裕子の部屋にひびきます。
「ほうら、膝立ちで、足をひろげて、目線はカメラだ、いいね」
白い紐が、裸体の縦にいれられた裕子です。乳房をひろげられ、腕は背中です。
「ああん、先生、恥ずかしです、写真に撮るなんて、ああん、恥いですぅ」
裕子は、頭の切れる才女です。でも、からだは年頃の女です。性欲は旺盛ですから、中年高梨のちんぽだけでは十分に満足させられないところです。だから、高梨は、裕子に性具を使います。性具で悶える裕子を観察するのが好きな男、高梨教授なのです。
「座って、あぐらを組むんだ、裕子」
「はぁああっ、座って、あぐら、はぁああっ」
裕子は、カーペットの上にお尻をつき、足をあぐらに組んで、高梨の目の前です。後ろ手に縛られている裕子は、手が使えません。あぐら座りした前に、高梨が立ちます。全裸の高梨が、裕子の顔の前に、腰を突き出すのです。半勃起状態のちんぽが、陰毛にまみれて裕子の目の前です。
「ああん、先生、おちんぽ、ううっ、ああっ」
裕子が顔を仰向かせ、半勃起ながらも太くて長いちんぽの陰茎、うらがわに唇をつけます。
「ほうら、裕子、なめろ、なめてるところを、写真に撮る」
手では握れないちんぽを、裏に唇をあて、上向く裕子。高梨は、上からカメラで、裕子の裸体をとらえます。もちろんちんぽを咥える顔を撮るのです。
「おおっ、裕子、おおっ」
高梨のちんぽが勃起します。ビンビンになってきます。カメラを置き、後ろ手に縛った裕子の頭を抱いて、立ったまま、自分の勃起ちんぽをフェラチオさせる高梨。
「ううっ、うぐ、うぐ、うう、うぐう、ぅううっ」
フェラチオさせている高梨が、裕子にクンニリンクスしたくなり、座り込み、あぐら座りの裕子を寝かせます。寝かせて、裕子の膝を肩に担いで、太腿ひろげさせます。
「ああん、あん、あん、先生、ああん」
肩に双方の膝を乗せられ担がれた、裕子の尻は浮き上がり、股間が真上になります。縦に白い紐二本が、陰毛から会陰、お尻の窪みにわたっているのを、高梨が、陰唇のところで、ひろげます。
「ああん、先生、あっ、あっ、あああっ」
白紐がひろげられ、陰唇がひろがり、膣前庭から膣口が露わになって、高梨が唇をくっつけたのです。舌を使います。陰唇のうちがわに舌を這わせます。じゅるじゅる、裕子の膣口を啜りながら、膣前庭からクリトリスへ、舌先を動かします。もう、裕子の股の真ん中は、濡れ濡れ、ぐっちょり、女の淫水で濡れています。ヌルヌルの膣口へ、高梨の舌先が挿入されていきます。

-11-
裕子のワンルームに来ている高梨教授です。目的は、セックスするため、、裕子は25歳、高梨は45歳です。
「ああん、先生、あっ、あっ、ほしい、先生、欲しいですぅ」
クンニされるだけでは物足りない裕子が、高梨のちんぽでいかせてほしいというのです。白い紐で後ろ手に括られた裕子。股には白紐が渡されているので、性交の段階では、紐を解いて、交わります。
「ああ、ぼくも、裕子が、欲しいよ」
紐が解かれていき、全裸の裕子が自由になります。裕子も高梨も全裸です。ベッドはシングル、そのまえのカーペットに仰向いて寝そべる裕子。高梨は、あらためて、裕子の裸体を眺めます。ぷっくらの乳房、すぼんだ腰、丸く膨らむ腰から太腿までの臀部、柔らかい、白い肌の裕子。才女裕子は、もう濡れだしています。
「ああん、先生、きて、はやくぅ、きてよぉ」
寝そべった裕子の横に座っている高梨に、からだを密着してほしいと誘導する裕子。高梨は、裕子の足をひろげさせ、ひろげられた足の間に裸体をいれます。
「はぁあ、ああん、先生ったらぁ、ああっ」
高梨の手が、乳房に触れてきて、裕子が小さな声を洩らします。
「ああ、裕子、おおっ」
高梨が手で乳房を触ってきて、そのままからだを乗せてきて、寝たまま、裕子が仰向き、高梨が俯きです。まだ勃起させたちんぽは、裕子に触れていません。高梨は、裕子のわき腹から腕をいれ、裕子の頭の後ろへまわします。頭を抱かれれた裕子は、高梨の唇で愛撫を受けだすのです。軽いキッス、高梨の唇は、裕子の頬へ、耳たぶへ、首筋に触れられ、乳房へおろされる唇です。裕子は、足をひろげていて、いつでも男を受け入れられるところまで熟成しています。
「ああっ、ふぅううっ、ああっ、ふぅうううっ」
裕子は、高梨の背中へ腕をまわし、軽く抱き、仰向かせた裸のからだを、高梨の愛撫に、うごめかせます。
「ああっ、あああっ」
「ううっ、裕子、いいねぇ、裕子、おおっ、裕子」
「はぁああ、先生、いい、ああ、いい、そこ、いい、ああっ」
高梨の唇に乳首をつままれ、吸われだして、裕子は、小さな悶えの声を洩らします。
「ああん、あっ、あっ、ああん、ひぃいい、いいっ」
高梨は左手を裕子の頭後ろにまわし、右手で、裕子の肌を愛撫です。唇で乳房を、乳首を攻めながら、右手でわき腹、臀部、太腿の外側、内側、股にまでは手を入れない高梨です。裕子を焦らしながら、裕子の声の反応を感じながら、裕子をしだいに深くへと、導いていくのです。裕子のワンルームは六畳間です。女の調度品、女の持ち物が見えるなか、男と女の道具箱、性具が詰まったカバンが置かれてあるのです。でも、いまは、性の道具を使わない。生のちんぽで、裕子のからだを、歓ばせてやるのです。

-12-
<大学の研究室>
大野由紀が高梨教授から研究室の来ないかと呼ばれて訪問したら、助教の三杉裕子が出迎えたのです。
「ちょっと待ってらっしゃい、教授はまもなく戻られるから、ね」
大学二年生で二十歳になったばかりの由紀は心理学専攻です。このまえの美女コンテストでグランプリに輝いた女子です。25歳の裕子は助教、高梨研究室の世話をしていて、心理学研究室に、性的興奮度を測定する装置が導入されたので、その体験をさせるため、学生の体験実習として、学内でも男子のアイドルとなった由紀が選ばれたところです。
「あのぉ、体験実習って、どんなこと、するんですかぁ」
白いミニのスカートにブラウスを着た由紀は、応接のソファーに座って、裕子に尋ねます。裕子は、美女コンテストで学部の学生時代に、グランプリに選ばれた美貌の助教です。男子が恋愛対象ですが、女子にも興味を持つレスビアンでもあるんです。
「女の子が、ねっ、感じるときの、心理を、数値化する実験なのよ、その被験者さんよ」
「感じるときって、どういうことでしょうか、三杉先生」
「大野さんは、経験ないの?、せっくす、わかる?、セックス」
濃紺スーツにタイトスカート、黒のパンスト姿の三杉裕子が、女どうしということもあるから、由紀のセックス体験を聞き出すのです。
「ええっ?、わたし、高校時代、少しだけ、したこと、あります」
ソファーに座った由紀は、膝をぴったし閉じたまま、太腿の半ばまでずり上がってしまったスカートの裾をひっぱり下げ、立ったままの助教裕子を見上げ、ぽつぽつと告白です。
「それは、男の子と、なの、女の子には、興味なし?」
「ええっ、わたし、男の人、ほんとうは、あまり、好きになれません」
裕子は、うすうす由紀には、そのことがあるのでは、と感じていたから、やっぱりね、という感触で、内心ほっとします。裕子は、高梨教授といい関係だけれど、それだけでは満足していなくて、レズとかマゾの相手を探していたところでした。
「おお、大野クン、来てくれていたんだ、よろしく頼むよ」
高梨教授が研究室に戻られると、部屋の空気感が変わり、研究ムードになり、男と女がいる部屋になった感じです。裕子は、高梨に、由紀は経緯あり、とだけ合図して、会話が進みます。
「実験のことはあまり外部には洩らさない、いいね、大野クン」
「はい、わかりました、先生、わたし、実験に、興味あります」
「そうか、それはよかった、じゃあ、三杉クン、誓約書にサインしてもらって」
高梨教授が、じっと見つめてくる視線に、由紀は目をそらします。誓約書は、実験に同意するという同意書でもあります。裕子が、由紀を立たせ、体験ボックスへと誘導します。研究室の隅に設けられた畳二枚分、一坪の広さの木製ボックスです。三方が木の板壁、奥は淡いピンクのカーテンです。左の壁前には、大の字の板です。窓に面した一方が開口部ですが、淡いピンクのカーテンが垂らされていて、閉めると密室のボックスになります。
「ええっ、この椅子、なんだか、変な椅子、ええっ、これに、わたし、座るの」
「そうよ、女ならわかるでしょ、婦人科の、ほら、あれみたいでしょ」
狭い部屋、畳二枚分のスペース、大学の研究室の一角に設けられたボックスは、性の実験場です。二十歳の美女が体験させられる、倒錯する性の世界です。






























































































































































































































































































































































































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